2015年02月25日

でんぱ組.inc『WWDD』

WWDD 初回限定盤(CD+DVD) - でんぱ組.inc
WWDD 初回限定盤(CD+DVD) - でんぱ組.inc

WWDD (通常盤) - でんぱ組.inc
WWDD (通常盤) - でんぱ組.inc

WWDD 【アナログ12inch(完全生産限定盤)】 [Analog] - でんぱ組.inc
WWDD 【アナログ12inch(完全生産限定盤)】 [Analog] - でんぱ組.inc

WWDD 【 カセットテープ(完全生産限定盤 )】 - でんぱ組.inc
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(楽曲レビュー)
1.でんぱな世界〜It's a dempa world〜
 今回のアルバム全体に構成されている「でんぱワールド」の入場曲と言っても差し支えない、オープニングインストゥルメンタルナンバー。

2.でんぱーりーナイト
 昨年11月発売の先行シングル。ミュージカルを思わせる雰囲気はディズニーリゾートをイメージしているかのよう。実質オープニングなのに漂うクライマックス感は早くもかなりのものといった状況。

3.ダンス ダンス ダンス
 前向きな歌詞と美しいメロディーで聴かせるエレクトロ・ミディアム・ポップ。でんぱ組.incの中では極めてノーマルな部類に入る曲でしょうか。しみじみと良い曲だと感じさせる、そんな内容。

4.NEO JAPONISM
 ORANGE RANGEのNAOTOが楽曲提供。実に自由な雰囲気は「おしゃれ番長」、どこか時代劇的な雰囲気は「O2」を思い出させる部分もあるでしょうか。リズムの使い方と聴いていて楽しくなるという気持ちは天下一品という趣。ブリッジで思いっきり雰囲気が変わる部分とその後の展開が大きな聴きどころになりますね。メロディーの作りの巧さもキャリア豊富といった印象で大変素晴らしいです。

5.FD2〜レゾンデートル大冒険〜
 これはすごくでんぱ組.incの王道という感じの、勢いバリバリアップテンポナンバー。手堅くクオリティ高い作品に仕上げてる感もありますね。ちなみに作詞は『らき☆すた』『ラブライブ!』等でお馴染みの畑亜貴。

6.ちゅるりちゅるりら
 前山田健一提供の、時代劇要素をアイドルソングに取り入れた大変画期的な作品。もはや説明すること必要さえないほどの傑作中の傑作。

7.まもなく、でんぱ組.incが離陸致します
 昨年5月に日本武道館単独公演記念としてリリースされた限定シングル収録曲。SFチックな雰囲気を感じさせる作品で、全編に繰り広げられる”S.O.S.”コーラスとゲームチックな編曲が強烈なインパクトを放っています。また歌詞カードにおけるハートマークの数も半端なく、数えたら80近くもありました。ちなみにこの曲を提供したのは最近6人の妻を迎えて活動している清竜人。

8.Dear☆Stageへようこそ
 上と同じく限定シングルに収録された清竜人提供曲。しがないサラリーマンが、でんぱ組.incのメンバーがメイドとして働いているカフェに来訪してライブをするという設定のもと作られた楽曲。ほとんどトラックというより7分51秒で繰り広げられたミニドラマという趣。イントロからサラリーマンの台詞が1分ほど、曲の合間やアウトロにも存在しています。ここまで来るともうほとんど作る方も歌う方もどうかしてるだろうと思ってしまうほどのとんでもない内容。なお清竜人25プロジェクトはこのシングルの発表の2ヶ月後に始動したみたいです。

9.バリ3共和国
 シングル「でんぱーりーナイト」カップリング曲。CG全開のPVにエレクトロサウンド全開の編曲、こちらもまたでんぱ組.incの王道をいく安定した高クオリティ楽曲。

10.ファンシーほっぺ ウ・フ・フ
 シングル「サクラあっぱれーしょん」カップリング曲。このアルバムの中では一番かわいいでんぱ組.incを最も見せている楽曲でしょうか。カジヒデキの楽曲提供。

11.檸檬色
 シングル「ちゅるりちゅるりら」カップリング曲。この曲も聴かせる曲。スローモーションをメインにしたPVがいい味出しています。制作費はかなり安かったそうですが。

12.ブランニューワールド
 松隈ケンタの楽曲提供。というわけですごくBiSっぽい曲になっています。サビのメロディーの作り方はまさしくそんな感じですね。逆に言うと今までのでんぱ組.incには確実になかったタイプの曲なので、そういう意味では新鮮。

13.イロドリセカイ
 苦労してこのポジションに辿り着いた6人だからこそ説得力を感じさせる歌詞が印象に残る、聴かせるバラード。ライブで聴くと感極まる部分も出てきそうです。いずれ訪れるであろう解散公演なんかで歌われたら間違いなく号泣してしまいますね。当然まだまだ先の話だとは思いますが。

14.サクラあっぱれーしょん
 ラストをこれで締めるという曲順が素晴らしいですね。大団円という一言が完璧に当てはまります。”バイバ〜イ!”という部分が終曲らしさを表しているような気もします。

・DVD特典映像
 シングル曲のPV集とライブアクト9曲がついた大変お得な内容。特にPV集はこのアルバム未収録の「Phantom of the truth」、さらにオーディオコメンタリーまでついています。勿論ここでしか聴けないPV制作上においての裏話も多数ありました。ライブ映像はこうあらためて見ると振付の複雑さと激しさに舌を巻く内容ですね。これを生歌でやってるわけですから恐ろしいです。アップで見ると汗の量が凄いことになってます。あらためてワンマンライブに行くのが楽しみになりました。


(総評)
 昨年のシングル曲の出来の凄さがとんでもないレベルだったので名盤になるのは予想されていた通りですが、あらためて作品にすると壮観極まりないですね。2015年を代表する作品であるのは当然として、2010年代あるいは21世紀単位で考えてもおそらくかなり上にいくアルバムではないでしょうか。どの曲にも半端ない個性が備わっていて、聴いていて非常に楽しい気持ちになります。特に中盤6.〜8.の流れは年に数度味わえるか味わえないかのレベルに達しているのではないでしょうか。盛り上げる曲だけでなく聴かせるタイプ・バラードでも一定の領域以上になっていますね。ライブ映像と合わせてみるともう完全に見ても聴いても中毒性を味わえるどころではない状況になっていると思います。アイドルというカテゴリですがもうそこから飛び出していると言っても過言ではないでしょう。

 ライブと楽曲の凄さからブレイクしたアイドルといえばももいろクローバーZですが、今のでんぱ組.incの勢いも彼女たちを彷彿させる部分があります。既にマイナスからプラスにはとっくに変わっているでしょう。そのプラスをどこまで伸ばすことできるか、まだまだ彼女たちの活動にはおおいに期待できそうです。


posted by Kersee at 22:40| Comment(0) | アルバムレビュー(アイドル) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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