2008年08月08日

ROCK IN JAPANレポート〜3日目(後編)

 今週も金曜日から日曜日まで更新できそうになく、皆さんのコメントに対する返信も月曜日に一気に行うことになりそうです。ライブに行っていない人でも(というかおそらく行ってない人の方が確実に多いと思われますが)その様子だけでも読んで楽しんでくれれば嬉しいと思っています。


16時20分〜 鬼束ちひろ(GRASS STAGE)
 16時20分、ひたちなかのステージに神が舞い降りた。
 ステージに出てきた瞬間思わずそう評さなければならないほど、尋常ならざるオーラを漂わせて登場。バックバンドはなく、富樫春生さんのピアノ演奏があるのみ。
 「X」「月光」「everyhome」「Dream On(Aerosmithのカバー)」。ひたすら情念たっぷりに、時には髪をかき乱しながら体全体で歌い続ける彼女。その歌声は天にも届くような、地をも這うような物凄い声量の響く声。その歌唱っぷりに観客はひたすら圧倒されるばかり、間奏ごとに大きな拍手。
 私はこのステージを見て、昭和のある歌手のことを思い出しました。ちあきなおみである。もちろん彼女のステージを生で見たことはなく、紅白やレコ大などの映像で見ただけですが、それを見ただけでも彼女は一つ一つのステージを大事にし、言葉を大事にして、プロフェッショナルに徹していた人であったように思えます。レコード大賞受賞時に涙を流しながらも見事に歌いきった「喝采」、いまなお伝説と化している紅白の「夜へ急ぐ人」「紅とんぼ」…。
 ほんの数年前まで、歌いたくても歌えない時期があった彼女。それを経た彼女にとって、歌えること、そして自分で紡いだ言葉を伝えることが出来るということは何よりの喜びであり、誇りであるとともにそれが自分に課せられた義務なのかもしれない、でも私は歌うのである、というメッセージが歌の中に込められているのだろうかと感じさせたステージでした。そのひたむきに歌う姿に私は深く感動し、思わず涙が出てきそうになりました。曲のジャンル的にはロックとは違うかもしれませんが、ここで歌っていた彼女はまさしくロックだったように思います。
 先述の4曲立て続けに歌い、富樫さんの紹介だけで終わったMCの後「Sign」、そして新曲「蛍」とわずか6曲だけのパフォーマンスではありましたが、そこでの彼女はまさに「真の歌い手」にふさわしいものであったと思います。そして同時にこんなことも思いました。彼女が歌っている音楽のジャンルは本当はポップス・ロック・歌謡曲いずれもふさわしいものではなく、「鬼束ちひろ」と新たにジャンルすることがもっともふさわしいのかもしれないと…。


 次のステージの間ちょっとだけDJブースでcapsuleのステージを拝見。多くの人で溢れ返っておりました。中田ヤスタカ氏見たさに殺到したものだと思われます。capsuleの音楽自体は人が多かったせいもあって短時間では残念ながら把握し切れなかったですが…。


17時40分〜 KREVA(GRASS STAGE)
 実はこの時間もともとBase Ball Bearを見るためにLAKE STAGEに行く予定でしたが、10-FEETのライブの時にKjなどが出てきた時に何かあるかもしれないと予感してこのステージに。その予感は間違ってなかったと言うべきか、予想をはるかに上回る結果となりました。
 観客をノリノリにさせるパフォーマンスでこれまでのヒット曲をどんどん披露。『クレバのベスト盤』というベストアルバム発売後だけあって、シングル曲中心のナンバーが並びます。私自身KREVAの曲はそこまで知らないのですが、それでも安心して聴くことが出来、そして楽しませることが出来るパフォーマンスでした。ちょっと疲れていたのでかなり後ろの方で座りつつ見ていたのですが、右手は音楽に合わせて自然に動きっぱなしでした。
 色々パフォーマンスを見せた後ここで重大発表が。「超スペシャルな企画、世界で俺だけしか呼べないゲストを呼んできたぜ」というMCの後に発表された名前は…

 KICK THE CAN CREW!!!

 もう会場は今日一番の大歓声で、後ろにいた私達も思わず前に進んでしまいましたよ(笑)「イツナロウバ」「アンバランス」の2曲のみの披露で、今後再結成する予定は特にないということらしいですが、これは凄い物を見たぞという感じで、ROCK IN JAPANの歴史でもそうそうないレベルのビッグサプライズだったのではないでしょうか。その後KREVA単独のステージに戻り「アグレッシ部」「スタート」を歌唱してステージを〆ました。
 そういえばKREVAはこんなことも言っていました。「揉め事とか、解散とか、事件とかそんなこと関係なく楽しもう」「今日しか作れない最高の思い出を作ろう」と言った具合。これはKREVAだけでなく、この日トップバッターのDragon AshのKj、10-FEETのボーカル、そしてこの後に出てくるアーティストも同じようなことを言っていました。ライブというものは、お客さんあってのもの。それはこのフェスに出ているアーティストの人たち全員が持っている共通認識であるように思いました。だからこそこのフェスが10年近く続いているのだろう、ということもあらためて感じました。


19時00分〜 ELLEGARDEN(GRASS STAGE)
 この日のために、私は先日リリースされたベストアルバムを購入して聴きました。ところが色々あってあまり聴くことができず、わずかに「Space Sonic」「Salamander」を憶えた以外あまり頭には入りませんでした。しかしライブが始まり、全てのステージが終わった後には、そんなことは全くもってどうでもよいことだったという結論に達しました。
 最終日のこのステージの大トリというものは、いわば数多いるミュージシャンの中で最高峰のステージとも言えるもので、過去のメンバーにはDragon Ash、矢沢永吉、サザンオールスターズなどまさに錚々たるメンバー。その中に今年は彼らが入ったわけです。
 とにかくひたすらジャンプしまくり、手動かしまくり!夜なので陽はもうなく、後に控えるアーティストもなく、ましてや活動休止を控えていて二度と見ることが出来なくなるかもしれないという状況。まさにここで盛り上がらないでいつ盛り上がるんだという状態、いや実際のところELLEGARDENの演奏が自然に観客全員を虜にした、いや虜にしてくれたといった感じであることは言うまでもないでしょう。
 ボーカルの細美さん。MCは自分では得意ではないとおっしゃってました。「ここで言ったことがどう伝わっているのかがわからない」ということを言っていました。だからこそ「これからの素のままの自分達でいきます、応援してください」という言葉が自然に出たのかもしれません。つまりELLEGARDENが活動休止になったのは、本当の素のままの自分たちだったから、メンバーが納得できない音楽を作るのはファンだって納得しないだろう、だからこその結論なのかなとあらためて思いました。誰にも媚びることも飾ることもしないこと、それは実社会の上では非常に難しいことだと思うのですが、彼らはそれを少なくともステージ上ではしっかり果たしているように思いました。
 「一人では出来ないことでも、みんながいれば出来るような気がする。」「このステージだってスタッフが一生懸命作り上げたものなんですよ」はっきり一言一句憶えている訳ではないのですが、そのような名言を連発していました。その言葉はいずれも熱く、人間味あふれる物でした。音楽的にも素晴らしいですが、こういった人間性がバンドを大きくしてきたのかなと感じさせたステージでした。
 アンコールではファンが自然に円になって肩を組み合ったり。これも一人では出来ないもので、多くの人数がいるからこそ出来ること。感動的なフィナーレを迎えた後はこのフェス恒例の無数の花火で、美しく締めることができました。細美さんが「ありがとうございました!」と挨拶していましたが、見ているこちらこそが「ありがとうございました!」と叫びたい、そんな気分にさせてくれたラストステージでした。


 本当に色々なことが走馬灯のように過ぎていったような、非常に印象深いフェスでした。この素晴らしさを文章にするのはとても難しく、特にELLEGARDENの部分は文章として全くまとまりがない物ですが、少しでも伝わったでしょうか?
 チケットを取ることが出来るならば、今年はCOUNTDOWN JAPANにも参戦したいと思っています。もっとも大晦日は別のライブ(といってもテレビで見ることになりますが)のレポートを書く必要があるのでカウントダウンに立ち会うことはないと思いますが、せめて様子だけでもこのブログにアップできれば、と思っています。



この記事へのコメント
長々とレポートお疲れ様でした。

ステージへの他のアーティストの飛び入りってのはフェスならではの光景ですね。(公式Webのレポートを読むと、昨日見れなかったRIP SLYMEのステージにはホルモンのナヲ・ダイスケはんの2人が飛び入りしていたとか)
まぁそれにしても今回のKICK THE CAN CREWは相当なサプライズでしたね。某音楽サイトでもニュースに取りあげられてましたし。

これで1日目の金曜日まで参戦されていたらどんな量のレポートになっていたのか、などと想像してしまいました(笑)。あの日もいい加減相当濃い面子でしたから。


また今後ともよろしく。
Posted by aipo at 2008年08月08日 06:12
ちひろちゃんは昨年活動再開しましたが、ここまで来るにはかなりの葛藤があったと思いますね。拝見したかったです。
KICK THE CAN CREWとは驚きましたね。また本格的に再結成して欲しいなあ。
エルレのステージは見たかったです。JAPANのインタビュー見てても、細美さんの言葉ひとつひとつに涙が出そうになりました。「解散だけは嫌で。メンバーと話し合って休止になってよかった」「絶対戻ってきますよ、同じバンドで」といった事を語ってました。それを見る限りではこの人たちは絶対戻ってくると信じずにはいられません。エルレのメンバーはホントに良い意味で音楽バカで、K-Marineさんが言う様に、メンバーが納得しない音楽は、ファンも納得しない、だからこそ休止を選んだんだと思います。ELLEGARDENというこの素晴らしいバンドがいつか必ず戻ってくる事を心から願ってます。
Posted by ミツ at 2008年08月08日 08:54
ロックインジャパン行かれたんですね。お疲れ様でした。僕の方はここ3年くらい毎年行ってたんですが、今年は行きませんでした。(代わりにライジングに行ってきます)
2日目だけは行きたかったんですけど、チケットは取れなかったですね。僕が始めてフェスに参加したのは6年前になるんですけど、当時は当日までチケットが余っていました。毎年争奪戦になりつつあります。
ところで、レポートですけど、フェスの感動がストレートに伝わってきましたよ。僕自身もフェスには他のライブとは違う、特別な空気を感じて、感傷的なレポートなってしまいますね。でもそれがいいんじゃないかと思います。
Posted by junper at 2008年08月09日 12:49
二日に渡るレポートお疲れ様でした。CDやテレビでは見えない部分が見えたりするので歌手に対する見方が変わっていくかもしれないですね。(あと規模は全然違いますが、以前言った自分が参加した地元のライブと大まかに比べてました。)
Posted by マルカン at 2008年08月11日 01:10
>aipoさん
 そういえばホルモン、「次の曲は楽園ベイベー」「いや、それはその後に出てくる人たちの曲だから」なんてやりとりをMCでやってましたねw その流れの参加だったんでしょうか。
 今後ともよろしくお願いします。

>ミツさん
 鬼束さんは迷いを吹っ切って一点を見つめているという感じですね。エルレは人間的にも素晴らしい人だと思いました。

>junperさん
 いやぁ、ありがとうございます。ライジング行けるのはうらやましいです!ひたちなかはまだしも、さすがに私に北海道は遠過ぎます…。

>マルカンさん
 いやぁ、変わりましたよ。それも概ね好印象になりました。
Posted by K-Marine at 2008年08月11日 20:48
ROCK IN JAPANレポだいぶ遅くなりましたが全部見させていただきました。
大学生になったら1回は夏フェスに行きたいですねー浪人しなければあと2年ですが。今は忙しいので・・

KREVA以外好きなアーティストは出ていないようなのですが、なんというか雰囲気が凄いんでしょうね。

そしてKICK THE CAN CREW非常にうらやましいです笑
Posted by D at 2008年08月24日 17:45
>Dさん
 この雰囲気は一度味わったらやみつきになると思いますよ。聴く音楽の世界も広がるのではないかと思います。
 受験生ということは今が大切な時期ですね。ゆっくり勉強に励んでください。
Posted by K-Marine at 2008年08月26日 01:01
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