2016年05月26日

赤い公園『純情ランドセル』

純情ランドセル(初回限定盤)(DVD付) - 赤い公園
純情ランドセル(初回限定盤)(DVD付) - 赤い公園

純情ランドセル(通常盤) - 赤い公園
純情ランドセル(通常盤) - 赤い公園

(楽曲レビュー)
1.ボール
 オルゴールのような音から始まり、素直なようで決して素直でない自由な構成とメロディー。音はメンバーのバンド演奏よりもそれ以外の音の方が若干目立っているでしょうか。いずれにしても一度聴いただけでなく、二度三度聴くことで味が出る作品。赤い公園らしさが非常に出ているナンバーだと思います。

2.東京
 ”東京”というタイトルは数多ありますが、東京での成功を自ら祈るというタイプの歌詞は案外少ないような気がします。佐藤千明の声の良さもよく表れているナンバー、聴かせる名曲。

3.Canvas
 今年2月リリースの先行シングル曲。ミディアムテンポで響き渡る、純粋なバンド音で表現されているナンバー。この曲も佐藤千明の歌のうまさが印象に残りますね。

4.西東京
 「絶対的な関係」を彷彿とさせる演奏時間約2分のハードロック。ちょっとズレていると感じさせる歌詞が大変に秀逸で、地味にちょっと古い歌謡曲を思わせるメロディーも言うことなし。同じアルバムで「東京」「西東京」を入れるというセンスも素晴らしいです。ある意味ではこのアルバムを象徴する作品と言えるのかもしれません。ちなみにメンバーの出身は立川、文句なしの西東京です。

5.ショートホープ
 タバコをテーマにした楽曲も久々に聴いた気がします。ガールズバンドではチャットモンチーの「染まるよ」以来になるかもしれません。その割に紗にかかったようなアレンジを施しているのが大きなポイント。

6.デイドリーム
 迫力あるリズムギターと、Aメロ〜Bメロにおける低音に大きな聴き応えを感じる楽曲。これぞまさしく聴かせるバラード。名曲です。

7.あなたのあのこ
 ポップなメロディーと歌声がかわいいと感じさせる一曲。

8.喧嘩
 ドラムが叩く太鼓の音で喧嘩していると感じさせる雰囲気が素晴らしいですね。コミカルかつ説得力を感じさせる楽曲。演奏時間2分4秒、こういう曲こそ赤い公園のアルバムの真骨頂と思えるのは私だけじゃないはず。

9.14
 14=中学二年生、そんな中二病な心境をストレートに表現したロックナンバー。島田昌典、亀田誠治というビッグネームが今作の編曲に並ぶ中でこの曲は完全にセルフプロデュース。

10.ハンバーグ!
 ”帰ろう!”コールが前作収録曲「楽しい」を思い出させます。跳ねたようなリズムと明るさが耳に残るポップなナンバー。

11.ナルコレプシー
 ベース音とメンバーのコーラスがこの曲は特に目立ちます。この曲のみ、作詞にベースの藤本ひかりが参加。聴かせるバラードですが、後半はそこそこに激しくなります。

12.KOIKI
 昨年11月リリースのシングル曲。冒頭のイントロにちょっとした変拍子・複雑に切り替わるメロディー進行。まさに赤い公園の演奏技術の巧さを堪能出来る、小粋なナンバー。ポップとロック、売れ線とコアのバランスも抜群。初聴だと分からない部分もありましたが、今あらためて聴くと本当によく出来た名曲と感じます。

13.黄色い花
 NHK Eテレ『グレーテルのかまど』エンディングテーマ。メンバー4人の合唱から始まる歌い出しにインパクト。Jackson 5の「I Want You Back」に近い雰囲気は、公式サイトにおける津野米咲へのインタビューでもそれを意識しているという話があるようでした。いわゆる大団円感のある楽曲で、聴いていて思わず幸せな気分になるナンバーであることは疑いないところです。

14.おやすみ
 ラストは子守歌風のバラード。聴かせる楽曲です。


(総評)
 今作も彼女たちの持ち味が大変よく出ている良盤に仕上がっています。さすがに前作『猛烈リトミック』冒頭の「NOW ON AIR」「絶対的な関係」ほど圧倒的な楽曲・流れはないですが、アルバム一枚の中におけるバラエティ性とバランスの良さは、こちらの方が上と言って良いかもしれません。シングル先行曲だけだと少し無難な印象もありましたが、アルバムになると概ね期待通りかそれ以上。むしろだからこそ、津野米咲が作る楽曲の奥深さと引き出しの多さを感じさせた作品と言っても過言ではないと思います。あとは佐藤千明のボーカルでしょうか。前作でも上手いと感じた場面は多かったはずなんですが、今作はそれ以上に歌唱力の高さを感じました。声色にもバリエーションがあり、低音も高音も裏声も、作られる楽曲と同等かそれ以上に自由自在。歌唱力という面では、今いるガールズバンドの中でも間違いなくトップクラスに立つのではないでしょうか。概ね満足いく出来ではありますが、唯一気になったのはセールスがオリコン27位止まりで振るわなかったこと。彼女たちの評価の高さを考えるとあり得ない低さで、今後の楽曲の自由度に影響が出ないか、それだけが少し心配です。SMAPやモーニング娘。への楽曲提供で、津野米咲のライティング能力が相当高いことは広く証明されているはずなんですが…。






posted by Kersee at 01:04| Comment(0) | アルバムレビュー(J-ROCK) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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