2009年04月30日

GOINGKOBE'09(2009.4.29)

 昨日神戸で行われたチャリティーロックフェス『GOINGKOBE'09』のレポを書いていきます。この記事は5月1日に加筆修正しました。

 このロックフェスが行われるのは5回目になります。全ステージ入場無料のチャリティーライブなんですがオフィシャルブックの歴史を読む限りで決して毎年順風満帆に行われていたわけではなく、特に2年前はそれこそ中止の危機にも直面したようです。とにかくこのイベントは会場やアーティストのブッキングを初めとしてこれまでに多くの苦労があったからこそ成立しているイベントです。
 きっかけは1995年1月17日、あのいまわしき阪神大震災。そこから音楽を通じて現在でも苦しんでいる人々の助け・励みに少しでもなることを目標としている…といったところでしょうか。ステージを無料で見ることができる代わりに会場では各所に募金箱が設置されていて、またオフィシャルブックや公式Tシャツなどのグッズの売上金からも募金する仕組みになっています。


 今回ステージとして使用された会場は以下の通りです。

・神戸国際展示場
 ポートライナー市民広場駅を降りてすぐの会場。3号館が使用されていましたが個人的にはここでステージを見ることはありませんでした。

・神戸ワールド記念ホール
 5月は東方神起、倖田來未、DREAMS COME TRUEのコンサートが予定されている神戸を代表するホール。当フェスのメイン会場。

・神戸夙川学院大学
 講堂、野外、食堂など、当大学の様々な施設がステージとなりました。

 なお出演するアーティストは有名どころからまだ見ぬアーティストまで合計約120組。

 開場は10時半ですが私が会場に到着したのは11時頃。三宮駅からポートライナーで市民広場駅まで乗るわけですが、やはり人でいっぱいでした。

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 駅の目の前には神戸国際展示場。

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 向こうに見える茶色い建物が神戸ワールド記念ホール。

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 屋台も出ています。

 ちなみに神戸国際展示場の中にも入ってみました。屋台やクロークが見える中でこの日出演するバンドが演奏するようです。観客から見るとまったりと見られる環境ですが、バンド側から見るとあまり良い条件ではなかったように思います。

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 いよいよ神戸ワールド記念ホールに入ります。

・四星球
 とりあえず会場の全容を見るために色々回った時にワールド記念ホールのアリーナに行って目に止まったのがこのステージ。祭りの半被の下は白ブリーフ1枚という衣装で、着いた時にはブリーフ1丁で踊り狂っていました(爆)MCも関西人らしいノリで、ほとんどロックバンドというより芸人という感じでした。なおオフィシャルブックの紹介には「日本一泣けるコミックバンド」とあります。全部は見ていないので本当に泣けるのかどうかはわかりませんが。

 さてここから神戸夙川学院大学に向かいます。ホールから約15分の道のりで、

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 こんな道や、

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 こんな道を歩きます。

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 見えてきました。ちなみに左の建物です(笑)

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 大学の野外ステージ。この写真の右側にこれから見るステージがあります。

・CHERRYBLOSSOM
 ホールから15分歩いた神戸夙川学院大学の野外ステージ。先日シングルとして発売された「桜ロック」という曲がかなり良かったこともあって個人的には期待していたのですが、残念ながらその期待値には達していないパフォーマンスだったように思いました。
 2人の女性ボーカルにG&Cho、B&Cho、Dr&Cho3人の男性という編成なんですが、後ろの3人に見せ場らしい部分はほとんどなく、ボーカル2人が前面に出ている感じですがどうも歌声は喉に頼りきっている印象。早口の歌詞の歌い出しがあまり聴こえず、MCも若干ピントがズレている印象がありました。
 曲は全部で5曲。「桜ロック」だけがやけにポップで妙に目立っているような感じで、このバンドの主流は基本的には普通のロックという印象でした。
 個人的に一番気になったのがボーカルの1人が間奏中に普通に水を飲んでいたことですね。では曲間に飲んでいなかったのかというとそういうわけでもなく。この行為は後ろ3人が頑張って演奏している中でこの仕草はいくら暑い野外とはいえ、ちょっとどうなんでしょう。例えばダンスを主流とするグループなら間奏=ダンスですし、楽器を持って歌う人なら楽器を弾く必要があります。そうじゃないとしても間奏で盛り上げるのがボーカルの仕事ではないのかな、と思います。今の状態だと間奏に表情がないと言われても反論できない状態で、それに気づかない間は厳しいようですが、バンドとしてこれ以上の成長は見込めないと思いますね。単に喉の調子が当日悪いということなのかもしれないですが、仮にもメジャーアーティストですからね…。

・MOB STEREO NOISE
 大学の食堂でのステージは天井が低く、それゆえ楽器の音が相当響くのでボーカルの声がまるで聴こえませんでした。まあこればっかりは仕方がないと思います。
 大分からはるばる11時間(!)かけてやってきたということです。それだけに凄くひたむきに演奏しているということが伝わりました。ステージとしては相当な悪条件だと思いますが、そういうことは全く気にせず、ただただ聴いてくれる人たちに向けて演奏していていました。個人的には好感の持てるステージでした。
 4ピースバンドで、音楽としてはeastern youth辺りを目標にしているのかな?と感じました。数年後にTOWER RECORDSのインディーズコーナー辺りで取り上げられる可能性もなくはない存在だと思います。チェックする価値はあるでしょう。

・松本隆博
 この日私が見たアーティストを振り返ると、この人だけ確実に浮いていたように思います(爆)「お母ちゃんの言うとおり」など主に自分の母親をテーマにしたハートウォーミングな楽曲を4曲演奏していましたが、周りを見渡す限りポカーンとした感じの表情をしていた人が大半でした(汗)確かにこういうロックフェスに行くような若者はこういう曲聴かないですよねぇ。盛り上がった所といえば、歌う前から本人が出てきて音合わせしていたというところと、最後の曲のオケが出ない為に繋ぎとして急遽「松本レンジャイのテーマ」を歌った所でしょうか。
 ちなみに4月限りで社長を務めていたベンチャー企業を辞めて、今後は晴れて独立して音楽活動と講演で食っていくということで、弟さんからは相当心配されているそうな。ちなみに音楽活動は紅白に出るまで続けるということらしいです。

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 今度は講堂に向かいます。入場制限でかなりの列ですが、思ったよりスムーズに入ることができました。

・ニューロティカ
 講堂に入った瞬間ムワッとして人も多く、確実に野外より暑いです。
 タワレコかどこかで名前くらいはなんとなく聴いたことあるかもという認識でしたが、活動25周年で全員40代ということです。白塗りの化粧をしてステージの端から端まで動き回っているボーカルの姿にそんなことは全く感じさせなかったので、それを聞いた瞬間リアルにビックリしました。
 ギターやベースも見せ場が多く、ボーカルのパフォーマンスも25年やっているだけあってかなりのもの。それでいてMCも非常に面白く、高音で明快かつ綺麗な声もさすがの一言。観客のノリも出てきてほんの数秒でテンションMAXの状態で、素直に盛り上がった25分間でした。
 ちなみにボーカル曰く、今日のバンドはなっていないということ。理由は「化粧しているのが俺だけ!」だからだそうです(爆)

・ナショヲナル
 この講堂、またワールド記念ホールもそうなんですが両端にステージがあって、片方のステージで演奏している間にもう片方のステージでは準備作業、そのため基本的には合間なく両方のステージが進行しています。ニューロティカがメインならこのグループはサブ、一般的に見ると繋ぎのステージという役割です。
 5人組のロックバンドですが、正確にはロックパフォーマンスバンドという感じ。何しろのっけからサイリウムを使って踊り狂っています。特に意味不明だったのがキーボードの人で、どう見ても風貌はソラミミスト安斎肇。全体的にキモい雰囲気の中で一際キモく、挙句の果てには近藤正臣ばりにキーボードの上に立って音を出す始末。というよりキーボード弾いている時間より踊り動き回っている時間の方が明らかに長い。途中でギターの人もドラムを勝手に叩いたりして、実に異彩を放つ集団で面白かったですが、同時にCDだとこのバンドの魅力の1割も伝わらないだろうなぁと感じました(爆)

・JITTERIN' JINN
 全5曲のセットリストで、昔の曲は「プレゼント」だけだったのですが、最近の曲でもやっている音楽はその時とそんなに変わりなく、破矢ジンタの独特のメロディーライン・インパクトのあるフレーズと春川玲子の声はキーも変わらず健在でした。ラスト2曲はなんと春川がアコーディオンを弾きながらのパフォーマンス。でも何となく聴いていると、JITTERIN'JINNとLINDBERGの音楽の共通点はかなり多いような印象も受けました。そもそもブレイク時期も同じですし、何となく時代を感じます。

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 再びワールド記念ホールまで歩きます。

・175R
 それなりに体力も消費した上に、どう見えるかもちょっと知りたかったこともあってアリーナではなくスタンド席からまったりと観覧。「ハッピーライフ」から「SAKURA」を経て「空に唄えば」で締めるというあまりにわかりやすいセットリストに明快なメロディーですから、当然アリーナでは大盛り上がりでした。メジャーデビューから6年経ってもやっぱりSHOGOの動きは熱かったです。

・SA
 先ほどの大学の講堂と同様、こちらもアリーナの両端にステージが存在します。175Rのステージが終わって5分インターバルがあった後すぐにステージが始まりました。このグループはパンクのオッサン4人組。ボーカルはリーゼントの髪型でした。フロントからは「SA! SA!」コールがこれでもかというくらいに響き渡っていました。

・サンボマスター
 このステージはアリーナに降りて見たのですが、山口隆は見ていて本当に暑い、いや熱いですね。何と言いますか、手を抜いている部分を全く感じさせないパフォーマンスでした。「青春狂騒曲」「歌声よひびけ」、新曲を経て「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」というセットリストはものすごく豪華、ラストはアカペラで1コーラス歌って〆。曲の合間のたびに「俺達には音楽しかないから一緒に歌ってくれてもいいですか」「ありがとう、みんな最高だぜ!」といった内容の言葉が胸に響きます。

・EGG BRAIN
 SAよりは明るい感じのパンクバンド。スタンド席でボーッとしていたのであんまり憶えていません(汗)

・B-DASH
 本来ならONE OK ROCKの時間帯だったんですが例の事件の影響があってキャンセル、代わりに出てきたのがこのバンドでした。ちなみに2時間前にも別のステージで歌っていた模様。
 あんまり個人的には聴かないバンドだけあって、どちらかというとこの時間は音楽よりもアリーナのノリの様子を中心に見ていました。全体としては会場中が盛り上がっていて、フロントは当然縦ノリ、所々で何人かが円を組んで踊っていたりしていました。そこにはロックを楽しむにあたってあるべき姿が存分に見えてきました。
 このバンドに関しては皆さんの方が確実によく知っていると思うので詳細は省きます。ただこれだけ観客を動かすに値するステージであったことは間違いないです。

・GARLICBOYS
 これまたパンクバンドです…、あんまり憶えていません。すみません。

・泉谷しげる
 いきなり出てくるなりバリバリのギター演奏で、「裸になって何が悪い!」というフレーズを連呼、のっけから「年寄りなんだから気遣えよ!」「1曲しかやんねーぞ!」「タダなんだから贅沢いうな!」と言いつつ名曲「春夏秋冬」、終わったら自らアンコールと称して「野生のバラッド」。ノリに満足いかないと演奏を中断してコールを強要、それはアリーナにとどまらずスタンドの観客席まで。その部分を合計何回繰り返したかは会場の誰も絶対わかっていないだろうと思われますが、とにかく60歳だというのにどう考えても有り得ないパワフルさ。しまいには観客に向かって乱入するわ腕立て伏せを始めるわでまさにやりたい放題。こういう60歳を見ていると、若者はもっと頑張らないといけないと言うより絶対頑張ることが出来るよなぁ、とあらためて感じました。

・ガガガSP
 「半径5cm以内の限りある範囲の中で、幸せの綱を引っ張ってほしい」「何でもいいから楽しめることを持つこと、それが幸せだ」、そして「ロックンロール最高!」。コサック前田がMCで色々なことを言っていましたが、結局はこの言葉に尽きるのかなと思います。入場無料なのにこれだけ本気のパフォーマンスを見せてくれる彼らを始めとする、この日出演した約120組のバンドとフェスの主催者にあらためて敬意を表すとともに、音楽というものは凄いものだ、とあらためて感じさせた時間でした。曲の知識とかそんなことは関係なく、本当に何も考えずにただ楽しめた時間でした。パフォーマンスは当然ではありますが、この日最高潮の盛り上がりを見せていました。本当に広い会場が一体となっていました。何と言いますか、ロックフェス「GOINGKOBE '09」という名前のドラマの最終回を身をもって体感したようなステージだったように思いました。
 なおセックスマシーンのボーカル森田氏が観客の中に紛れ込んでいたようで、いつのまにか「モーリーター!」コール連発になっていたことも記しておきます。


(総括)
 とりあえず個人的な反省点としては、やっぱりもう少し体力を鍛えないといけない、ということでしょうか。今回見たアーティストの平均年齢の高さとパフォーマンスを考えると、この程度で疲れたと言ってる場合ではないような気がしました。まあ無理をする必要もないのですが。
 まずは実行委員長の松原裕氏を始め当日頑張ったスタッフ・ボランティアの皆さん、そして出演してくれたアーティストに最大限の敬意を表したいと思います。私が見る限り、スタッフ全員が嫌な顔ひとつせずに頑張って働いていたように感じました。唯一苦言を呈するとしたら、ホールから大学の道案内の時に掲げていたプラカードが『GOINGKOBE '08』になっていたことくらいでしょうか。アーティストも基本的にはギャラがどうこうとかの話ではなくほとんどが積極的に出演に協力するということらしくて、そういう意味でもこのイベントは人々の繋がり、善意というものを他のフェス以上に感じさせる内容ではないかと思います。
 そして今年のGOINGKOBE '09はイベント始まって以来の満員大入りを記録したそうです。入場無料と言いつつも携帯電話から入場券をダウンロードする必要があったのですが、予想以上にダウンロードがあった模様です。もちろん無料でこのアーティストの顔ぶれだったことが大きいのも事実ですが、少しずつこのフェスの存在が広まってきているということも大きいのではないかと感じます。
 費用などを考えると、来年以降もこのイベントが本当に続けられるかどうかはまだわかりません。ただもし行けるようでしたら来年も足を運びたい、と個人的には思わずにはいられませんでした。

posted by Kersee at 22:51| Comment(3) | ライブレポート(2010年以前) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
20代の若者が、今の内に体力云々なんて言ってたらいけません(笑)

フェスは複数の人達を同じ日に見る事になるので、見せ方のうまい人と下手な人、スキのある人と無い人の差がすごく分かる場でもありますよね。1日1万円以上取る様な大手のフェスだと、当然ながらそれなりのクオリティを見せる人を主催者が絞り込んでるので、それほどひどい人は見ませんけど。

ジッタリンジンや泉谷は先週末のアラバキで見たのと大体似た感じのステージだった様ですね。あちらでも最後の2曲でアコーディオン弾いてましたよ。

あと、松本のお兄さんが確かにこの面子の中で完全に浮いていると思いました(笑)
Posted by aipo at 2009年05月01日 07:29
自分もGOING KOBEへ行きました。

個人的には、アンダーグラフが一番印象に残りました。
シングルやアルバムタイトルなどのイメージから静かなバンドだと思っていたのですが、今回ライブを初めて見て、思ったよりもロックな感じで盛り上げてくれ、驚かされました。
そして自分が当日見た中で数少ない(唯一かも?)バラード曲「心の瞳」は心に響きました。このブログでもレビューされていましたが、いい曲ですね。

また、他のフェスでは見れないようなfox loco phantom・MARSAS SOUND MACHINE・THE LOCAL ARTといった今まで知らなかったアーティストの熱いパフォーマンスが見られるのはこのイベントの特徴ではないでしょうか。

そして175R・泉谷しげる・ガガガSPなどのライブでの一体感は本当に圧巻でしたね。

本当に主催者の方には感謝です。
Posted by gohan at 2009年05月02日 03:09
>aipoさん
 本当に色んなアーティストが見れるフェスだなぁ、とあらためて感じました。パフォーマンスの差は一応肌では感じた方がいいのかもしれない、と少し思います。

>gohanさん
 お疲れ様でした。アンダーグラフも見たかったんですけどね、サンボマスターを優先してしまいました。おっしゃる通り、今まで知らなかったアーティストを見られるというのは大きな特徴であるとともに、収穫でもあるように思います。
Posted by K-Marine at 2009年05月03日 06:04
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