2016年03月31日

SCANDAL『YELLOW』

YELLOW(初回生産限定盤)(DVD付) - SCANDAL
YELLOW(初回生産限定盤)(DVD付) - SCANDAL

YELLOW - SCANDAL
YELLOW - SCANDAL

(楽曲レビュー)
1.Room No.7
 ボーカル無しのインストなんですが、その演奏は完全に今作の方向性を明確に示したものになります。思いっきりアメリカンテイストの、激しいバンドサウンド。歌パートに入る前ですが、この時点で既に他のガールズバンドとの格の違いを感じさせずにはいられません。メチャクチャカッコ良いです。

2.Stamp!
 昨年7月リリースのシングル表題曲。ゆっくりしたテンポだからこそ際立つスクラッチとリードギターの音。一つ一つ奏でられる音の強さはかなりのもの。結成10周年を迎えるキャリアだからこそ、あるいはその域に達しないと到底形にならないような楽曲だとあらためて感じさせる内容です。

3.LOVE ME DO
 ブルボンのCMで起用されている楽曲。"Here We Go!""U-ra-ra U-ra-ra"のコーラスにインパクトあり。少し入る打ち込み音もありますが、あくまでメインはバンドサウンド。そのバランスの良さもよく出ている楽曲と言えそうです。

4.Morning sun
 映画『猫なんかよんでもこない。』主題歌。メロディーの良さと風景が思い浮かぶ歌詞が際立つ王道ソング、だからこそ演奏の上手さがより浮き彫りになっています。

5.Sunday Drive
 「Your Song」に続くSCANDAL全員作曲のクレジット。エイトビートのリズムと明るいメロディーが心地良いポップなナンバー。

6.今夜はピザパーティー
 TOMOMIが作詞とともにボーカルも担当している楽曲。BPM速めの演奏で繰り広げられる世界感は間違いなく日本ではなく、アメリカの方がピッタリ。犬の鳴き声が入るSEも面白いですね。見事な楽曲です。

7.ヘブンな気分
 おそらくSCANDAL史上もっともダークな楽曲ですね。ヘブンというよりヘルというべきか、あるいはヘブンに至るまでの過程をより鮮烈に描いたというべきか。いずれにしてもこれまでのSCANDALにはなかった仕上がり。必聴曲です。

8.SUKI-SUKI
 ”スキー”と”好き”をかけたウィンターソング。JR東日本さんタイアップにいかがでしょうか。

9.LOVE
 少しレゲエのリズムも入っているような、ゆったりとした楽曲。"LOVE"というタイトルでラブソングですが、典型的なラブソングとはまた違う工夫を感じます。なお今回のアルバムはほとんどがMAMI作曲ですがこの曲だけはTOMOMIが作曲担当。

10.Sisters
 昨年9月リリースの表題曲。大団円感のあるまとまった内容ですね。

11.Happy Birthday
 多くあるバースデーソングの中で、一番クラッカーの音が似合う曲だと思います。この曲も盛り上がりという意味では十二分、言うことなしの内容。

12.ちいさなほのお
 SCANDALのドキュメンタリー映画の主題歌になった曲。もうこの曲はズバリ歌詞ですね。”上手く進めないあなたを 誰も責めたりしないから”のフレーズが特にそうですが、バンドの歴史と実にうまくリンクしています。名曲ですね。そしてこのアルバムだからこそ特に意義のあるナンバーでもあります。

13.Your song -English ver.-
 前作『HELLO WORLD』収録曲の英語詞バージョン。言葉が変わっても、この曲から感じさせるチームワークの強さは全く変わらず。そのまま向こうでも全然通用しそうな音になっている、というのが素晴らしいです。


(総評)
 3月2日はSCANDAL、Sirent Siren、SHISHAMOと現時点の3大ガールズバンド揃い踏みという具合で、見事なくらいに発売日が重なった日でした。オリコンの初登場順位はSCANDAL2位、Silent Siren3位、SHISHAMO7位。先輩であるSCANDALが強さを見せた形になりました。では内容の比較に関して言うと、これはもう完全に人によって変わりますしそれぞれのファンはそれぞれの作品を押すのは当然です。ただ3枚一気に通しで聴いた個人的に感想としましては、チャートの結果以上にSCANDALが一枚も二枚も上手だった、そう言わざるを得なかったです。
 今作はSCANDALとしてトータルプロデュース&外部提供なしの完全自作になりました。そのせいかどうか作品の中で今回際立った存在のナンバーはなかったと思いますが、このアルバムは演奏がものすごいです。ハッキリ言って最初のインストの時点で”格が違う”という一言がすぐに出ました。前作『HELLO WORLD』からこのアルバムの間にワールドツアーを実施していましたが、その経験が今作に強く活かされているように感じました。アメリカンな作品のテイストもそうですが、何より演奏。これを聴いて欲しいです。もはやガールズバンドの音ではないと言いますか、もしかすると海外を含めても全くひけを取らないレベルにまで達しているかもしれません。迫力が全く違います。それも速いBPMだけでなく、比較的ゆっくりめのBPMでそう感じさせることも多かったですね。ドラム・ベース・ギターどのパートもはっきりとした強い音で表現されているとともに、魅せる編曲・譜割りも大変優れているように感じました。勿論これまでと比べるとTOMOMIやMAMIのボーカルが少ないとか、先述した通り際立った曲があまりないとか、そういった意見が出るのも納得できます。ですが今作はそれを差し引いても大変完成度が高いアルバムです。ガールズバンド単位ではなく、通常のロックバンド単位で考えてもここまで演奏で聴かせるアルバムは少ないと思います。その意味ではハッキリ言って稀有な作品、勿論文句無しの名盤になります。『STANDARD』『HELLO WORLD』と作品が出るたびにSCANDAL最高傑作と書いていますが、この作品もそう記したくなります。今年の中でも上位に入るのは間違いないでしょう。
 いまやメジャーデビュー時に制服をコスチュームとしていた頃とは全く別の魅力を持ったバンドに進化しています。デビュー当時からアメリカでライブしたいという目標を掲げていたような記憶がありますが、それを思うと今はここまで来たかという印象で大変感慨深いです。いよいよ今年結成10周年、メジャーデビューからは来年で10年目。プリプリが結成14年・メジャー10周年と解散したことを考えるといよいよガールズバンドとしては異例の長さになってきました。果たしてSCANDALはどこまで続くでしょうか。出来れば10年どころか20年・30年と末永く第一線で活躍して欲しいと個人的には願っているところです。





posted by Kersee at 01:08| Comment(0) | アルバムレビュー(女性J-POP) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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