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(楽曲レビュー)
1.Road of Resistance
2015年最初のライブから演奏されていて、音源としては2月に先行配信されていた曲。これを昨年のうちに聴いていなかったのは個人的に痛恨の限り。間違いなく年間TOP3レベルの楽曲だと思います。狼煙から始まるバンドの演奏は特にドラムの刻みがとんでもなく速く迫力抜群。思えば2013年サマソニ、そして2年前のアルバム『BABYMETAL』から現在に至る世界への道は始まっていたわけで、この曲はその方向性を明確に示しています。恐ろしいクオリティで演奏されるバックに乗せられるSU-METALの歌唱はとにかく強いと言いますか、自信が漲っていると言いますか。最後の最後のシャウトまで、息をつかせる暇もない5分19秒。
2.KARATE
その強さを空手という日本らしさで表現しているのがこの曲。”セイヤ””ソイヤ”という言葉は確かに日本以外でも、ワールドクラスで通用する言葉であります。多分。ただそうじゃないとしても彼女たちがそうさせるような雰囲気に満ち溢れているように思います。もちろん振り付けも空手をモチーフとしたもの。カッコ良さにどことなくかわいさも表現されている所がBABYMETALらしいとあらためて感じます。
3.あわだまフィーバー
この曲も1.同様、昨年からライブで歌われている楽曲。「ギミチョコ!」同様THE MAD CAPSULE MARKETSの上田剛士が作曲&サウンドプロデュース。入浴剤か洗剤のコマーシャルでも使えそうなサビとそれ以外の落差もまた同様。
4.ヤバッ!
メタル全開な編曲の影に歌謡曲っぽいメロディーあり。激しさの中にそうしたことを感じさせるのも今のベビメタの凄さなのかな、と感じるには十二分の内容。
5.Amore−蒼星
SU-METALソロ曲。1.以上に細かく刻まれるドラム他の演奏はまさしく超絶的なもので、余程歌唱力がないとまず成立しないわけですがそこはSU-METALの歌唱力。一つ一つの言葉を明瞭かつ美しい声で歌う歌唱は前作収録の「紅月−アカツキ−」「悪夢の輪舞曲」以上の感動があります。円熟味を増した、となるといくらなんでも早すぎますが成長という一言で表すにも若干違うような。とにかくSU-METALの歌声を堪能するにはこの曲が一番オススメというほどの内容。歌詞の世界観が余計にそうさせている面もあるかもしれません。
6.META!メタ太郎
行進曲風なアンセム。アルバムにおいては三枚目的役割といいますか、緩急の”緩”の役割を果たしているといいますか。メタルと言いつつも異彩を放つ内容、だからこそ面白いと感じる部分も多い楽曲です。
7.シンコペーション
美しいメロディーが耳に残るロック歌謡。ライブだと1番とラストサビの”回れ回れ”でサークルモッシュが起こりそうです。
8.GJ!
YUI-METALとMOA-METALのユニット曲その1。Aメロ〜Bメロのラップでモッシュとサークルを促しまくっています。
9.Sis. Anger
YUI-METALとMOA-METALのユニット曲その2。ものすごくかわいい声から放たれる歌詞が恐ろしく激しいです。でもかわい過ぎるのでちょっと脱力する部分もあります。それをひっくるめてBABYMETALらしいと感じさせる楽曲ですね。
10.No Rain, No Rainbow
SU-METALソロ曲。迫力あるバンドに弦楽器も加わったバラード。これがBABYMETALじゃなかったらありふれたバラードになってしまうようにも思えますが、この演奏に感情豊かなSU-METALの歌声で見事に泣けるバラードに昇華しているような、そんな内容のナンバー。ギターの音色・メロディーも抜群。
11.Tales of the Destinies
秒単位でモードが変わっていくと言っても過言ではないような、変幻自在のナンバー。歌詞に一貫性があるから余計にその変わりっぷりが鮮やかに聴こえます。これを1曲として成立させる制作陣が恐ろしいですね。既に前アルバムの時点でそうでしたが、この曲は特にBABYMETALという”ジャンル”を味わえる楽曲ではないかと思います。
12.THE ONE
イントロのギターソロの時点で、スタジアムライブをイメージした壮大さが表現されています。英語で始まる歌い出しは、海外盤だと全編英語の歌詞になります。したがってこの曲はJ-POPというより完全に洋楽の印象が強いです。これだけスケールの大きい楽曲は”さくら学院重音部”としては絶対に成し得なかったもの。現時点におけるBABYMETALの集大成であるとともに、フェードアウトで終わる構成に彼女たちのストーリーはまだまだ続くという強い意志を感じさせます。
(総評)
このアルバム、セールスが凄いことになっています。日本では三代目J Soul Brothersが非常に強いのでそれに次ぐ2位という形ですが、初動でCD売上10万枚超えているということがまず凄いことです。そして何と言っても海外。アメリカのビルボード39位は坂本九以来53年ぶりの高順位。イギリスでは冨田勲の記録を41年ぶりに更新する15位のセールス。オーストラリアでは7位。ヨーロッパでも各国100位以内にランクインしています。ライブだとイギリスでは1万人超のライブハウスを埋めたとか。3年前にサマソニ大阪で見た時点で日本ではライブでの凄さが伝わっていて、実際見た時のレビューでは”ここ最近だとPerfume、ももいろクローバーZやきゃりーぱみゅぱみゅ辺りが凄い勢いでステップアップした印象がありますが彼女たちもおそらくそういう存在になるのではないか”と書きました。どうやらそれどころではなかったようです。
前作『BABYMETAL』はさくら学院重音部からの歴史を詰め込んだアルバムという意味合いもありまして、それ故に大変バラエティ豊かな内容という感想でした。今作は2年間の活動を経て相当本格的にベビメタの音楽を掘り下げた作品という印象です。6.や8.、9.のようにユルめの楽曲もありますが、そのユルさは前作と比べるとある程度までで抑えているような気がしました。個人的にそこは少し残念な部分もありますが戦略としては間違っていません。むしろその結果が冒頭およびラスト2曲の凄さに昇華されたわけです。この4曲は今のBABYMETALだからこそ歌えるナンバーで、明らかに成長した部分になります。その中でも特にSU-METALの歌声には強さと説得力が増してきました。5.は特に素晴らしく、このアルバムの中でも一際輝いた楽曲になっています。
というわけで言うまでもなく今作も21世紀を代表する名盤になりますが、中盤辺りはまだ改善の余地ありといったところ。そうなると次のアルバムは更に期待感が増すわけです。彼女たちはまだまだ日本だけでなく世界中の人々を席巻させています。思えばスポーツの世界では世界に誇るアスリートが多く生まれていますが、音楽となると平成以降ほとんど出てきませんでした(勿論日本的な意味で素晴らしいアーティストは山程いるのですが)。BABYMETALは久しく待ち望んだ世界に誇る日本人アーティストとなっています。この勢いでいくと、本当に全米1位や全英1位を獲得するのも夢ではない状況になってきました。少なくとも4年後の東京五輪で、日本代表として歌う可能性が一番高いアーティストであることは間違いないでしょう。日本ではついに東京ドーム単独公演が決定、既に制覇したと言っても良い状況かと思います。あとは世界。逆に言うと日本でライブを見る機会は今以上に少なくなるかもしれません。既にチケットは相当入手しにくい状況になっていますが…。