2014年10月18日

くるり『THE PIER』

THE PIER (初回限定盤) - くるり
THE PIER (初回限定盤) - くるり

THE PIER (通常盤) - くるり
THE PIER (通常盤) - くるり

(楽曲レビュー)
1.2034
 いわゆるオープニングのインスト曲ですが4分あります。バンドサウンドよりもデジタル系の音が目立つ、従来のくるりのイメージを打破するような内容。

2.日本海
 インスト曲のデジサウンドをそのままこの曲にも持ってきていますね。メロディーと歌詞は石川さゆり辺りが歌っても不思議ではない演歌調なんですが。2分21秒とあっという間に終わり、波の音でそのまま次の曲に繋がります。

3.浜辺にて
 ギターの音を始めとするサウンドにどことなく緊張感が表れている楽曲ですね。サウンドワークの上手さが非常に印象に残る名曲。

4.ロックンロール・ハネムーン
 歌い出しのサウンドがすごくサカナクションっぽい感じにも思いましたが(特にキーボードの使い方とメロディーの入り方)。ここまで4曲とも今までのくるりとは違う、でもくるりらしいと思わせる音楽が全開。

5.Liberty & Gravity
 短い曲が多くを占めるこのアルバムの中では6分超の屈指の長尺。日本のお祭りといいますか、日本らしさといいますか、そういうのを全てこの曲に凝縮したような内容。1曲の中でこれだけ多くの風景が存在する曲も滅多にないと思います。このアルバムどころか2014年単位で見ても屈指の名曲でしょう。

6.しゃぼんがぼんぼん
 これもまた前曲とそのまま一体になっている曲間の繋ぎ。1分33秒で駆け抜けるBPM最速の歌謡ロックナンバー。

7.loveless
 ミディアムテンポで穏やかな、こちらはこれまでのくるりらしさも思わせるナンバー。それにしてもファンファンのトランペットもすっかり欠かせない存在になりました。ここまでの6曲が相当インパクト強かったのでこういう王道ナンバーは余計に、しみます。

8.Remember me
 弦楽器の使い方にクラシックらしい高級感も思わせるバラード。昨年10月リリースのシングル曲。静かに進行する楽曲からはサウンドワークの丁寧さもあらためて感じさせます。

9.遥かなるリスボン
 前作『坩堝の電圧』はワールドワイドを意識した部分もありましたがその雰囲気を継続した楽曲とも言えるでしょうか。三拍子で表現される、これも非常に味わい深いバラード。

10.Brose & Butter
 BroseとButterのハーモニーがそのままバンドサウンドとデジタルサウンドの融合になって表れていますね。この曲もすごく細部にこだわりを持って作られているという感想です。

11.Amamoyo
 佐藤征史の作曲。冒頭のメガホンボイスに岸田とファンファンのデュエットっぽいパートに雨音のSEなど、他の曲以上に遊びが多い楽曲になっています。

12.最後のメリークリスマス
 くるりが贈るどこか切ないクリスマスソング。メロディーの素晴らしさがこの曲では特に光っています。昨年12月リリースのシングル曲。

13.メェメェ
 ファンファン作曲。わずか34秒の演奏時間。ほぼコミカルなSEのみ。

14.There is
 本日から公開される映画『まほろ駅前狂騒曲』の主題歌。ミディアムテンポで繰り広げられる上質なポップスで、このアルバムは勿論映画のラストにもおそらくピッタリの内容。


(総評)
 今作は各所でかなりの評判の高さを目にしていたのでどんなものかと思いましたが、なんのことはありません。思いっきり名盤でした。今作はこれまでのくるり以上にサウンドや楽曲の幅が広がっていて、どの曲もインパクトが強い上に曲間の繋がりや曲順にもこだわりを感じさせる内容でした。その最たるものが5.で、PVも各所で話題になっていますがこの曲に含まれる要素の数は尋常ではありません。どの曲も素晴らしい内容でしたが5.に至ってはこの曲が収録されているだけでアルバム全体を名盤にすると言っても過言ではないくらいだと思います。こういった個性が今までになく強い楽曲が存在するので王道的な7.や14.などの良さも余計に映えています。くるりのアルバムを全て聴いてきたわけではないので個人として断定するのはちょっと違和感ありますが、これまでの彼らの中でも最高傑作と評しても良い出来かもしれません。今年のJ-ROCKは若手中心に本当に素晴らしい作品が続出していますが15年超のキャリアを重ねた彼らの作品もまた必聴に値する内容です。2014年のJ-ROCKにおける必聴作品。まだ手にとってない人は是非聴いてその世界観を堪能していただきたいですね。







posted by Kersee at 23:31| Comment(0) | アルバムレビュー(J-ROCK) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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