2014年06月16日

aiko『泡のような愛だった』

泡のような愛だった (初回限定仕様盤) - aiko
泡のような愛だった (初回限定仕様盤) - aiko

泡のような愛だった (特典CD付通常仕様盤) - aiko
泡のような愛だった (特典CD付通常仕様盤) - aiko

(楽曲レビュー)
1.明日の歌
 PVも作られている今アルバムのリードナンバー。独特のリズムで刻まれるピアノ演奏のイントロに一息で一気に歌われるBメロ、そしていつも通りながらも彼女以外表現出来る人は皆無であろうメロディー進行。一曲目ながら今回のアルバムはこの作品を聴くためにあると言っても過言ではない、大変重要かつ聴き応えのある楽曲。

2.染まる夢
 この曲もエイトビートの単純なリズムの中で出来る限り複雑に作られたようなメロディーとコード進行が耳に残りますね。曲の進行の先の読めなさ具合が半端ないです。この点は確実に以前よりパワーアップしているような気がしました。

3.Loveletter
 昨年7月リリースのシングル曲。この曲もBメロのメロディーがなかなかに独特なんですが前2曲がそれ以上に不規則なのと単純に聴き慣れているということもあって、ある意味すごく安心できる楽曲にようにも感じます。

4.あなたを連れて
 お馴染みの愛をテーマにしたバラード。相変わらず切ない歌声と豊かな声量で聴かせてくれます。

5.距離
 イントロのオルガンの音色は本当に聴く方に安らぎを与えてくれますね。こちらもお馴染みの、安定した落ち着き系ミディアムテンポ。

6.サイダー
 アルバムのタイトルを端的に表しているのはやはり泡を連想させるこの曲が一番になるのでしょうか。サイダーから連想される愛を描いた歌詞は相変わらずのセンスの良さを感じさせます。冒頭2曲のような派手さはあまりないですがこちらもまた何度も聴き直したい名曲ですね。

7.4月の雨
 昨年7月リリースのシングル曲。それにしてもaikoのバラードにおける伸ばしの部分の声はなんでこんなに切なく聴こえるんでしょうね。作詞能力やメロディーセンスが語られることが多い彼女ですが、個人的には特にこういうバラードを聴くたびに歌い手としても天性の才を常日頃から感じざるを得ません。

8.遊園地
 ブラスバンド風のイントロはやはりジェットコースターのイメージでしょうか。でも歌に入るとなんだかコーヒーカップのイメージの方がしっくりきます。でも歌詞は完全に別れを描いた悲しい内容。編曲との対比をうまく表した作品と言えます。

9.透明ドロップ
 この曲もどちらかと言うと悲しい内容ですね。半音下げコード進行と”世界はこんな色をしてたのか”というサビの歌詞が耳に残ります。

10.君の隣
 今年1月リリースの直近シングル。こういう歌詞に描かれた、それこそaiko自身のような女性が隣に寄り添ってくれたらどんなに幸せかと男性に妄想させるにはピッタリのナンバー。しかもそれを歌からそうさせようとしているよりも自然にそう思わせようとする辺り、やはり巧みさを感じさせずにはいられないわけで。

11.大切な人
 楽曲に聴き惚れるには十分過ぎるほどのバラード。これまでの彼女のアルバムならそのまま終曲になってもおかしくない雰囲気ですね。

12.キスの息
 歌詞のシチュエーションは二人の夜の営みを表現しているわけですが、その時の女性のドキドキ感を実に上品に描いていますね。彼女の作詞能力の高さがあらためてよく表れている作品だと思います。

13.卒業式
 いわゆる卒業ソングらしい内容というよりも「あなたからの卒業」をテーマにしたような楽曲ですね。卒業式の風景を描いたというよりも”歌詞の風景が卒業式らしい”という印象です。それにしてもサビの歌詞、これだけ美しいフレーズが散りばめられた別れの歌はなかなかないのではないでしょうか。このアルバムのラストを飾るにふさわしい名曲。


(総評)
 いつも通りの安定感のあるaikoのアルバムでしたが、じっくり聴くと今回は特にアルバムを通して歌詞のテーマが一貫しているような気がしますね。アルバムの曲順に聴いていると、曲が進むたびに泡のような愛、どこか儚さを感じさせる部分が少しずつ割合を増していたような、そんな気がしました。冒頭2曲とシングル曲を除くと、一聴して楽曲単位で印象に残る曲はあまりないようにも感じますがその分アルバムを通しでじっくり聴くことで良さが見えてくる作品だと思います。ベテランらしくじっくり作られた良作、と言ったところですね。

 それにしても気がつけばもう今回のアルバムは11作目。同時期にデビューした女性アーティストは宇多田ヒカル、倉木麻衣、椎名林檎、MISIA、浜崎あゆみ、鬼束ちひろと言った大変豪華な面々ですが、みんなそれぞれ天才かつ波瀾万丈といった印象でなかなか安定といった印象ではなく、活動のペースやヒット具合・楽曲の傾向の変遷も大きくなっているように感じます。その一方で彼女は天才であることは間違いながらも実にコンスタントに安定した活動を長年続けているという点でJ-POPの歴史上で考えても相当に異彩を放っているように思います。ほぼ1年半〜2年のペースでオリジナルアルバムを発表されるというのはaikoにとっては恒例行事とも言えますが、これを15年近くずっと続けているというのはもっと評価されるべき快挙なのではないでしょうか。もう来年の11月で40歳なんですが全くそんな感じに見えません。なんだか10年後も20年後も今みたいなスタンスで活動しているように思えて、それが逆に想像つかない状況にも感じますが、今回のアルバムのような素敵な作品になることはまだまだおおいに期待しても良さそうです。




posted by Kersee at 21:00| Comment(0) | アルバムレビュー(女性J-POP) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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