
サイレントサイレン(初回生産限定盤)(DVD付) - Silent Siren

サイレントサイレン - Silent Siren
(楽曲レビュー)
1.無音の警告
キラキラなポップ性とロックバンドらしさが共有しているインストナンバー。インターバル無しで次の曲に繋がります。
2.KAKUMEI
今年1月リリースの先行シングル。位置づけとしては昨年末にリリースされたSCANDALのアルバム『HELLO WORLD』でいう「Image」みたいなものですね。このアルバムを牽引するような、素晴らしいメロディーと声の綺麗さが光る名曲。
3.BANG! BANG! BANG!
昨年8月リリースのシングル曲。絵に描いたようなノリノリの夏ポップ。キャッチーさとコーラスの入れ方がまさに王道といった感じもありますが、ボーカルといいコーラスといい声があまりに澄んでいるので爽快感が凄いです。”聴いていて気持ち良い楽曲”を地でいくような、これもまた素晴らしい名曲。ライブだと100%盛り上がること間違いなしのキラーチューンですね。
4.Routine
シリアスっぽさを感じさせるメロディーが印象的な曲。キーボードがものすごく良い味出してます。底抜けに明るい3.と対をなす構成もグッド。
5.爽快ロック
シングル「恋い雪」カップリング。青春パンクロックに少しポップ性を混ぜたようなナンバー。サビで大きく盛り上がる割にAメロ〜Bメロが意外とノーマルなのがポイント。
6.手をつないで
この曲もライブ、それも出来ればアリーナ級の会場で一緒に味わいたい楽曲ですね。タイトル通りの繋がりを感じさせる内容に仕上がっているように思います。
7.ラッキーガール
昨年6月発売のシングル曲。この曲もサイサイの明るさが前面に出ていて、聴いていてすごく楽しくなります。前向きな歌詞も大変素晴らしいですね。昨年末まで不思議とサイサイの楽曲はあまり聴いてなかったのですが、まさかここまでシングルが当たり曲ばかりだとは思っていませんでした。
8.DanceMusiQ
メンバーの声にエフェクトを入れた実験曲。いわゆるアルバムならではの試みですがその中でもバンドらしいサウンドは全く失われていなくて逆に面白味を感じさせます。むしろ疾走感は普通のバンドサウンド以上かもしれません。
9.恋い雪
昨年12月発売のシングル曲。文字通りの聴かせるウィンターバラード。
10.女子校戦争
変拍子を取り入れた昨今のJ-ROCKトレンドらしさを感じる一曲。これもライブだと盛り上がりそうです。
11.曖昧 me mine
爽やかな歌声とメロディーが印象に残るポップロック。サビのコード進行が心地良いです。
12.ストロベリームーン
ラストはボーカルのすぅこと吉田菫の作詞作曲。女の子らしさを曲全体から感じさせる切ないバラード。聞き終えた後味も大変に良く、スッキリ。ライブのアンコールだとしたら余韻が十二分に残りそうな内容です。
(総評)
予想以上に名盤でビックリしました。サイサイの魅力が存分に出ている作品で、アーティストの才能・実力もさることながらプロデューサー・制作陣のクオリティの高さも非常によく表れているように思います。ボーカルのすぅこと吉田菫の声質は才能の塊という印象もあり、まさしく”ラッキーガール”と言いたくなるほど。仮に曲が平凡だったとしても声だけで癒やされて元気が出るという領域に達していて、更に言うと彼女を盛りたてるコーラスも素晴らしい声質。読モ出身だけあってルックスは言うまでもなく素晴らしいですが、彼女たちの声だけをもってしてもアーティストの才能を存分に感じさせるバンドだと思いました。
楽曲も元気で明るい曲は言うに及ばず、それ以外でも非常に高いクオリティーを保っていてなおかつアルバム曲中心に新たな挑戦を思わせる部分もありました。特にキーボードの入れ方にはかなりのセンスを感じました。曲そのものも良いんですが演奏・編曲においてどう作れば一番盛り上がるか、一番聴き応えがあるか。それを徹底的に追求している内容だったのではないでしょうか。全体の流れも申し分ないですし、もう言うことないですね。正直ここまでしっかり作り込まれた作品になるとは思っていませんでした。
武道館単独公演の成功が先日ニュースになりましたが、これを聴く限りおそらくそれ以上の成功を納めるバンドになる予感もしてきました。モデル出身だけあって女性ファンは申し分ないですし、これだけかわいければ男性ファンも間違いなくついてきます。そして楽曲のクオリティの高さ。そうなると生であらためて確認したいのがパフォーマンス。盛り上げ方・MC・ボーカルの発声。この辺が完璧ならSCANDALを超える存在になるかもしれません。あらためて非常に楽しみなガールズバンドが出てきましたね。サイサイをまだ聴いたことない人にも強くお薦めしたい、今年を代表する名盤です。