2015年03月31日

SHISHAMO『SHISHAMO 2』

SHISHAMO 2 - SHISHAMO
SHISHAMO 2 - SHISHAMO

(楽曲レビュー)
1.僕、実は
 イントロのギター演奏から非常にカッコ良く、聴く人のハートを掴みます。派生音(≒ピアノでいう黒鍵盤)をかなり絶妙な具合に絡めたメロディーに”でもねでもね僕、実は”というキャッチーなサビ。インパクトもクオリティも十分、絵に描いたような名曲に早速仕上がっています。 

2.きみと話せないのは
 エイトビートを刻むイントロのリズムギター、サビ後半の畳み込むような展開などベースになる音の上手さが非常に光る曲。一般的にウケるとすればやはり切ない歌詞になるのだと思いますが、それを裏付けるような確かさがよくサウンドに表れていますね。

3.彼女の日曜日
 原宿で古着を選ぶ日曜日をそのまま歌にしたような楽曲。女の子の心情がうまく描かれた良い曲ですが、歌詞にあるような古アパートが本当に原宿に存在するのかなという素朴な疑問も。

4.ともだち
 リズム的には明るい楽曲に採用されやすい内容ですが、派生音を使うことでどこかアコースティックな雰囲気に。この曲も地味ながらセンスが光っているナンバーです。

5.君と夏フェス
 夏フェスが日本の音楽シーンに根付いて久しいですが、そのシチュエーションのもとに作られたラブソングが実際に作られたのはこれがおそらく初ではないでしょうか。昨年7月に発売された、事務所所属後初めてリリースされたシングル。カップルで夏フェスに来たことある人なら間違いなく100%共感できる歌詞ですね。おそらくむこう10年は夏フェスのたびに振り返られることになるでしょう。

6.量産型彼氏
 メジャー2ndシングル。ビートの効いたリズムに面白い展開を見せるメロディー、共感とセンスが見事に並立している歌詞。聴けば聴くほどハマる名曲ですね。

7.恋愛休暇
 失恋ソングではなく、あくまで恋愛を休ませて頂くという歌詞が新鮮で面白いナンバー。雰囲気はほぼ失恋ソングそのものといいますか、それ以上に重い気もしますが。でもサウンドとしてはサラリと聴くことができる内容でもあります。

8.昼夜逆転
 3.といい4.といいこの曲といいSHISHAMOの歌詞は妙に人間くささを感じさせます。人としてダメなところをこうやって歌にして良い曲にするのかな、ということをこの曲を聴くと特にしみじみ思ってしまいますね。

9.デートプラン
 ベースの演奏がかなり目立つ曲ですね。”おこちゃま”というフレーズが耳に残る歌詞以上にそれが印象に残りました。

10.花
 とにかくこの曲は歌詞が鮮烈。悲しさと愛情、両方を感じさせる表現が見事ですね。

11.さよならの季節
 さよならの季節、それは春。桜の咲く木の下。というわけでこのアルバムをラストを飾るのは卒業ソング。テーマを考えると歌詞が切なくなるのは当然なんですが、メロディーも完璧にそれと寄り添っていますね。部分部分でいうと”ねえ、先輩”と呼びかけるサビ、1番Aメロで見せられるギターリフ。サビ自体がキャッチーなんですけどそこだけが独立しているわけでなく自然にBメロからサビに入る感じ。SHISHAMOというバンドは宮崎朝子がボーカル・作詞・作曲を担当していますがこの曲では彼女のボーカルも見事にハマっていますね。言うまでもなく卒業ソングは名曲の宝庫なんですが、その中でもかなりの上位にくる作品だと思います。特に2010年代で考えると5本の指に入るレベルかもしれません。それくらいの名曲。


(総評)
 これは素晴らしいですね。間違いなく今年、2010年代に残るレベルの名盤です。ガールズバンド史上を考えても歴代5本の指に入る作品ではないでしょうか。

 とにかくどの曲にも何かしらセンスの良さを感じました。それが歌詞であったり演奏パートの入れ方であったりメロディーであったりコード進行であったり。特に派生音の入れ方は滅多に味わえないレベルで、彼女より凄い人を挙げるとするとaikoくらいしか思い浮かばないですね。言葉の選び方も非常に上手く、ワンフレーズで耳に残る単語がすごく多かったですね。また更に凄いのはそれだけが楽曲の中で浮いていない部分。CMソングにありがちなサビはキャッチーだけどそれ以外…というのをこのアルバムでは一切感じなかったです。大体にして「君と夏フェス」「量産型彼氏」というタイトルになる時点で只者ではないと思いましたが、このアルバムはそれどころの騒ぎではないといったくらいですね。ここ何年かで素晴らしいガールズバンドが多く輩出されている日本のミュージックシーンですが、おそらく数年後には彼女たちが中心的存在になるでしょう。ハッキリ言ってモノが違います。ボーカルで作詞作曲を担当している宮崎朝子はおそらくチャットモンチーの橋本絵莉子ばりの天才ではないでしょうか。

 その偉大なる大先輩・チャットモンチーは元はと言えばスリーピースバンド、SHISHAMOと同じ編成です。ちょうど5月にMETROCKが新木場で開催されて私も参戦することになりましたが、1日目はチャットの直後に別ステージでSHISHAMOのステージがあるんですね。個人的にはトリのPerfume目当てなんですが、このSHISHAMOのステージも非常に楽しみで早く見てみたいです。チャットの面々ほどのキャラクターの濃さがこのバンドの3人にあればもう間違いないでしょう。今後の活躍・新曲が楽しみなアーティストは他にも多くいますが、個人的にはトップクラスに楽しみなアーティストになっていきそうです。




posted by Kersee at 22:27| Comment(2) | アルバムレビュー(J-ROCK) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
SHISHAMOは歌詞に若干の不安はありますがメロディーと演奏は素晴らしく、本当に楽しみですね。まだ20歳前後とこれからがほんとに楽しみです。

ちなみにブログ中では「メジャー…シングル」って書かれてますが、このバンドはメジャーデビューせずインディーズで活動してますよ。

他の記事を見ても私の好みと似ているようで、読んで参考になりました。これからも楽しみに読ませて頂きます。
Posted by 近江路 at 2015年06月18日 20:09
>近江路さん
 コメントありがとうございます。該当箇所訂正しました。てっきり自主制作盤の後はメジャーなのかと勘違いしていました。失礼しました。
 私は身も蓋もない歌詞もSHISHAMOの魅力かと思っていますが、メロディーは本当に素晴らしいです。おっしゃる通り、これからどうなるか非常に楽しみですね。というわけで今後もよろしくお願いします。
Posted by Kersee at 2015年06月22日 00:24
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