2015年12月31日

星野 源『YELLOW DANCER』

YELLOW DANCER (初回限定盤A) - 星野 源
YELLOW DANCER (初回限定盤A) - 星野 源

YELLOW DANCER (初回限定盤B) - 星野 源
YELLOW DANCER (初回限定盤B) - 星野 源

YELLOW DANCER (通常盤) - 星野 源
YELLOW DANCER (通常盤) - 星野 源

(楽曲レビュー)
1.時よ
 素朴な印象から明らかにワンステップ進化したことが開始1秒の時点で分かるような楽曲。電子音を中心にした編曲やポップなメロディーはバラエティ性大変豊か。したがって小気味良く耳に響きますね。スピード感・興奮度・面白さどれを取っても”ちょうど良い”といったところでしょうか。中途半端では決してない、本当にちょうど良くしっくりくる感じ。ものすごく絶妙なバランスで構成された名曲といった印象です。

2.Week End
 昭和50年代に流行したディスコミュージックを進化させたような作品。グルーヴィーだけど聴かせるという、これも彼だけでなく今までのJ-POPでもありそうであまりなかったような感覚。フェイドアウトで終わるのも味があって、個人的にはCDよりもカセットテープで聴きたくなるような一曲。

3.SUN
 すっかり今年の代表曲と化したシングル曲。そういえばちょうど3曲目ですね。2.と通して聴くとこの曲もなんだかグルーヴィー。1.〜3.は通しで聴くことを特にお薦めしたいです。

4.ミスユー
 ピアノの音をメインとしたアコースティックなバラード。ベースやドラムの音も効果的に響き渡ります。ミラーボールが天井にある、喫茶で演奏されるジャズのイメージが近いでしょうか。

5.Soul
 オルガンの音を初めとした、バンド以外の楽器をメインとしたソウルナンバー。4.もそうですがこの曲も懐かしい雰囲気。さながら平成のニューミュージックと称したくなります。

6.口づけ
 ギターの弾き語りで聴かせるナンバー。至ってシンプル。これもまた星野源の魅力。

7.地獄でなぜ悪い
 本人も出演した同名映画タイトルの主題歌。2年前のシングル曲なので懐かしく聴こえますね。高速のテンポで聴かせる演奏は迫力があるというよりゴージャスという言葉が似合います。

8.Nerd Strut
 インストメンタルで聴かせる作品。インターバル。どこかちょっとコミカル。木琴の音が効果的ですね。

9.桜の森
 昨年のシングル曲。このアルバムをあらためて聴くと、今作の作風のキッカケになった作品なのかなという印象もあります。

10.Crazy Crazy
 9.と同様昨年のシングル曲。歌い出しをはじめとして、歌詞に大病を克服した彼の心境がうかがえるという感じがします。

11.Snow Men
 以前だったらもうちょっとシンプルな編曲で作られたんだろうなと思えるバラード。弦楽器やクラップの音が心地よいです。

12.Down Town
 「DOWN TOWN」といえばシュガー・ベイブですが、この「Down Town」もそれと同様にきらびやかな夜が似合うイメージ。と言ってもこちらは街並みより首都高速の方がしっくり来ますが。

13.夜
 静かな夜をイメージしたようなバラード。ドラムの細かいシンバルの捌きにこだわりを感じます。

14.Friend Ship
 ラストはアジアのテイストも少し入れてきました。 


(総評)
 各所で非常に評判が高い作品になりましたが、本当にその通りの名盤でした。2年前のアルバム『Stranger』と比べると明らかに音楽の世界が広がっています。各ジャンルの良い所どりをしたような作品群はそれだけで”平成のニューミュージック”と称したくなるほどですね。もっともそれは1970年代中盤を思わせる部分があったのも理由の一つですが。また単体で聴くのも良いですが、アルバムとしての流れも多分に意識されているように感じました。これもオリジナルアルバムとして非常にポイント高いです。そして今作は演奏がすこぶる良いです。バックミュージシャンの腕もさることながら演奏する楽器の選び方のセンスは特に群を抜いていました。自分はiTunesで聴きましたが、これはもう出来る限り音質の良いオーディオ・CDで入手することをお薦めしたいです。まあ一番良いのはライブだと思いますが、今の人気を考えるとホールでさえもやや非現実的になりつつあるのが難点でしょうか(ちなみに年始からのライブはホール・アリーナ両方を回るとのこと)。

 以前からセンスの良さは星野源の音楽から感じていたところでしたが、今作はまさにそれを最大限に示した作品ではないでしょうか。ただ4thアルバムですがどうもこれは”新しい星野源”を魅せるキッカケになった作品でもあるような気がするんですね。正直この人の音楽はまだまだ進化をし続けそうな予感がしてなりません。J-POPの男性ソロ界隈は他と比べて長らく少し弱い印象がありましたが、彼や秦基博、レキシに高橋優に米津玄師などがいよいよ大ヒット・台頭している様相になってきました。来年は彼中心にこの辺りのムーヴメントは目を離せない存在になるでしょう。楽しみにしたいです。







posted by Kersee at 00:22| Comment(0) | アルバムレビュー(男性J-POP) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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