2017年12月10日

yonige『girls likes girls』(2017.9.20)

girls like girls - yonige
girls like girls - yonige

1.ワンルーム
2.さよならプリズナー(2017.4.19『Neyagawa City Pop』)
3.各駅停車 ☆
4.バイ・マイ・サイ
5.スラッカー
6.おうまさん ☆
7.沙希
8.とけた、夏 ☆
9.また明日
10.トーキョーサンセットクルーズ


 大阪府寝屋川市出身、現在注目のガールズバンド・yonigeのメジャー1stアルバム。レーベルは近年躍進著しいワーナー内のunBORDE。

 バンドと言いつつも、現在のメンバーはボーカル&ギター・牛丸ありさとベース・ごっきんの2人。ドラムは2015年12月のメンバー脱退後サポートを迎えて活動しています。サウンドとしては純粋かつストレートなロックバンドの音。メロディーやリズムに変わった技巧はあまりなく、全体としてひたすらカッコ良い雰囲気。そこに見る方・聴く方としてはおおいに惹かれるバンドと言えます。リードナンバー「ワンルーム」、4月のミニアルバム『Neyagawa City Pop』収録の「さよならプリズナー」はまさしくそういった印象で、名刺代わりのナンバーとも言えるでしょうか。

 エイトビートのリズムが心地良い「各駅停車」、イントロからベースで聴かせる「バイ・マイ・サイ」。王道から少しずつ音の使い方に変化を持たせています。そこから中盤、「スラッカー」「おうまさん」は2分あまりの短い曲。シングル表題曲で出来ない面白さがアルバムの醍醐味ですが、この2曲はまさしくその代表例。「スラッカー」で突然登場する関西弁、「おうまさん」のユニークな歌詞と常人では発想できないメロディーライン。今回のアルバムで一番の聴きどころと言っても過言ではないと思います。

 淡く切ないバラード「沙希」、この曲は又吉直樹の小説からインスパイアされて出来た楽曲なのだとか。「とけた、夏」も5分近いロックバラード。激しいギター演奏から始める歌詞は、メロディーに添って歌うのではなくラップ調でもなく台詞。別れたを”とけた”と表現しているタイトル、歌詞だけでなく歌声や音からも抑えきれない寂しさが伝わってきます。このアルバムを代表する名曲ですね。完成度非常に高いです。聴かせる「また明日」を経て、締めらしい演奏の「トーキョーサンセットクルーズ」。彼女たちが大阪・寝屋川から東京に出てきた事実を考えると、トーキョーという単語は非常に心に響く言葉になります。

 良い曲、良いアルバム、良いバンド。”良い”という言葉がまさしく三拍子揃ったメジャーデビュー作品だと思います。王道を思わせる冒頭から、色々な変化を魅せる構成が特に素晴らしいですね。あくまでロックテイストというブレの無さと、サウンドの引き出しの多さ両方を感じさせる作品もなかなか少ないのではないでしょうか。今年を見渡してもそうですが、個人的には数年後あらためて振り返られるべき作品でもあると思います。それにしても楽しみなガールズバンドがまた出て来ましたね。来年の今頃にはどこまで伸びるか、おおいに期待したいです。



posted by Kersee at 23:43| Comment(0) | アルバムレビュー(J-ROCK) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。