総選挙も毎年恒例になりました。その投票券が入っている今回のシングルも、例年通りオリコン集計で144万枚を計上しています。ですのでCHART insightの構成比はセールスで約99%、円グラフはほぼそれを現す紫色で占められています。ただ昨年の「僕たちは戦わない」が160万枚だったので、それと比べると減ってはいるようです。一応セールス以外の要素も欄外のYoutubeを除いてTOP5以外には入っているので、1位という順位そのものは妥当と言えるのではないでしょうか。
楽曲は「翼をください」の曲名から連想される通りのフォーク調。PVも昭和40年台中盤感がバリバリです。山本彩のギターはお馴染みですが、もう一人ギターを弾いている子はこれまであまり見かけない顔で新鮮ですね。彼女の名前は向井地美音で、今作が初センターということのようです。ゲスト俳優に上條恒彦がキャスティングされているのも地味に高ポイント。「君はメロディー」もそうですが、今年のAKB48シングルはじっくり聴かせるのがコンセプトでしょうか。昨年までとはかなり傾向が変わっているようです。
2位 Flower「やさしさで溢れるように」
12年前となると、30代以上にとってはついこの前の感覚にもなりますが10代〜20代半ばにとっては遠い昔。J-POPに興味を持つ年代が小学生高学年から中学生と仮定すると、リアルタイムで原曲を聴いていないかギリギリの世代になります。ですので配信は安定の1位、そしてCDセールスもかなり高い数字を計上しています。勿論セールス要素は今週の2位で全体の60%ほど、CDリッピングは14位で案外高くないですがTwitterとYoutubeは1位になっています。言うまでもなくこの曲はJUJUの代表曲ですが、Flowerの代表曲としても今後振り返られる形になりそうです。『ズートピア』の主題歌を歌っているDream Amiもそうですが、今年のE-girlsは本体以上に派生ユニットの活躍が目立つ1年になっているようです。ちなみにJUJUの原曲も今週73位にランクインしています。
3位 BOYFRIEND「GLIDER」
日本でのシングルは今作7枚目、言うまでもなくK-POPですが、この曲は井上ヨシマサが作曲しているようです。ですので他のK-POPと比べるとメロディーがかなりハッキリしている印象があります。セールス3位、Twitter6位。CDリッピングは圏外ですが、4万枚売って数多くtweetする辺りにファンの頑張りがよく表れている気がします。
4位 大原櫻子「大好き」
今年初となる新曲、前作「キミを忘れないよ」が昨年11月なので結構空きましたが、29日には2ndアルバム『V』のリリースが早くも決定しています。ラジオ2位・Twitter8位ですが案外4位になっているセールス要素はBOYFRIENDとの差が大きかったのでしょうか。ストレートに好きという気持ちを伝えるラブソングは、いつも以上にフレージングを意識した歌唱に聴こえます。良いのではないでしょうか。
16位 ときめき宣伝部「むてきのうた」
オリコンでは4位で大原櫻子より上でしたが、他の要素が上位に入っている彼女と比べるとこちらはやはりまだまだ。チャート構成比率も8位になっているセールス要素が9割を占めています。スターダスト所属のアイドル、3枚目のシングルはオリコン順位13位→8位→4位で順調にステップアップしているようです。初動枚数も2.2万枚は前作の倍近い数字ですね。楽曲は王道青春アイドルソングといった趣。ただごまかしが効かない楽曲の中で、大きな破綻は一聴する限り全くありません。もしかすると歌唱力は先輩方より高いかもしれないですね。
17位 04 Limited Sazabys「climb」
フォーリミという略称で親しまれているロックバンド、メジャーでのシングルは今作が2枚目。昨年メジャーデビュー、今年に入ってから彼らの名前を聞く機会が格段に増えてきました。ラジオオンエア14位は、本来の注目度からいくとむしろ少し低いようにも感じます。
この曲はシングルEP「AIM」1曲目に収録されている楽曲。冒頭からドラムのBPMが格段に速いですね。ただ元になるメロディーは案外基本に忠実という印象もあります。ボーカルのキーはこういったバンドの中で一番高いような気がします。
20位 Brian the Sun「HEROES」
ソニーミュージックはアニメとの繋がりが深いので、それだけで他のレーベルより有利になるものです。この曲も『僕のヒーローアカデミア』エンディングテーマに採用されています。爽やかなメロディーで聴かせるポップスバンドという趣。ラジオオンエア7位。オリコンでは33位止まりですがセールス要素25位につけるあたり、やはりアニメから入って配信で入手するという人が多いのでしょうか。
23位 i☆Ris「Ready Smile!!」
『プリパラ』といえばもうこのグループですね。12枚目のシングルになります。メロディアスに聴かせるエレクトリックなナンバー。オリコン9位・セールス要素11位。
25位 Luce Twinkle Wink☆「1st Love Story」
こちらはオリコン6位・セールス要素16位。アニメ『ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?』オープニングテーマに起用されているこの曲は彼女たちにとってはメジャー2ndシングル。かわいくメロディアスに聴かせるファンシーな正統派アイドルソング。
33位 Kiss Bee「君と僕と夏の物語」
ホームページにはオリコンデイリーランキング1位獲得が大々的にアピールされています。週間でも8位でした。CHART insightはセールス要素18位、それ以外の要素は全て圏外のようですが今作で5枚目のシングル、少しずつ実績をつけているのは確かなようです。楽曲は5年くらい前のAKB48がよく歌っていたタイプの青春ソング。ファンであればあるほど感情移入できるナンバー、といったところでしょうか。
35位 郷ひろみ「IRREGULAR」
今作でなんと101枚目のシングルになります。夏を感じさせるサンバっぽい曲調は「夏が来る」を思い出させますが、作詞したのはその曲を歌っていた大黒摩季。現在60歳、シンガーソングライターや演歌なら他にも多くいますが、デビューがアイドルで現在ここまで活発に音楽活動している還暦超えは彼だけ。素晴らしいことです。
38位 村川梨衣「Sweet Sensation」
女性声優・村川梨衣のデビューシングル。第一声からすごく元気さを感じさせる声が素晴らしいですね。アニメ『12歳。〜ちっちゃなムネのトキメキ〜』オープニングテーマですが、本人も”永遠の12歳”を自称しているらしいです。となると目指すはやはり田村ゆかりになるのでしょうか。
42位 三月のパンタシア「はじまりの速度」
こちらもデビュー作。ボーカリスト・みあを中心に据えたプロジェクトは、楽曲も含めてsupercellやHoneyWorksを彷彿とさせます。タイアップはアニメ『キズナイーパー』エンディングテーマ。オリコンは38位、ですがmoraではやはり強く初登場で10位につけてます。
46位 井上苑子「ナツコイ」
神戸出身のシンガーソングライターでまだ18歳、今作がメジャー2枚目のシングル。ユニバーサル期待の新人ですね。ギターを持つアーティスト写真からはクールな歌声と楽曲を想像させますが、この曲は意外とかわいい歌声で打ち込み音もふんだんに使っています。どちらかと言うとmiwaに近い系統でしょうか。このタイプはうまくタイアップなどが合えばすぐにブレイクすることも考えられますが、果たして。
51位 妄想キャリブレーション「ちちんぷいぷい♪」
アイドルファンにとっては既に広く知られてる存在ですが、メジャーレーベルからのリリースは今作が初。ソニーミュージックなので、これまたタイミングが合えばアニメタイアップでセールスを増やしやすい環境になります。トランス・サイバーの色を感じる編曲は、地下アイドルがそのまま地上に表れたという雰囲気が出ているような気がします。クセになる楽曲ですね。Youtubeのshort ver.は曲の続きが気になる構成に仕上がっていて、面白いです。良いのではないでしょうか。そういえば3年前にあべのキューズモールででんぱ組.incのリリースイベントを見に行った時に前座で歌っていたのが、デビューしたばかりの彼女たちでした。もっともその時のイベントは雷雨で中止になりましたが…。
56位 花澤香菜「あたらしいうた」
10thシングル。今作は初めて彼女が作詞に挑戦した楽曲。美しい歌声と生音で聴かせるポップな楽曲、ちょっと坂本真綾っぽい部分もあるでしょうか。
58位 山口活性学園「ONE」
山口を拠点にするアイドルの7thシングル。ロック色強めのストレートなアイドルソング。ただどちらかと言うとこの曲は激しさよりもメロディーを意識している感じに聴こえます。
82位 吉川 友「歯をくいしばれっっ!」
昨年の「花」は17分超の長さで話題になりましたが、この曲もかなり異質な楽曲です。常人には到底思いつかないような字余りの歌詞に曲中で何度もテンポが変わる楽曲構成。なかなか凄い内容です。誰が作ったのかと思いきや、大のハロプロファンでもある大森靖子。納得。むしろ今年自らリリースしたアルバムのどの曲よりもぶっ飛んでるような気がするのは私だけでしょうか。