2016年02月03日

Little Glee Monster『Colorful Monster』

Colorful Monster(初回生産限定盤)(DVD付) - Little Glee Monster
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Colorful Monster - Little Glee Monster
Colorful Monster - Little Glee Monster

Colorful Monster(期間生産限定盤) - Little Glee Monster
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(楽曲レビュー)
1.好きだ。
 昨年9月発売の4thシングル表題曲。ドラマ『表参道高校合唱部!』主題歌、今のところ一番の代表曲と言える存在でしょうか。青春を感じさせる爽やかさは、リアルに中高生世代の彼女たちだからこそ説得力を感じさせる部分があります。

2.SAY!!!
 打ち込みの編曲で聴かせる楽曲。曲は悪くないですが、わざわざリトグリに歌わせるまでもいかないかなという感もあります。とてもノーマル。

3.放課後ハイファイブ
 デビュー曲。2014年10月発売のシングル表題曲。アカペラから高音ソロで始まるオープニングが絶品。このシングルでJackson 5の「I Want You Back」をカバーしていますが、どことなくそれと似た雰囲気もありますね。

4.人生は一度きり
 昨年7月発売の3rd両A面シングル・1曲目に収録。すごくシンプルな歌詞だからこそ余計に胸に響くという典型。ベタですがやっぱり名曲だなという気持ちになりますね。

5.小さな恋が、終わった
 初恋の切なさを歌ったようなラブソング。これも同世代ならではの説得力。ピアノソロから打ち込みで徐々にサウンドが盛り上がり、要所でアカペラも入る構成。基本に忠実かつしっかり作り上げている楽曲という印象です。

6.書きかけの未来
 アカペラの入りから、ピアノと管楽器を基調とした演奏で聴かせるポップなナンバー。この曲も歌詞は青春系。

7.ガオガオ・オールスター
 昨年7月発売の3rd両A面シングル・2曲目に収録。ポケモンタイアップにピッタリな楽しく明るい内容は、PVでもしっかり表れています。その中でも高い歌唱力を感じさせる場面は随所に。

8.NO! NO!! NO!!!
 女子社会のちょっとした側面をのぞかせるような歌詞が印象的な楽曲。7.とはかなり対照的な内容。

9.Feel Me
 Charaの楽曲提供。確かに音階の使い方や歌唱もそれらしい感じがします。爽やかなポップスが多く並ぶこのアルバムの中では異彩を放つ楽曲で、それゆえに存在感が光っています。リトグリはこういうアーティスティックな路線の方が、自分は合っているように思いますね。素直にメンバーの歌の上手さが目立っていて、すごくカッコ良いです。

10.青春フォトグラフ
 昨年3月発売の2nd両A面シングル・1曲目に収録。この曲もJackson 5っぽい色がメロディーにかなり出ています。3.や6.と同様、福原美穂・KEN for 2 SOUL MUSIC Inc.・Philip Wooの作曲。歌詞は所謂卒業ソングという趣。軽快なリズムとダイナミックなメロディーが言葉をより引き立たせているような印象もあります。やっぱりシングル表題曲にするだけありますね。文句無しの名曲です。

11.HARMONY
 オリジナル曲ですが、海外で作られたヒット曲のカバーみたいな趣を感じさせる楽曲でもありますね。ダンスグループだったら間違いなく間奏で派手な踊りが見られるタイプのナンバーではないかと思います。

12.Girls be Free!
 昨年3月発売の2nd両A面シングル・2曲目に収録。この曲も卒業をテーマにした内容。アップテンポで明るく聴かせる楽曲に仕上がっています。    

13.ダイヤモンド
 ”諦めない””止まらない”というサビのコーラスが耳に残る青春ソング。

14.全力REAL LIFE
 アルバムのクライマックスの王道感あふれる、締めくくり的な内容。この世代だから歌える、という感じのする楽曲でもありますね。

15.空は見ている
 フィナーレを飾るに相応しい壮大な楽曲。間奏で聴かせるボーカルは特に迫力があります。

2-1.永遠に
 2000年・ゴスペラーズの代表曲のカバー。打ち込み全開の編曲がやや微妙ですが、歌に関しては本家に負けずとも劣らない素晴らしい内容。サビのハモリが特に優れているように感じました。ラストサビの入りに関しては本家を上回ってるかもしれませんね。

2-2.レイニーブルー
 1986年・徳永英明の代表曲のカバー。これもやはり一番最後の聴かせどころが流石といった内容。

2-3.Lady Marmalade
 1974年・Labelleのヒット曲のカバー。映画『ムーラン・ルージュ』主題歌のイメージの方が最近は強いでしょうか。海外の音楽だと、やはり6人の発声の良さがハッキリと出ますね。オリジナル曲のどの曲よりも迫力あるような印象があります。

2-4.Eyes to me
 1991年・DREAMS COME TRUEの代表曲のカバー。これもポップで若々しくて良い内容です。いずれは「すき」「そうだよ」辺りの難曲をカバーするリトグリも聴きたいところですが。

2-5.ファイト!
 1983年・中島みゆきの名曲のカバー。原曲からして傑作として名高い内容ですが、このカバーはそれ以上かもしれないと思える素晴らしい内容。メンバーそれぞれの歌声を堪能するにはこれが一番良いような気がしますね。単純に歌唱スキルが高いだけでなく、より気持ちを込めて歌っていると感じさせる歌声に感動できる内容。結論を言うとこのカバーを聴くためにアルバムを買ってもいいレベルではないでしょうか。同時に、出来る限り早い段階で中島みゆきの楽曲提供で歌うリトグリのオリジナルも聴きたいと感じました。


(総評)
 Little Glee Monsterの魅力は何と言っても高い歌唱力とハーモニー。男性ではゴスペラーズやRAG FAIRなどがいましたが、女性でこれだけ聴かせるJ-POPコーラスグループでヒットした存在は過去にいません。したがってこのアルバム、個人的には非常に楽しみにしていた内容ですがその期待に応えられるものかというと、果たしてどうなのかなというのが正直なところです。

 シングル曲は文句無しに良いのですが、アルバム曲はもうちょっと攻めてもいいのかなという印象がありました。9.や11.は意欲的な内容ですごく評価できますが、あとはやや無難な曲が多い気がしました。彼女たちと同年代の人々に向けた楽曲が中心で、どの曲も高い歌唱力とハーモニーでよく仕上げてはいますが、もう少し幅が特に歌詞で欲しかったというのが正直なところです。打ち込みの方が目立っていた編曲もややマイナスでしょうか。10代にターゲットを絞るのは先々のことを考えても悪いことではないですし、1stアルバムのコンセプトとしても間違ってはいません。10年後に作ることができないアルバムであることは断言できます。ただ彼女たちの才能を考えると、もっと凄いアルバムは絶対に作れるはず。アカペラパートがもっとあってもいいと思いますし、適当に聴いていても耳に入るレベルの凄さを感じる場面が更にあっていいはず。この後の作品にとってある、ということなのかもしれませんが。

 その点Disc2に収録されるカバー曲の良さは際立っていました。特に「ファイト!」はこれまで発表された全てのカバー作品の中でも5本の指に入るかもしれません。むしろオリジナルよりカバーアルバムの方が売れるんじゃないかという領域に達しています。確かに6人全員歌の上手い人が集まっていてアレンジもしやすいので、良いカバーになりやすいのは必然とも言えます。

 ただ冒頭で書いた通り、彼女たちのようなグループは過去にいません。多くいるJ-POPのミュージシャンの中でも特に才能の塊と言えるグループです。良い曲・良いタイアップに恵まれれば間違いなく大ヒットしますし、その後も確実に第一線で活躍する歌手になるはずです。10年後くらいには紅白歌合戦の常連にもなり得る逸材になります。既にライブ等で彼女たちの歌声に対する絶賛の声は非常に多く聞かれていますし、私も昨年生の歌声を聴いて驚愕しました。それだけに今後は、このアルバムにある路線にこだわらずどんどん良い曲を歌って欲しいとあらためて願います。彼女たちの同年代で音楽で活躍している女性は、ほとんどがアイドル。それ以外もバンドが中心。ですが数年前ほどアイドル隆盛とまで言えなくなった中、リトグリには確実に追い風が吹いている状況でもあります。今作が初期リトグリ期を飾るアルバム、と将来言われるように彼女たちには大きな期待をかけたいです。あくまでもこれが始まり、まだまだ今後どこまで伸びるか楽しみにできる段階なので…。


posted by Kersee at 23:10| Comment(0) | アルバムレビュー(女性J-POP) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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