2014年03月03日

BABYMETAL『BABYMETAL』

BABYMETAL(通常盤) - BABYMETAL
BABYMETAL(通常盤) - BABYMETAL

BABYMETAL(初回生産限定盤) - BABYMETAL
BABYMETAL(初回生産限定盤) - BABYMETAL

(楽曲レビュー)
1.BABYMETAL DEATH
 シングル「イジメ、ダメ、ゼッタイ」初回限定盤収録曲。3人が「××METAL DEATH!」と自己紹介する以外はひたすら神バンドの激しい演奏。初回限定盤DVDにはSUMMER SONIC幕張ステージのパフォーマンスが収録されていますが、そこでは3人ステージ狭しと動き回っていました。自分は大阪会場でこのパフォーマンスを目撃しましたが、オープニングに演奏されたこの曲の時点でただならぬ雰囲気を感じたものです。

2.メギツネ
 2013年6月19日発売のメジャー2ndシングル。第2回アイドル大賞に投票した時に私はこう書きました。「アイドル史どころかJ-POP史に残る傑作、ヘヴィメタというジャンルに「和」の要素と「萌え」の要素が内包されているのはこの曲を置いて他にない、メロディーといいSU-METALのボーカルといい一秒たりとも隙を感じさせない、BABYMETALというアーティストどころか「ジャンル」の誕生まで決定づけたようなナンバー」。その感想は今も全く変わりありません。2013年を代表する最高の楽曲。

3.ギミチョコ!!
 新曲ですがこれも凄いです。SU-METALが歌うサビはそのまま明治チョコレート辺りのCMに採用されても全く不思議のないメロディーですがあと2人のBLACK BABYMETAL(=YUIMETAL+MOAMETAL)が歌うそれ以外はメロディーもへったくれもない擬音のオンパレード。その落差には感動さえも憶えるほど。もちろんバックの激しさは終始安定。何と言いますか、良い意味で開いた口が塞がらない楽曲だと思いました。

4.いいね!
 2012年3月7日にインディーズからリリースされたシングル曲。イントロがまんま「淋しい熱帯魚」です。デスボイスも入りつつもどちらかと言うとこの曲はトランスや打ち込みの要素がかなり占める明るめの楽曲、かと思いきや1番が終わったらいきなりヒップホップのパートが入ったりしてなかなかカオスで忙しい曲。4分近くの演奏時間に20分くらいの要素が入ってるんじゃないかと感じてしまいました。PVで見るとそれがよりダイナミックに分かります。いやぁ凄いわ。

5.紅月−アカツキ−
 シングル「メギツネ」通常盤c/w曲。一つひとつの音符が長めに作られていて、SU-METALの美しい声の伸ばしを堪能するにはもってこいの楽曲。どことなく儚さを感じさせるメロディーも演奏によく合っていて、このアルバムの中ではすごく優等生的な出来に仕上がっているようにも思いました。

6.ド・キ・ド・キ☆モーニング
 BABYMETALの母体は言うまでもなくさくら学院の重音部なわけで、そのアルバム『さくら学院2010年度〜Message〜』に収録されたのが初出、その後DVDシングルとしてリカットされた作品になります。メタルの要素と言いつつもこの曲はポップ風なかわいいアイドルソングを重音アレンジしたような感じの内容。”チョ待って!”なんて歌詞はSU-METALが今歌うには若干違和感がなくもなく(他の2人なら違和感どころか完璧な受け入れ態勢になりますが)。というよりこの曲が発表した当時、もっと言うと重音部が発足した当時にメンバーさえもここまでBABYMETALが発展すると思っていたのでしょうか。そう考えるとこのアイデアを最初に思いついた人は天才ですね。

7.おねだり大作戦
 シングル「メギツネ」初回限定盤c/w曲。天使のような悪魔の二人にこんなこと言われたら従うしかありません、という気持ちにならざるを得ないナンバー。

8.4の歌
 新曲。作詞・作曲はBLACK BABYMETALという表記。こんなヘヴィーなサウンドに”1の次は2!”と屈託もなく高らかに実に何ということもない内容の歌詞を歌われたらもうこちらとしてはハハーッ!と2人の前に平伏すしか術がないという気持ちになってしまいます。一体何を考えているのやら、そんな思いを軽く超越した位置にあるようなナンバーですね。カオスの極致。

9.ウ・キ・ウ・キ★ミッドナイト
 シングル「ヘドバンギャー!!」c/w曲。ダジャレで始まる冒頭にイカゲソを食べたいというAメロ歌詞、これまたどことなく発想がズレてます。まだインディーズ時期の曲ですがこれより前と比べるとメタルの要素は若干強くなってますね。

10.Catch me if you can
 シングル「イジメ、ダメ、ゼッタイ」通常盤c/w曲。カッコ良さげな英語タイトルがついていますが内容はただのかくれんぼです。バックは実に激しいメタルの演奏でそれは実にただならぬ雰囲気ですが内容はカワイイ女の子のかくれんぼです。

11.悪夢の輪舞曲
 新曲。このアルバムの中では最も荘厳な雰囲気を持ったメタリックナンバー。それは演奏もそうなんですがSU-METALの神聖なる歌声も大きな要因になっています。歌のうまさもそうですが、声質に関して言うともう天賦の才と言いたくなりますね。

12.ヘドバンギャー!!
 2012年7月4日にインディーズからリリースされたシングル曲。「紅」をオマージュしたサビ、”ヘドバン!ヘドバン!”とかわいいと言いつつもただ単に「かわいい」という一言では形容しがたい声で何度も連呼するBLACK BABYMETAL、そして”ヘドバンギャーッ!!”と渾身の力で叫ぶSU-METAL。その全てがミュージックからアートにまで昇華している、そんなことまで思わせる名曲。BABYMETALがBABYMETALになった所以はやはりこの曲あってこそなのかな、とあらためて感じさせます。

13.イジメ、ダメ、ゼッタイ
 2013年1月19日にリリースされたメジャー1stシングル。この重いテーマにここまで真正面から立ち向かった楽曲はこの曲を置いて他にはないのではないでしょうか。まだ個人的にリリース当時彼女たちの凄さはよく理解できていなかった部分が多かったのですが(当時のレビューはこちら)、それから1年。あらためて聴くとテーマの設定だけでなくユニットのコンセプト・曲の作り方・振り付けやPVなどのビジュアル面全てにおいて全く前例のないことをやっている楽曲で、やはりあらためて考えると素晴らしい名曲なんだなぁと感じさせます。アルバムの終曲、昨年見たサマソニのステージでもこの2曲がラストの演奏でした。このラストの曲順にはやはり強い拘りがあるのかなとも思います。


(総評)
 聴く前から名盤になることは軽く想像がついていましたが、その想像さえも上回った作品だと思いました。一体メタルというジャンルの中で作られたこのアルバムの中にどれだけのジャンルと萌え要素が含まれているのでしょうか。今後2nd以降でそういった世界観を楽しめることはできるとしても、それより前となると似たアルバムはおそらく一枚たりとも存在しないと思います。メタルとアイドルは要素としては完全に別の世界にあるという印象が私からしたら強く、それを結びつけようと最初に考えた人にまずは最大限の敬意を払いたいですね。そしてその一見全く違った個性がぶつかり合った結果とんでもないものに昇華していった、これはもしかすると当の本人も考えてないほどの奇跡かもしれません。時系列にすると分かりやすくて、例えば「ド・キ・ド・キ☆モーニング」から「メギツネ」を想像できるかというと、少なくとも自分だったらそれはできなかったと思います。というわけで色々書いていきましたがこのアルバムに関する結論は一言。間違いなく文句なしの21世紀の名盤です。ここまでの濃さを感じさせるアルバムは年に数枚あるかないかのレベルでしょう。メタルというジャンルに興味がなくてもハマる要素は多々あります。まあさすがに中盤にあるかわいい系のノリが苦手な人は向かないかもしれませんが、ユニークさ・一曲一曲のインパクトに関しては群を抜いた内容と言えます。

 BABYMETALの音楽は勿論メタルの演奏が熱狂性を掻き立てるわけですが、それに輪をかけているのがメンバー3人のパフォーマンスですね。SU-METALの天性とも感じさせる歌声、MOAMETALとYUIMETALの天使とも悪魔とも思えるコーラスと言いますか茶々を入れると言いますか。SU-METALの才能も素晴らしいですが私は残り2人の存在がこの上なく絶妙なもののように感じました。楽曲から見てもそうですが映像、つまりPVやライブのパフォーマンスを見ても独特の存在感があるんですよね。更に言うと振り付けのMIKIKOMETALの存在も大きいですね。あらためてライブパフォーマンスをDVDで見るとその振り付けの自然さは驚愕の一言につきます。彼女は主にPerfumeの振り付けで多大なる実績がありますがやっぱり凄いですね。バンドやアレンジなども概ね文句のつけようがありません。それにしてもアミューズという会社、あるいはPerfumeや鞘師里保(モーニング娘。)も発掘したSU-METAL育ての地・広島アクターズスクール。才能の宝庫どころではありません。一体どうなっているんでしょうか。

 この初回限定盤のCDにはPVとサマソニのパフォーマンスが収録されたDVDがついています。生で大阪のステージを見た時はあまりの凄さに終わった後の余韻が相当長い間残りましたが、あらためて見るともはやミュージックどころかアートの領域にまで達していると本気で思いました。3月1日・2日の武道館単独公演も大盛況、そして次はいよいよ海外でのステージが開催されるということです。このアルバム、海外のiTunesチャートでも相当上位に入っているそうです。世界征服ももしかしたら夢ではないかもしれません。伝説はまだ始まったばかり、その伝説を直接感じることができるこの時代に生きていることを感謝したい、そんな気分です。




posted by Kersee at 21:00| Comment(0) | アルバムレビュー(アイドル) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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