2009年08月06日

ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2009 1日目(2009.7.31 at 国営ひたち海浜公園)

 お待たせしました。いよいよROCK IN JAPANのレポに入りたいと思います。読んでいただく前にまずは注意点を。

・当然ですが、私が見ていないアーティストについては書いていません。

・曲名、セットリスト、MCの一部に関してはオフィシャルサイトのレポート(http://www.ro69.jp/index.html)、mixiのコミュニティなどを参考にさせて頂きました。それでもいくつかの部分で抜けは発生しています。その部分は9月中にあらためて追加修正する予定です。

・今回のレポはとりあえずステージのみとなります。写真は掲載していません。ただし携帯・デジカメで会場の様子は多数撮影していますのでリクエストがあれば後日写真集という形で当ブログにアップすることも考えています。

・なおレポの文章構成は昨年末のCOUNTDOWN JAPAN−WEST−のレビューに準じています。



 次にステージ紹介。Twitterのクイックレポを見た人ならもう今さら説明する必要もないと思いますがとりあえず以下の6つのステージがあります。
・GRASS STAGE:集客規模約4万人。このフェスだけでなく、それ以外のステージを見渡しても最大規模で邦楽ロックアーティストにとっては目標とすべき場所。
・LAKE STAGE:集客規模約1万人。スタンディングエリアと座って見れるテントエリアに分かれています。
・SOUND OF FOREST:集客規模約8000人。緑に囲まれたステージですぐ隣りには屋台が広がっています。
・PARK STAGE:集客規模約7000人。今回新たに設けられたステージ。
・SEASIDE STAGE:海を望める風光明媚な場所に新しく作られたステージ。集客規模は約2000人でかなり少なめ。
・WING TENT:若手バンドの登竜門的ステージ。チャットモンチーや9mm Parabellum Bulletも初出演はここでした。なお今回ここで見たステージは個人的にはいません。


 なお参考までに昨年のレポもリンクしておきます。
・2日目前半(Perfume、チャットモンチー)
・2日目後半(Puffy、マキシマム ザ ホルモン、筋肉少女帯、フジファブリック)
・3日目前半(Dragon Ash、奥田民生、10-FEET)
・3日目後半(鬼束ちひろ、KREVA、ELLEGARDEN)

 それでは早速始めましょう。あとかなりの長文になっているのでその点はご留意を。

・Perfume(GRASS STAGE)
 1日目のひたちなかの天気は雨模様。朝の8時ごろにはレインコートが欠かせない悪天候だったのですが10時頃に雨はやみ、渋谷陽一氏の前説が始まった25分頃には太陽もにわかに顔をのぞかせるようになりました。朝にも関わらず多くの人で賑わうGRASS STAGE、オーディエンスだけでなく空に浮かぶ気まぐれな神様もこの人たちのステージを待っていたのかもしれません。「実は私、あ〜ちゃんのMCのファンなんです」「もはやロッキンには欠かすことができないアーティストになりました」前説で渋谷氏に最大限の賛辞を受けた、記念すべき10回目を迎えるROCK IN JAPAN FESTIVALのGRASS STAGEのトップバッターを飾るのはそう、アルバム『凵xも絶好調のPerfume。昨年のLAKE STAGEが入場制限になったのはまだ記憶に新しいですが、今年初めてとなるGRASS STAGEでも3人の姿を一目見ようと多くの人が朝早くにも関わらず集まっています。
 「edge」に乗せて登場した3人の姿、早速フロントエリア中心に男どもの雄叫びが響きわたります。夏らしいカラフルな衣装、3人とも可愛らしいですがその中でもかしゆかのちょこんと頭に載せた麦わら帽子が一際目をひきます。「ワンルーム・ディスコ」「NIGHT FLIGHT」と続いた後に早速MC。「のっちです!」「かしゆかです!」「あ〜ちゃんです!」「3人合わせてPerfumeです!」の挨拶ももはやお馴染み。「前の方!」「後ろの方!」「眼鏡かけてる人!」などの声出しもお馴染みの光景です。「晴れて良かったね〜」「いやー、強風ですね」といったあ〜ちゃんのMCは今日も快調。そうそう、「歩いてる人〜!」という声出しもあったことを追加しておきましょう。あと大学の試験を休んでこのステージに立っているそうな。夏から始まるツアーの準備のため今年の夏フェスはこのROCK IN JAPANだけ、このステージに対する意気込みがこちらにも伝わってきます。
 その後「Dream Fighter」「マカロニ」と人気ナンバーが続きます。曲の間にマイクスタンドを自ら持って走るあ〜ちゃんの可愛らしさに見とれたのも束の間、後のMCで「このマカロニっていう曲、Perfumeの曲の中でも通好みで、去年もやったんだけど評判悪かったんですよ〜。みんなにやらんかったら良かった言われてね」とまさかの展開。もっとも最終的には「静かな曲だから盛り上がらないのもしゃーない」という結論に落ち着いてしまいましたが。
 そんな自由奔放なMCの後には再び声出し。さっきの「前の人〜!」「女の人〜!」「初めて見る人〜(かなりの数でした)!」という展開が更に続いた末に「イェイイェイイェイイェイイェイ!」「ウォ〜ウォ〜ウォ〜ウォ〜!」「サッヴァイバルダンス!」「そしてかがやく〜!」「ウルトラソウル!」と続きます。前の方はもちろんノリノリでしたが後ろの方はちょっと戸惑い気味だったかも?
 アルバムの中でも人気の楽曲「I Still Love U」の後はお馴染み「チョコレイト・ディスコ」「ポリリズム」のパフォーマンス。「ディスコ!」と会場全体が声を上げてポリループを堪能した後に待っているのは「Puppy love」。サビの「上下上上、下上下下」という手の動きをあ〜ちゃんが一生懸命に連呼しています。結構憶えにくかったりするのでついていけないオーディエンスも多かったですがそれもまたご新規さんが多いフェスらしさ。ロッキンの花として、今後もオーディエンスを魅了してくれるでしょう。
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 フロントエリアではないやや後方から見て、また3日間通して見て振り返るにあたって、個人的にはちょっと心配な点が浮き彫りになっているように思えたステージでした。その最たる部分はやはりリップシンクであること生音でないこと、この2点に尽きると思います。
 ロックフェスに出演するアーティストは、当然ながらロックということで生バンドの生演奏、もちろんボーカルも実声で歌うのがほとんどです。それによってCDで聴くよりも魅力的に思えるアーティストが大半ですし、生の声で歌うからこそ魅了されるパターンも非常に多いです。Perfumeの場合、後ろの方でステージが見えないくらいの位置で見る場合、一歩間違えるとCDで聴くのと何ら変わらない印象を持たざるを得ないと思います。それを魅力的なダンスパフォーマンスとあ〜ちゃんの個性的なMC、何より3人のキャラクターでその弱点を補ってお釣りが来る、という点は無論言うまでもないのですが。もちろん中田ヤスタカ氏のサウンド面の魅力は測り知れない物があるのですが、音楽的な広がりという観点で考えると、今後の活動はそれがハンデになる面も多いように思うのです。それを何よりわかっているのが何のことはない、Perfumeのメンバーであるあ〜ちゃんだと思っているのですが。しかし中田氏がいてこそのPerfumeという面も強いのでその辺りは難しいところ。
 個人的にはツアーの準備やTV出演など多忙により仕方ない面があるとはいえ、アルバムの新曲がTVサイズのショートバージョンになっていたのはすごく残念。まあツアーでは間違いなくフルで披露してくれると思いますが…。

(Set List)
1.ワンルーム・ディスコ
2.NIGHT FLIGHT(Short Ver.)
3.Dream Fighter
4.マカロニ
5.I Still Love U(Short Ver.)
6.チョコレイト・ディスコ
7.ポリリズム
8.Puppy love



・チャットモンチー(GRASS STAGE)
 今年リリースされたアルバム『告白』はメンバーの意欲をひしひしと感じさせる、これまでの作品の中でも屈指の作品でありますが、昨年に引き続き2回目のGRASS STAGEとなったチャットモンチーのアクトはそのアルバム中心に懐かしい曲もいくつか散りばめた、それこそ今回のアルバムのようなバラエティに富んだ選曲となりました。
 まずはアルバム同様「8cmのピンヒール」でスタート。前日にこのステージを見据えて冷房なしの部屋でリハーサルをしたという彼女たち。ですがこのステージ、アクト中に風が吹いているとともに海からの風も涼しげ。そのせいかどうかは知りませんが今回はいつもよりかなり荒々しい演奏で幕を開けます。もっともそれはCDにあるようなリズミカルな雰囲気とは少しだけ違っていてまた良いのですが。その次は早くもアゲアゲな「風吹けば恋」。この曲でも演奏の荒々しさはそう変わることはありません。
 エンジンが本格的にかかり始めたのは「海から出た魚」。ベースの福岡晃子の、まるで泡の音を思わせるような出だしの10秒近いソロ演奏に思わずオーディエンスも聴き入ります。ドラムやギターから奏で出される音もおそろしいほどに力がこもっていて、冒頭に感じた「荒々しい演奏」という表現は「より臨場感のある、熱のこもった演奏」という表現に置き換えることができます。
 「恋の煙」「シャングリラ」と一旦お馴染みの曲でオーディエンスを盛り上げた後にあまり聴き慣れない曲が。「惚たる蛍」という曲。ちょっとここまでの演奏とは毛色の違うしっとりとした曲で、新曲かと思いきや実はインディーズ時代に収録した曲。デビューミニアルバム『chatmonchy has come』に収録されている曲のようです。
 シングルにもなった「Last Love Letter」で盛り上げた後「バスロマンス」。1970年代前半の歌謡曲を思わせる曲調と歌詞が心地よく響きます。チャットを代表するバラードと言って差し支えない名曲「染まるよ」、そしてラストは『告白』同様「やさしさ」で締めくくります。クライマックスにつれて盛り上がっていく演奏とともに感情をむき出しにして歌うハシエリ。その姿に魅せられたオーディエンスもきっと多いことでしょう。単純にかわいいだけではない、バンドとしての格好良さを存分に見せつけたチャットモンチー。その姿からは経験を経て得た自信に満ち溢れていたように感じます。
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 終わってみれば今回も「おおっ」と思わせるステージでした。確かに今回出演したバンドの中で考えると演奏技術はまだまだかなとは思いますが、その分曲に与えられた表情が他のアーティストよりもくっきりしていて、その演奏も荒々しさの中に命が宿っているような、そんな印象を持てたステージでした。
 それにしても面白いセットリストです。例えば「恋愛スピリッツ」や「女子たちに明日はない」、「とび魚のバタフライ」辺りの曲がいつもなら入っていそうなものですが今回はなし。さすがにデビュー曲の「恋の煙」やブレイク曲「シャングリラ」はありましたがそれ以外はアルバムの新曲中心で、古い曲も意外と掘り出し物が多い印象。「バスロマンス」は2ndの『生命力』に収録されている曲ですが、あらためて聴くと1973年近辺の歌謡曲を少し思い出させてくれて凄く雰囲気が良かったですね。トラックで聴いた時にはこんな良い曲だとは思わなかったのですが。またフェスなりワンマンなりでおそらく見に行く機会もあると思いますが、その時にどんなステージを見せてくれるのか、早くも楽しみになってまいりました。

(Set List)
1.8cmのピンヒール
2.風吹けば恋
3.海から出た魚
4.恋の煙
5.シャングリラ
6.惚たる蛍
7.Last Love Letter
8.バスロマンス
9.染まるよ
10.やさしさ



・monobright(SOUND OF FOREST)
 白シャツとGパン姿から脱皮したmonobrightは普通の衣装になりましたが、ボーカルの桃野は水色のシャツにピンクのズボンとまあ随分と派手な衣装。「小学生!」と連呼したりするなど強烈なキャラクターは相変わらず。ラストの「アナタMAGIC」はオーディエンスが一体になって盛り上がっていました。実際に見たのはラストのほんのちょっとだったのでこれ以上のことは書けませんが、そんなわずかな時間でも印象に残るアクトを見せつけていたように思います。


・YUI(SOUND OF FOREST)
 YUIのRIJ出演は彼女がデビューした2005年以来今回で5年連続。ステージもファンの多さに関わらず5年連続でSOUND OF FORESTで、彼女がいかにこのステージを気に入っているかがよくわかります。ただ今回ばかりはちょっと特別。何しろ活動休止を経て1年ぶりのライブがこのステージなので、注目度も今までより高かったのではないでしょうか。
 早速バックバンドとともに登場したYUIは「みんなただいまー!」という第一声で入場します。衣装はとてもシックな浴衣姿でバンドメンバーも全員和服で決めていて、さながら夏祭りをテーマにしたような雰囲気。久々のステージということでやはり緊張しているようで、1曲目の「Laugh away」ではなんと歌詞が飛ぶというハプニング。でもそんなちょっとほろ苦い表情を見せているYUIもまた可愛かったりするわけです。
 軽い挨拶を済ませた後YUIの楽曲ではないもののどこかで聴いたことのあるイントロが。そう、なんと2曲目に歌ったのは「雨上がりの夜空に」。RCサクセションの名曲ですが、あくまでYUIらしい繊細な歌い方で彼女にしか歌えない、そしてこの場でしか味わうことのない貴重な演奏となっています。この時間はお昼の1時台で真っ昼間なんですが、午前中に降っていた雨はすっかり止み、太陽も照りつける暑い空間。亡くなった忌野さんの追悼以上の物を少し感じさせるひととき。
 アコースティックギターでの演奏を経て、エレキに持ち替えて「Rolling Star」でステージを一気にヒートアップさせます。さらにCMでお馴染みの「I'll be」も披露。オーディエンスも皆ノリノリで盛り上がっています。その後しばしのMC。実にとりとめのない内容で、気がつけばほとんど観客のコールとの対話になってしまったり。「かわいいー!」「ありがとう」と一つ一つの声援にいちいち応えるのがまた彼女の良さ。一番面白かったのはやはり「チェキラと言ってー!」「なんで?…チェキラ!」と答えた部分でしょうか。
 活動再開後最初のシングルとなった「again」、さらに昨年発表されたアルバムに収録されているYUIらしいバラード「Love is all」を経て再び先に書いたようなMC。それが一段落した後に突然アコースティックギターを一人で弾き始めます。
 「僕達はこの街じゃ夜更かしの好きなフクロウ…」そう、先日亡くなった川村カオリが歌っていた「ZOO」です。1コーラスのみの僅かな時間でしたが、そこには何か言葉では表現できないような世界がステージに広がっていたように思います。オーディエンス全員がその声とギターに聴き入っていました。
 ラストは「again」のカップリング曲である「Sea」。こちらも思わず聴き入られずにはいられないバラード。1年ぶりのステージを美しく飾るパフォーマンスでした。
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 TVでは感じることが出来ないような魅力がいっぱい詰まった内容でした。TVでのパフォーマンスは基本的に緊張ばかりが先走っている印象ですが、ライブでは、まあ決して上手いMCではないもののその仕草からは性格の良さといいますか、舌足らずなかわいさと言いますか、そういった物が満ち溢れていたのではないかと思います。まあ饒舌なYUIというのもそれはそれで違うと思うので、この辺りは個性的な魅力という言葉で十分に置き換えることが出来ますね。個人的には観客のコールにいちいち応えているところが微笑ましくて素敵だなと思いました。歌もやっぱりライブの方がより心に響きますね。

(Set List)
1.Laugh away
2.雨上がりの夜空に(RCサクセションのカバー)
3.Rolling Star
4.I’ll be
5.again
6.Love is all
7.ZOO(川村カオリのカバー、1番のみ)
8.Sea



・TRICERATOPS(LAKE STAGE)
 今年で活動13年目に入る硬派なスリーピースバンド、TRICERATOPS。このステージでは彼らの真髄をまさに見せてくれた内容でした。
 いきなり「Two Chairs」「FEVER」と初期のアゲアゲナンバーを演奏して観客の心をわしづかみ。スタンディングエリアは早くもダンスステージと化します。全体的に演奏レベルが非常に高いメンバーですが、その後演奏された、昨年発売のアルバム『MADE IN LOVE』に収録されている「シラフの月」ではベースが特に格好良いプレイを聴かせてくれていました。もちろんアゲアゲな曲ばかりでなく、これまた比較的初期の曲である「Gothic Ring」でオーディエンスをウットリさせることも忘れません。
 前日に光合成という名の日向ぼっこをしたというMCの後、ファン待望の新曲「I GO WILD」を初披露。これまたノリノリのアゲアゲな曲ですが、さらにデビュー曲「Raspberry」のイントロが流れた瞬間大歓声。あとは昨年のシングル「FUTURE FOLDER」までノンストップで走り続けるばかり。10年以上のキャリアで培われた演奏テクニックと躍動感のある楽曲は、メンバーがここ数年掲げている「踊れるロック」にまさにふさわしい内容。今後もRIJには欠かすことの出来ないバンドであることは言うまでもないでしょう。
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 見ていて凄く楽しいステージでした。個人的には初期から中期(2001年頃まで)のTRICERATOPSはそこそこ聴いていたので、「FEVER」や「Gothic Ring」、「Raspberry」を聴けたのは素直に嬉しかったです。特に「FEVER」は個人的には一番好きな曲なので尚更嬉しかったですね。新曲に関してもトラセラらしい味に満ち溢れていて概ね満足することが出来ました。言うことなしですね。さすがです。

(Set List)
1.Two Chairs
2.FEVER
3.シラフの月
4.Gothic Ring
5.I Go Wild(新曲)
6.Raspberry
7.FUTURE FOLDER



・flumpool(SOUND OF FOREST)
 昨年ミニアルバム『Unreal』で彗星のごとく音楽シーンに姿を見せたflumpool。今年はここまで2枚のシングルをリリース、いずれも大きな話題を呼んでいます。既に武道館ワンマンも決定していて今もっとも勢いに乗っているバンドの一つ、そんなflumpoolが今年RIJのSOUND OF FORESTのステージに初登場。RIJはもちろんのこと夏フェスのステージでもこれが初めてとなるそうで、本人たちにとっては記念すべきステージとなります。
 真っ白なTシャツとGパンで登場。もうメンバーのテンションが最初から非常に高いです。MCでも「自分たちが楽しんでる姿を見て皆さんにも楽しんでもらいたい」「良い思い出を残したい」といった感じの内容を話していたボーカルの山村隆太。1曲目からもうCDでは味わえないような開放感たっぷりのステージングで、その姿は実に堂々としたもの。それと同時に溌剌とした若さと新鮮味に満ち溢れて、オーディエンスを常に意識して休ませずに盛り上げさせるサービス精神は非常に好感の持てる内容です。
 名曲「花になれ」の後はこのフェスにピッタリの「夏Dive」。ほぼ満杯のSOUND OF FORESTは縦ノリの嵐で大盛り上がり。息つく暇もなく「labo」でさらに盛り上げます。アゲアゲの状態にした後にさらに「星に願いを」でテンションをピークに持っていって、ラストはバラードの「Over the rain〜ひかりの橋〜」で聴かせてくれました。初出演でこれだけの大きなインパクトを残してくれた彼ら。今後のflumpoolがどこまで成長を見せてくれるのか、ますます期待を持てるパフォーマンスでした。
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 女の子から「格好いい」という声があちこちで聞くことが出来た彼ら。その二枚目なルックスももちろん魅力ですが個人的には彼らの人間性により魅力を感じました。この人たちは謙虚にオーディエンスを楽しませること、満足させることを常に第一に考えていて、しかもメンバー自身が楽しそうに自然にそれを実行しているという印象。だから見ていて嫌味を感じさせる部分は皆無ですし、むしろもっと応援してあげたい、そういう心境にさせる部分の方が強くなりますね。こういうパフォーマンスを重ねていけばファンも自ずと増えていくと思います。
 CDでは若干閉塞感を感じて物足りない面を感じる曲もライブではそれをほとんど感じることがありませんでした。そもそも活動が事務所主導の面がやや強いのでどうしても彼らにはもうちょっと…という印象を抱かざるを得なかったのですがその疑問は晴れました。彼ららしい明るさをもっと曲の方にも出すことができれば今とは比較にならないくらい凄いバンドになる可能性も秘めています。ブレイクしたと言われている彼らですが、まだ完全にはブレイクし切っていないと今回のステージを見て確信しました。その時を楽しみにしたいものです。もっとも演奏技術はまだまだこれからかな、と感じますが。
 ちなみにラストの挨拶はメンバー全員で非常に深いお辞儀。パフォーマンスもそうですが、同じ事務所に所属している年下の先輩の某女性3人組ユニットを参考にしている面も結構あるのかもしれない、と個人的には感じました。サザンの後継者になるバンドは本当にこの人たちなのかもしれません。

(Set List)
1.MW〜Dear Mr.&Ms.ピカレスク〜
2.花になれ
3.夏Dive
4.labo
5.星に願いを
6.Over the rain〜ひかりの橋〜



・Ken Yokoyama(GRASS STAGE)
 今回のROCK IN JAPANではダイブ禁止というルールが直前になって発表されました。ダイブをした人は1回目で警告、2回目で強制退場となる厳しいルールです。そうなった理由はダイブで怪我をして後遺症が残った人が昨年のCOUNTDOWN JAPANで表れたからだということです。ステージの前後では幾度となくダイブ禁止の呼びかけが行われ、またアーティストからもダイブ禁止を呼びかけるパターンも多く見られました。
 さて、Ken Yokoyamaといえば言わずとしれたジャパニーズ・パンクロックの代表。彼らのライブでモッシュやダイブというのはもはや当たり前のように起こる感があり、それは彼自身も認識しています。出てくるや否や「あんまり言いたくはないんだけど…」とダイブ禁止の呼びかけ。会場は静まり、ちょっと異様な雰囲気。
 しかし演奏が始まるとすぐに熱いステージになります。全編英語詞の短い曲を立て続けに演奏、オーディエンスの熱も自然に高まります。バンドの演奏も疾走感たっぷりで盛り上がるには事欠かないのですが、Ken含め若干手探りの感はまだ否めず。
 MCでは彼のカリスマ性を存分に見せつけていました。話にオチも忘れず、格好いいながらも面白い内容。しまいには郷ひろみのモノマネまで披露したりして、テンポの良い時間帯がしばし続きます。
 パワーバラードと称した新曲はやっぱりロックな楽曲で、後半にはHi-STANDARD時代の名曲「STAY GOLD」まで披露してサービス精神は抜群。ラストは「思いっきり暴れろ!」というMCとともにラストスパート。やはりKen Yokoyamaのステージは熱かった…。
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 …と簡単に書きましたが、実を言うと最後の方ではKen Yokoyama自身がダイブを煽ってたり。このダイブというのは難しいもので、「ダイブがなけりゃロックじゃねぇ!」という人も結構いるみたいでちょっとややこしい問題ではあります。ただ…このROCK IN JAPANというフェスは普段のライブと比較にならないくらい多様なお客さんがいるということですね。今回の動員は3日合わせてのべ165,000人。前の方に行って踊りたいという人もいれば後ろの方でまったり見たいという人、テントを張ってそれこそ音浴という感覚で行っている人、家族連れの娯楽、カップル同士で戯れる…様々な楽しみ方が存在します。また普段ライブに行かない人にステージを見てもらうというのもロックフェスならではの醍醐味でもあります。そういう意味ではアーティストはもちろんのこと、ライブの常連客でフェスに来ている人も「自分の考え以外は認めない」と排他的になっては絶対にいけないと思います。
 そう考えると私の意見としては…禁止されている以上はやったら駄目なんじゃないかな、というのがやっぱり正直な所でしょうか。確かに気持ちが昂って思わずダイブしたくなるという気持ちもわからなくはないですが、他人に多大なる迷惑をかける可能性があり、また実際にそれが起こってしまった以上運営側の対応としては決して間違えていないように思います。この辺りは普段ライブでダイブを当たり前にやっている人とそうでない人との間で意見が平行線をたどることは確実ですが、やらない側の立場としてはどうしてもそういう結論に行き着いてしまいます。
 今回の件について、来年以降の人選やチケットの売れ方にも影響する面はあるかと思いますが、なんだかんだ言って毎年早いうちにSOLD OUTするこのフェス。出演したいというアーティストが後を絶えないというこのフェス。結局のところダイブしたいんだったら別のフェスやライブハウスに行ってくださいというのが運営側の最たる意見なのかもしれない、と個人的には思います。それは運営する人間の考え方としては少々危険なことである気もしますが、それくらい強気に対応してもこのフェスを成功させる自信があるという表れなのかもしれません。
 ステージについての感想を言うと、何せKen Yokoyamaになってからの曲はほとんど聴いていなくて、Hi-STANDARDの曲も何曲か聴いたことあるという程度の認識。彼のカリスマ性はそのMCや演奏から十分に理解できましたが、個人的に好みの音楽かどうかというとそれはちょっと別問題かな…。それはフロントエリアの熱狂ぶりと対照的に真ん中から後ろの方ではじっと見ている人が多かったことに表れているような気がします。ただ聴くだけよりもライブで踊り狂った方が楽しいだろうな、ということは間違いなさそうですが。

(Set List)
1.Ricky Punks
2.Ricky Punks 2
3.Preasure
4.Why
5.You’re Not Welcome Anymore
6.Last Train Home
7.(新曲)
8.I Love
9.Ten Years From Now
10.Stay Gold
11.Running On The Winding Road
12.How Many More Times
13.Go With The Flow
14.Believer



・カジヒデキ(SEASIDE STAGE)
 海の見えるSEASIDE STAGEは風が涼しく環境は抜群。陽も沈みそうな夕方の時間帯にこのステージに現れたのは意外にもこれがRIJ初出演となるカジヒデキ。青いポロシャツに半ズボンの格好はその童顔も相俟って、まさに少年そのものといった印象。
 最初の楽曲はアゲアゲのロック。その後「皆さんも一緒にサビを歌って踊ってください」という紹介とともに『デトロイト・メタル・シティ』でお馴染みの「甘い恋人」。彼らしい爽やかさに思わず胸がキュンとなります。
 その後は洋楽のカバーを挟んでおなじみの「LA BOUM〜MY BOOM IS ME〜」。それにしてもこのステージは普段のカジヒデキよりもずっとロックを感じさせる内容。力強いバックバンドの演奏がそれを一際演出しています。そして「もういいオッサンです」と言っていたカジヒデキはどう考えても40代前半とは思えない若さ。ギターを弾きながら小さな体で目いっぱいジャンプする姿、MCで幾度となく垣間見せるちょっと天然なキャラクター、それはひたすら愛くるしくて可愛いです。よく考えればとても気持ち悪い話なんですが、彼だと不思議とそうは感じさせません。
 ラストはBEAT CRUSADERSのヒダカトオルがお面を被ったまま登場。共作の「THE SWEETEST LOVE」でステージを締めます。SEASIDE STAGEは彼の姿を一目見ようと大混雑、2000人余り収容のステージはギッシリ埋まっていました。
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 思った以上に激しい曲が多いセットリストでちょっと意外でした。大体個人的に聴いていたのは「LA BOUM」以降の数年間、例えば「カローラUに恋をした」とか「恋人が待っている」とか、かなりポップなイメージで「甘い恋人」の時もその印象は変わらなかったですが、それとはちょっと違っていてビックリしました。もっともキャラクターはイメージ通りなのでその辺りはちょっと安心しましたが。最後はヒダカ氏も出てきたので個人的には満足です。

(Set List)
1.?
2.甘い恋人
3.Favourite Shirts(Boy Meets Girl)(Haircut 100のカバー)
4.LA BOUM〜MY BOOM IS ME〜
5.TOO MUCH TOO YOUNG
6.THE SWEETEST LOVE



・ウルフルズ(GRASS STAGE)
 早いもので昨年結成20周年を迎えたウルフルズ。RIJも昨年は出演しなかったもののそれ以前にはほぼ毎年出演していて、そのたびに彼ららしいステージを見せていたわけですが今回は初めての夜のステージ。そんなタイムテーブルが発表されたちょっと後に目に入った活動休止というお知らせ。というわけで今回でロッキンはもちろんのこと、夏フェスのバンドとしての出演もこのステージのみ。したがって関西では8月末に毎年恒例の野外ライブ『ヤッサ!』が残っているものの、関東ではこれが活動休止前最後のお披露目になります。
 「見納め!見納め!」「目に焼き付けときや!」と早速観客を煽りながら演奏されたのは「ガッツだぜ!!」。その後に演奏されたのが「バンザイ〜好きでよかった〜」とのっけから超豪華なセットリスト。早くもオーディエンスの熱気は最高潮に達します。「びんぼう’94」の後は暫しMC。「何かいつも以上に見てもらっている気がする…見納め、見納めー!」というトータスらしい内容の後に「金の切れ目は?」「縁の切れ目ー!」というコール&レスポンスで「借金大王」。
 一通りあげた後は「あの娘に会いたい」「笑えれば」「サムライソウル」と熱い言葉で聴かせるバラードが続きます。歌詞に綴られている言葉はもちろんですが、MCで発せられる言葉も今回はおそらくいつもより熱かったのかもしれません。「音楽って絶対良くするもんやと思う。経済とかそんなんは知らんよ、でも絶対人を良くしてくれるやん、だからこうして音楽をやっているわけやし、これからもそうでありたい」という内容のトータスのMCはまさに至言。
 ですがしんみり終わるのはウルフルズらしくない、やっぱり楽しく笑って終わろうというのがウルフルズらしい、ということで「SUN SUN SUN '95」と再び盛り上げにかかります。そして極めつけは「それが答えだ!」「ええねん」。歌詞にある一つ一つの言葉が胸に響き、オーディエンスをさらに元気にさせます。それと同時にもうしばらく見ることが出来ないという残念さにも満ち溢れ、またいつか再結成して元気なステージをもう一度見せてほしいとも思ってしまいます。でも「ええねん」の歌唱が終わって演奏途中でトータスが退場し、ウルフルケイスケの呼びかけで「トータス!トータス!」の大合唱の後でギターの音に引き込まれるかのように後ろ向きにコミカルな動きでステージに戻るトータスはやっぱりウルフルズらしいアホさは最後まで、いや今後も健在ということを見せつけていたようにも感じます。
 アンコール。「またバンドの活動を始めた時にこのフェスが残っていてほしい、そしてまたこのステージに立ちたい」というMCの後に「いい女」。最後の曲はまさに観客が一体になって「いい女〜!」のコール。感動的ながら笑いも決して忘れない、そんなウルフルズのステージで1日目のステージは華やかに幕を閉じました。
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 ラストの「それが答えだ!」のセリフが始まった瞬間に思わず涙が出てしまいました。その後に「ええねん」のイントロが流れてまた涙。なんかこの2曲にバンドとしてだけでなく、これから生きていく上でのメッセージが全て詰まっているような、そんな気がしました。そうです、そうなんです、それでええねん…。
 ここまでストレートに胸を打つバンドの活動休止は本当に残念ですが、今はそれぞれの活動に専念したいということだけで、メンバーが言う通り必ず活動再開はあると思います。その時を心待ちにしたいですね。

(Set List)
1.ガッツだぜ!!
2.バンザイ〜好きでよかった〜
3.びんぼう’94
4.借金大王
5.あの娘に会いたい
6.笑えれば
7.サムライソウル
8.SUN SUN SUN ‘95
9.それが答えだ!
10.ええねん
EC いい女


 2日目に続きます。








posted by Kersee at 22:49| Comment(7) | ライブレポート(2010年以前) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
今回のRIJはどなたと行かれたのですか?
Perfumeのツアーは参戦する予定はあるのですか?

RIJのリポート、この1日目だけを拝見しても濃い内容ですね。一生に一度だけでも行きたいですね。ただこういった大規模な野外のコンサートは、行き帰りの道中が辛い事が多々あります。そして真夏の炎天下のライブなので、体調管理にも気を配らなくてはなりません。そこで、3日間それぞれの宿を出発した時刻と会場までのアクセス・所要時間、会場での食事・水分補給・トイレなどの状況、そして帰りの終了時刻・規制退場・翌日のための睡眠時間はどれくらいだったとか、教えていただけないでしょうか。
Posted by dragon at 2009年08月07日 00:33
昨年はご一緒させて頂きましたが今年は仕事の都合で行けず、残念でした。

パッと見ると、チャットモンチーの「攻め」のセットリストが結構目に付きますね。
あと、ウルフルズのセットリストは個人的には「神」的内容です。見たかったなぁ。

YUIが典型的な「ライブ>>>TV」のアーティストだという事は以前COUNTDOWN JAPANでライブ見て確信したのですが、同じ感想を持たれた様で、やっぱりなという所ですね。

余談ですが、amazonのリンクがこれだけ大量に並ぶとなかなか壮観ですね(笑)

Posted by aipo at 2009年08月07日 01:22
1日目にしてなかなか濃い内容ですね。ダイブについては同じ意見で、基本的にファンばかりがくるライブハウスならともかく、いろんなタイプの人が来るフェスでは、やっぱ控えるべきでしょうね。フェスというのは、自分が楽しむばかりでなく、他者への思いやりがあって成り立つものだと思いますから。

しかし、ウルフルズのセットリストが凄く良いですね。ぜひとも見たかったです。

Perfumeは、野外よりもホールとかのほうが映えそうですね。
Posted by ミツ at 2009年08月07日 10:13
>dragonさん
 …というわけで今日の記事でそのリクエストを反映させてみました。ちなみにPerfumeのツアー参戦予定は今のところありません。

>aipoさん
 チャットモンチーは攻めてましたねぇ。フェス向きかどうかはちょっと怪しい面はありますが個人的には満足です。YUIはもうZARDみたくTV出演なしでもいけるんじゃないですか?

>ミツさん
 ウルフルズはまさに惜しげもなく放出させていた感じですね。「見納め」って感じで。Perfumeは確かにそうかもしれません。
Posted by K-Marine at 2009年08月07日 22:36
YUIの歌う「ZOO」は聞いてみたかったです。
Posted by SHIN at 2009年08月08日 09:00
僕もRIJ初日参加しました。
トライセラとウルフルズは僕も見ました。
トライセラのパフォーマンスは圧巻ですね。演奏力は頭一つ抜けてると思います。初披露された新曲が凄く良かったので期待ですね。
ウルフルズはもう感動でした。トータスさんのMCと歌は心に響きますね。活動休止が残念です。
Posted by ミツル at 2009年08月08日 13:35
>SHINさん
 良かったですよー。

>ミツルさん
 トラセラの新曲は良かったですね。ウルフルズは残念ですが、またいずれ活動再開すると思うので、その時を待ちましょう。
Posted by K-Marine at 2009年08月09日 02:23
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