今週の1位は、あらゆる意味で今年最大のトピックと言い切っていいでしょう。「Love Is A Battlefield」以来16年ぶりの新譜というだけでもとんでもないことなのですが、それを事前展開一切なしでCDショップに並べるという。凄まじいことだと思います。Youtubeの動画もご丁寧に、10月4日フラゲ日にアップされたもの。そこからSNS上で広がる速度も大変なものでしたが、何よりオリコン計上13.5万枚という結果。これが全てを物語っています。ロックフェスにパンクバンドの存在は現在欠かせないですが、おそらくバンドだけでなくその音楽のファン全てがハイスタという道を通っているわけです。30代〜40代の元ロックキッズが買うのは当然としても、この数字はそれ以外の世代を巻き込まないと残せないのではないでしょうか。握手券やDVD込みの発売でないので、余計に驚きが強いです。なお配信やWEBでも26日以降に購入はできるようです。
YoutubeにアップされているPVは2曲目に収録されている「ANOTHER STARTING LINE」。ゆっくりとしたリズムに長いキャリアから滲み出る風格を感じ、シンプルな言葉とメロディーに何年経っても変わらない良さを感じます。やっぱりこれを聴くと他の曲も買って聴きたい、という気分になりますね。個人的にはリアルタイムと言いつつも決して積極的に聴いてきたバンド・ジャンルではないのですが…。何と言いますかこれも彼らが起こすマジックなのでしょうか。
2位 星野 源「恋」
ハイスタが突然の大旋風を起こしていなければ、おそらく今週はこの曲がブッチギリ1位だったと思われます。指標はYoutubeの5位を除いて全て1位〜2位完全独占、オリコンでは初動10万枚超え。この10万枚超えは今年だとジャニーズ・4846系・ボイメンと防弾少年団が記録していますがほぼ全て初動に売上が偏るアイドル系。それが今週ハイスタとこの星野源で記録しているのですから分からないものです。ちなみに先日こちらのライブイベントに足を運びまして、トリで登場したのが彼だったのですが、尋常ではないほど女性からの歓声が上がっていました。ですので彼ももはやアイドルとみなしていいのかもしれません。ステージ自体も含めて言うと、完全に時代を作っている存在と化している印象を強く持ちました。非常にこだわりを持っている音楽性だけでなく人間的な面白さ・魅力も素晴らしいものがありまして、私も思わず惚れてしまいそうになるくらいでした。
楽曲は先日初回放送されたTBS系ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』主題歌。ガッキーの相手役で本人も出演していますが、早速オープニングで踊るガッキーが話題になっています。そのバックで流れる曲も明らかに「SUN」以上のクオリティで、明らかに『YELLOW DANCER』のまま進化しています。メロディーも演奏も歌詞も何もかも素晴らしいですね。年間上位入りは100%間違いない、そんな楽曲になりそうです。
4位 ピコ太郎「ペンパイナッポーアッポーペン」
突如として上位に躍り出たこの曲、なんでもジャスティン・ビーバーが大絶賛したことでYoutube再生数が世界一になったのだそうです。千葉県出身の53歳だそうですが、実際の正体は古坂大魔王。元底抜けAIR-LINE、近年はお笑いよりもリミックスやDJなど音楽方面の印象が強い人です。
内容はリズムネタそのもので、正直ネタそのものは日本人から見ると面白いのかな?という疑問もあります。ただ語呂とリズムがいいので、子どもあるいは日本語にあまり馴染みのない外国人に大ウケする理由は分かるような気もします。これを曲と言っていいのかどうかはやや微妙ですが、まあリズムは確実に存在しているので、やっぱり音楽としてチャートに入るのは間違ってないのだと思います。
5位 SEKAI NO OWARI「Hey Ho」
2年前ならこの時期「Dragon Night」、もっとも本格的に勢いづいたのは年末辺りからだと記憶していますがそれと比べると今回はやや隔世の感。ハイスタや星野源どころかピコ太郎より下になるとは誰も想像していなかったことでしょう。勿論セールスはオリコン3位ですが配信を含めた総合セールスは4位。もっともオリコン計上の数字は約6万枚、そこまで大きく数字を落としてないどころか、昨年同時期の前作シングルと比べればむしろ少し上昇してます。アリーナツアーが完売してドーム・スタジアムツアーも決まっているくらいですから、根強い人気はまだまだ健在ということですね。
楽曲は今回「RPG」の続編的な位置づけだそうです。というわけで当然名曲になっています。イントロの音が全てバンドサウンド以外の楽器で構成できるのがセカオワの凄さですね。作品は動物殺処分ゼロプロジェクト支援シングル。それにしても今のJ-POP・J-ROCKで「音楽隊」「楽団」という言葉が似合うのはこの人たちかチャラン・ポ・ランタンくらいではないでしょうか。予測もつかない展開に音楽としての面白さ、この曲も正当に評価されるべき、今年を代表する名曲だと思います。
6位 ShuuKaRen「UNIVERSE」
E-girlsが誇る姉妹・藤井萩花と藤井夏恋の2人組ユニット。夏恋ちゃんはE-girlsでもメインで歌ってるので聴き慣れたものですが、姉の萩花ちゃんの歌声を聴けるのはファンにとっては新鮮ではないかと思います。カジュアルなカッコ良さが前面に出ている楽曲は、E-girlsやFlower、Happiness辺りでもあまり聴けないクールな雰囲気。聴き応え十分見応え十分、高レベルな作品に仕上がっているのではないでしょうか。
7位 AAA「涙のない世界」
「恋音と雨空」「さよならの前に」「愛してるのに、愛せない」路線にしっかり通じる、AAAを代表するバラード。ただその中でも一番の王道バラードを言っている楽曲のような気もします。一人一人のソロで聴きどころをしっかり作っている構成は、相変わらず流石の一言。
9位 MAG!C☆PRINCE「Over The Rainbow」
ボイメンに続く東海地方からの刺客・MAG!C☆PRINCEの3rdシングル。オリコン・セールス要素とも6位ですがそれ以外全てランク外なのもボイメンと共通。爽やかで聴き応えのある、スケールが大きくてイケメンな楽曲です。
13位 B'z「世界はあなたの色になる」
劇場版『名探偵コナン 純黒の悪夢』主題歌および『名探偵コナン』OPテーマ。公開は4月でしたが、配信限定リリースは10月4日まで待たされた形。ちょうどDVD&ブルーレイが発売されたタイミングですね。おそらく10年くらい前ならCDとしてリリースしてオリコン1位を獲得したのだと思いますが…。もうデビュー30年近くになるのですが、人気はいっこうに衰えません。それどころかコナンがきっかけの小中高生、あるいは親からの影響でますます増えそうな勢いです。さすがに新曲発表のペースは相当緩やかになりましたが…。
14位 ST☆RISH「マジLOVEレジェンドスター」
もうこのマジLOVEも4期突入・長くなりました。ただCDの売上に関して言うと以前ほどの勢いはないような印象もあります。それでもCDリッピング5位はさすがの強さと言ったところ。
17位 miwa「結-ゆい-」
今年のNHK全国学校音楽コンクール・中学校の部課題曲。ピアノを基調とした演奏にオーケストラが加わる、彼女のこれまでの楽曲の中でもトップクラスの壮大なナンバー。良い作品であることは間違いないですが、前作「Princess」と同様チャート的にはかなり不振。個人的には昨年の『ONENESS』で多少そんな予感はしていましたが、予想以上に落ち方が激しい印象もあります。
23位 KANA-BOON「Wake Up」
勢いの低下は、彼らにも感じられる部分になってきました。2014年の「フルドライブ」の頃はまさに日の出の勢いでしたが、完全に落ち着いてしまってます。この曲は朝をイメージした爽やかな楽曲と思いきや、どちらかと言うと日の出の前をイメージした内容。スピードで序盤から飛ばすのではなく、曲が進むごとに少しずつ盛り上がっていく構成に経験を感じさせます。楽曲そのものからは引き出しが多くなっている印象でしょうか。スケールの大きさも十二分に感じさせる内容で、クオリティは十分に高いです。
25位 [Alexandros]「Feel like」
一方こちらは今が全盛期かそれとも更に栄華は続くのか、という状態のバンド。11月9日リリースのアルバム『EXIST!』収録曲。曲調もそうですが、何よりカラフルな色彩のPV。これは彼らの曲の中でもかなり新鮮な印象があります。アルバムも楽しみですね。
32位 BiSH「オーケストラ」
彼女たちはアイドルというジャンルでラジオオンエアは不利な立場なんですが、その中でラジオオンエア5位。これはかなり業界から押されてると言って良いのではないでしょうか。集計週にリリースされたアルバム『KiLLER BiSH』収録曲、オリコン初登場7位は大健闘。バンド演奏にオケが合わさった楽曲は、メロディーもハッキリしていて奇を衒うことのない王道ロック。かなりクオリティ高いです。このアルバムは1日だけiTunes無料ダウンロードしていましたが、効果は相当あったということでしょうか。余裕があればこちらも聴いてレビューしたいところです。
40位 ROTTENGRAFFTY「So...Start」
個人的に彼らの曲をこれまであまり聴いていない自分が聴いた印象としては、”日本調パンクロック”といったところでしょうか。歌っている姿といい歌詞といい、ものすごく熱さが伝わる作品ですね。音の使い方はこれまたハイスタとほぼ同時期にヒットしていたTHE MAD CAPSULE MARKET'Sに近いかなとも感じるところですが。
41位 THE YELLOW MONKEY「砂の塔」
TBS系ドラマ『砂の塔〜知りすぎた隣人』主題歌として、19日に15年ぶりのシングルがリリース。音といい吉井さんの声といい、聴いた瞬間にイエモンそのものと感じさせる世界観。シリアスという単語だけで収まらないような深みのある音作りは、良い意味で1990年代と何ら変わりありません。吉井さんの声はむしろ艶やかになっているのではないでしょうか。ヒット当時以上の男の色気が出ているようにも思います。素晴らしい、まさにその一言がピッタリ当てはまる名曲ですね。
50位 Stella☆Beats「さあ共に!-story of yours-」
4thシングル。オリコンでは11位でした。明るく聴かせる楽曲です。