
SPOT - lyrical school
(楽曲レビュー)
1.I.D.O.L.R.A.P
lyrical schoolの独自性を彼女たちらしく表現した、挨拶代わりの1曲。
2.PRIDE
昨年10月発売のシングル曲。この曲で初めてシングル週間9位を記録。彼女たちの秘めた決意がそのままリリックになって表れたような歌詞が非常にカッコ良いナンバー。
3.OMG
ギターの音が終始響き渡る辺りはヒップホップよりもミクスチャーをイメージしたような印象。この曲もカッコ良い6人をしっかりみせております。バンドスタイルをバックにパフォーマンスするとなお良し、というライブになりそうで。
4.-4 years-
2014年11月2日、恵比寿LIQUIDROOMでのライブMC。この4年前に彼女たちの前身グループ・tengal6が結成されたわけです。というわけでそのまま次の曲の入りに繋がります。
5.FRESH!!!
tofubeatsの楽曲提供、2014年7月リリースのシングル曲。ちなみにリリスクとtofubeatsとの関わりはかなり初期からあるそうで。リリスクの明るさとかわいさを全面に押し出した非常に明るいヒップホップチューン。聴いていてすごく気持ち良くて爽快で、他のヒップホップからは味わえないほどの魅力に満ち溢れていますね。
6.レインボーディスコ
前トラックの流れを引き継いだような楽しいサウンド。ヒップホップならではの韻の妙を楽しめます。
7.brand new day
2014年4月リリースのシングル曲。青空をイメージしたような爽やかさが印象に残るナンバー。ドライブする時に聴きたくなるトラックでもありますね。”精一杯手をふって”で始まるサビでは思わず一緒に手を振りたくなるような魅力に溢れています。
8.-8 p.m.-
オーディエンスのアンコールのコール。
9.CAR
メロウに聴かせる楽曲。ヒップホップというよりはR&B色・レゲエ色の方が強いナンバーでしょうか。サビのメロディーも意外とキー高く、裏声パートもありで若干難度が高いのもなかなか重要なポイント。
10.月下美人
前曲よりさらに音の種類を少なくした、聴かせるナンバー。ヒップホップは当然ながら歌詞がものすごく重要な要素を占めるわけですが、この曲はそれとはまた違う意味で歌詞の重要性が高いナンバーのような気がします。
11.ゆめであいたいね
弦楽器を軋ませたようなイントロがまず印象的。音の選び方は安定のtofubeatsサウンドですが、メロディーやリズムの使い方や先の読めない構成にはかなりの面白味がありますね。比較的静かなサウンドだからこそその特徴が際立っているようにも感じます。今回のアルバム曲の中で見ても極めて完成度が高い楽曲ではないでしょうか。
12.わらって.net album ver.
2013年12月リリースのシングル曲。オープニングの掛け合いが大変自由度高くて良いです。リリックに乗せられるアコースティックギターの演奏がものすごくいい味出していますね。
13.S.T.A.G.E take2
ボーナストラック扱いの1曲。ライブだとアンコールみたいなものでしょうか。一人一人のソロがそれぞれ長く与えられているので、それを楽しむには実に最適な内容。楽曲の雰囲気はカッコ良い系。基本通りにクオリティ高く作られたナンバーという感想を持ちました。
(総評)
TOKYO IDOL FESTIVALで彼女たちのステージを見た時は”非常に明るくヒップホップの楽しさを伝えているグループ”という印象を持ちました。もちろんそのイメージ通りの楽曲もありましたが、個人的には後半、9.以降のナンバーに彼女たちのポテンシャルの高さを感じさせるアルバムだったような感想を持ちました。何と言いますか、メンバー6人をはじめとする制作陣全員が聴かせどころをうまく抑えているという印象。またカッコいい系〜盛り上がり系〜聴かせる系という流れを上手く作っている構成も見事で、”〜”の部分にあたる4.や8.がすごく良い役割を果たしています。その中で全体的に前向きなテイストで作られているリリックも素晴らしかったですね。これに関しては聴きやすさという面でものすごく大きな存在になっていることは言うまでもないでしょう。
リリスクの勢いだけでなく、その実力や守備範囲の広さも感じることが出来る名盤だと思います。アイドル好きにもヒップホップ好きにも、あるいはヒップホップ系の入門盤としてもオススメできる一枚。皆さんも是非手にとってみてはいかがでしょうか。