2018年08月03日

宇多田ヒカル『初恋』(2018.6.27)

初恋 - 宇多田ヒカル
初恋 - 宇多田ヒカル

1.Play A Love Song(2018.4.25 配信Sg.)
2.あなた(2017.12.8 配信Sg.) ☆
3.初恋(2018.5.30 配信Sg.) ☆
4.誓い
5.Forevermore(2017.7.28 配信Sg.)
6.Too Proud featuring Jevon
7.Good Night
8.パクチーの唄
9.残り香
10.大空で抱きしめて(2017.7.10配信Sg.)
11.夕凪
12.嫉妬されるべき人生 ☆


 デビュー20周年を飾る、通算7枚目のオリジナルアルバム。



 小気味良いリズムに乗せられたピアノの音に、後半のゴスペルも耳に残る「Play A Love Song」からスタート。その後に続く「あなた」は映画『DESTINY 鎌倉ものがたり』主題歌のバラード。崇高かつ上品さを感じさせるバラードは、今の宇多田ヒカルだからこそ出せる艶を感じさせる歌声が聴きどころ。タイトルナンバー「初恋」も、イントロなしの冒頭リズムは1曲目と同様。「First Love」から20年、タイアップになっているドラマ『花のち晴れ』も『花より男子』から13年。"I need you"というシンプルな英語詞に、表現力豊かな日本語詞。それらの歌詞以上に音作りや声に大変な深味を感じさせるナンバーです。言うまでもなく2018年の必聴曲と言えます。

 「誓い」も「初恋」の流れを汲む楽曲。昨年リリースの「Forevermore」も含めて、前半は”大人っぽい”ではなく、経験と深味を声や言葉だけでなく音の端々から感じさせる曲が並びます。歌声の厚さがそう思わせる部分もありそうですが…。「Too Proud featuring Jevon」は英語詞メインの打ち込みサウンド、良い意味でJ-POPらしさがあまりない作品です。

 少ない言葉で綴られた歌詞以上に歌声が印象的な「Good Night」を経て、「パクチーの唄」は「ぼくはくま」系統のお遊びソング。淡いサウンドで儚さを表現している「残り香」も美しい内容。この流れで入る「大空を抱きしめて」も格別。単体だとやはりCMのイメージ、大自然の山の絵が思い浮かびますが、全体を聴くとやはりスケールが大きくもどこか切なさを感じさせるラブソング。「夕凪」「嫉妬されるべき人生」、ラスト2曲は静かな終わり方になっています。「嫉妬されるべき人生」もまた、人生を生きるにあたって誰しも感じられることが、誰も書けないほどダイレクトに言葉として表現されています。最近のJ-POPでは非常に少なくなった、重い曲と言って良い気がします。


 一言で言うと大人のアルバム。過去の活動歴で言うと、「Be My Last」「Passion」を発表した2005年以降にやや近い気がします。ただ活動休止期間や年齢を重ねたこともあって、当時若干感じた違和感は今作に関して言うとありません。前作『Fantôme』で感じられた歌声の深味はより深くなっています。先行配信された曲が多い前半より後半の方が、ディープな世界観を味わうにはより良いのではないでしょうか。大衆受けという面ではおそらく『Fantôme』の方が上ですが、本来自分の表現したかった内容は今作により詰まっているのではないかと、少し思ったところです。




posted by Kersee at 17:00| Comment(0) | アルバムレビュー(女性J-POP) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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