
WE (初回限定盤) - 家入レオ

WE (通常盤) - 家入レオ
(楽曲レビュー)
1.僕たちの未来
今年5月に発売された先行シングル表題曲。オープニングの楽曲として起用されたこの曲は”未来”をテーマにした内容で極めて前向き。サビに向かって音がどんどん広くなっていく描写がとても美しいです。時期が違っていればオリンピック中継タイアップでも不思議ではないように思いますね。
2.Brand New Tomorrow
一曲目と同様、非常に爽やかかつ前向きに作られた盛り上げ曲。キーボードの音が大きなアクセントになっています。
3.君がくれた夏
昨年8月に発売されたシングル表題曲。月9ドラマ主題歌にもなった、いまや彼女を代表するバラード。
4.恍惚
木村カエラのボーカルを意識したような、ミディアムバラード。ドラムの刻みの難しさが印象的。
5.Party Girl
大きな会場、例えばスタジアムで歌うと特に絵になりそうなライブ向けのナンバー。おそらくこのアルバム直後のツアーだけでなく、それ以降も定番になりそうなアンセム。2番のAメロの歌詞に、彼女の本音が表れているようなそうでないような。そんなこの曲は初めて作曲でも、彼女の名前が単独でクレジットされる楽曲になっています。
6.I Wish
明るくも優しい歌声、そんな感想が思い浮かぶバラード。
7.we
キーボードのみの演奏で聴かせる、僅か2分のバラード。位置づけとしてはインターバルに近いでしょうか。この曲も作詞だけでなく作曲も本人のみが手掛けた自作。
8.Hello To The World
今年2月に発売されたシングル表題曲。「サブリナ」でデビューした2012年以来、もっともボーカリスト・家入レオの素晴らしさを味わえる楽曲ではないかと思います。
9.シティボーイなアイツ
微妙にエフェクトをかけた演出、電子ドラムが強めの編曲、そして”渋谷で5時”がモロに入る編曲。昭和60年代〜平成前半の要素を詰め込んだような内容がとてもインパクトあります。TDKかマクセルのカセットテープのCMタイアップ、とか言われても信じてしまいそうな勢い。
10.さよならSummer Breeze
聴いていてどことなく気持ちが落ち着きそうな、晩夏が似合うバラード。
11.そばにいて、ラジオ
ラジオをテーマにした楽曲。落ち着いた内容。地元の福岡ではラジオ各局共通のタイアップとして使われているようです。
12.Every Single Day
実質このアルバムのラストを飾る、スケールの大きなバラード。
13.オバケのなみだ
今年2月に発売されたシングルのカップリング収録曲。『みんなのうた』に採用された楽曲は、このアルバムではボーナストラックとしてラストに追加される形。
(総評)
オリジナルアルバムは今作で4枚目。過去3枚は西尾芳彦プロデュースでしたが今回のプロデュースは多保孝一。当然作風も多少変化していますが、一番大きいのはサウンドでしょうか。これまでと比べると確実に音の広がりといいますか開放感といいますか生音感といいますか、全体的にパワーアップしたという印象を強く与える作品でした。4年ぶりに生で歌声を聴いたから余計にそう感じただけかもしれませんが、このアルバムを通して彼女は”歌唱力が素晴らしい”から”歌唱力がものすごい”アーティストに進化したような気がします。その歌声からは、これまでの作品にあったような十代特有の葛藤や迷いを全く感じさせないものになっています。また音の種類もバリエーションが多くなり、少なくとも過去3作より確実にアルバム初収録曲が面白くなったようにも思いました。デビュー当時から応援しているファンと意見は分かれるかもしれませんが、私は今の家入レオの方が確実に面白くて、魅力的に感じられます。勿論4枚のオリジナルアルバムの中だと今作が一番好きな作品ですね。今年を代表する名盤というより、今作以降の活動の足がかりという点でものすごく大きな意味を持つアルバムだと思います。次のアルバム・楽曲群がさらに楽しみになってきました。時間が出来ればそろそろワンマンにも足を運びたいところですが…。