
人間開花(初回限定盤)(DVD付) - RADWIMPS

人間開花(通常盤) - RADWIMPS
(楽曲レビュー)
1.Lights go out
全編英語詞で響き渡るサウンドは、ピアノの音が目立ちます。後半になってから彼ららしいバンド音も出てきますが。幻想的とも思えるオープニングは、のっけからこれまでのRADWIMPSとは違いつつもラッドらしいとも感じる、このアルバムらしさが出ているようにも感じます。
2.光
PVも制作されたこのアルバムのリードナンバー。以前のようなドロドロした部分はまるでありません。ですがその分歌詞の世界観は余計に深まったようにも感じられるような。今年のRADWIMPSを象徴するような名曲。
3.AADAAKOODAA
轟音が響き渡る、絶対にシングル表題曲にはなりようがないナンバー。この曲は以前のラッドのイメージに近い部分もあり。
4.トアルハルノヒ
レターテイストの歌詞もさることながら、サビの入りにおける開放感が凄まじいナンバー。これだけサビの入りが鮮やかと感じさせる楽曲も滅多にないと思います。名曲。
5.前前前世 [original ver.]
映画『君の名は。』を象徴するナンバー。サントラ収録後に書き下ろされたCメロの歌詞は、急遽差し替えられて映画本編で採用されました。というわけでこのバージョンはCD初収録になるわけです。
6.'I' Novel
昨年11月のシングル表題曲、先行配信はその1ヶ月前に開始されていました。東京メトロのCMソング。ラップに近いサビまでのメロディーは、2000年代のミクスチャーロックらしいテイスト。
7.アメノヒニキク
ギターの音だけで雨模様の雰囲気を出す冒頭の編曲が秀逸。それ以外も全体的に独特の雰囲気、アルバムの中でも確実に輝きを放つナンバーになっています。凝ってます。
8.週刊少年ジャンプ
タイトルをキッカケにした歌詞の広がり。この1冊からここまで広がるということが凄いです。曲調はシンプルなバラード。
9.棒人間
6/8拍子のリズムで謡われるRADWIMPSワールド。この曲も野田洋次郎の発想が光ります。
10.記号として
昨年11月のシングル表題曲。さすがに「おしゃかしゃま」程ではないものの、歌詞も構成も複雑なテイストのナンバー。
11.ヒトボシ
ライブ音源を収録。オリジナルアルバムとしては珍しいパターンです。楽曲はかなりの王道ロック。
12.スパークル [original ver.]
7分近い曲ですが、『君の名は。』サントラ盤は9分とさらに長いです。
13.Bring me the morning
「スパークル」の余韻をイメージしたような、アコースティックギターメインのインスト。
14.O & O
まさかのゴスペルテイストが入るバラード。もっともその声は加工された歌声ですが。聴かせる楽曲ですが、編曲のスパイスはかなりのものがありますね。後半は生声も入って、本当にそれらしく壮大に。
15.告白
6分半にわたる大作バラード。ピアノのみの演奏をメインに、場面によって他の楽器が加わる形。
(総評)
ドロドロしていてディープなイメージから脱却と言いますか解脱したと言いますか、そんな印象を持たせる作品でした。勿論3.のような楽曲も残ってはいますが、概ねサウンドは爽やかで聴きやすく、ファン向けというよりは万人向けという印象があります。ただその中でも予想がつかない面白さは随所に見られ、発想だけでなくクオリティも素晴らしいもの。やはり名盤であることには間違いないように思えます。歌詞は今回あまり聴き込めていないので深い分析は今のところ出来ないですが…。ただ某所のレビューを見る限りファンの間では賛否両論のようです。ただ一アーティストの歴史における音楽・心境の変化を読み解く上では、このアルバム以上に分かりやすい作品も滅多にないのではないでしょうか。