
THE END - BLUE ENCOUNT

THE END(初回生産限定盤) - BLUE ENCOUNT
1.THE END
2.HEART ☆
3.Survivor(2016.3.9 Sg.)
4.TA・WA・KE
5.ルーキー ルーキー ☆
6.涙
7.LOVE
8.LAST HERO(2016.11.23 Sg.)
9.GO!!
10.スクールクラップ
11.city ☆
12.だいじょうぶ(2016.6.29 Sg.)
13.はじまり(2016.1.13 Sg.)
1年半ぶり、メジャーレーベル2枚目となるBLUE ENCOUNTのアルバムは相当な力作に仕上がっていました。
シングルだけでも楽曲の引き出しの多さを感じましたが、アルバムはそれと比較にならないほど。J-ROCKの全ての要素を試すどころか、果てはジャンルを飛び出した作品まで出現。その中にも十二分の一貫性・熱さ・アルバムとしての流れなどが非常に高いレベルで備わっています。今年のJ-ROCKにおいては特に必聴作品で、CDショップ大賞でも上位に入ること早くも確実ではないでしょうか。
壮大なロックバラード「THE END」にはじまり、「HEART」は英語詞多めの迫力満点・ストレートなバンドサウンド。名曲「Survivor」を挟んで始まる「TA・WA・KE」もBPM速めの攻撃的サウンド、そこには社会への鬱屈を込めた歌詞も込められています。「ルーキールーキー」で少しポップ色を強めた後の「涙」「LOVE」は思いっきりそっち方向に寄せた形。確信犯的にありふれたタイトルにしているのもすごく気に入りました。
「LAST HERO」もドラマ主題歌になった名曲、オープニングはGLAYの「STAY TUNE」を彷彿とさせます。その後の「GO!!」は過去FLOWに同名のヒット曲がありましたが、カバーではないにしろブルエンなりの青春パンクを思いっきり作ったという趣。「スクールクラップ」もその路線で、”起立・礼・踊れ”の号令が大変コミカル。序盤とは全く違う雰囲気で楽曲が展開されていきます。その極めつけが「city」。バンドの生い立ちを語るようなラップミュージックは編曲も打ち込み中心で、他のロックバンドだとまず作らないような音楽になります。そこにブルエン、とりわけ田邉駿一の音楽に対する過剰なまでの強い想いと度胸が凝縮されている、と書くと言い過ぎになるでしょうか。
「city」の後に聴くシングル2曲はやはり格別。「はじまり」で終わって「THE END」でまた始まるという構成は、ベタと思う部分もありますがやはり巧いと感じる部分の方が強いです。というわけで「city」の歌詞でもある通り、特に前半はELLEGARDENの影響を感じさせる面もありますが、楽曲のバリエーションの多さ・クオリティの高さという点では既にエルレ並かそれ以上に達しているのではないでしょうか。今のJ-ROCK界、特に近年メジャーデビューしたバンドの中では間違いなくトップクラスだと思います。楽曲だけでなくバンドとしての熱さも文句なしに屈指で、既に叶ったMステやフェス・武道館よりも更に上のステージに立つのも全く夢ではありません。来年の今頃はJ-ROCKファンだけでなく、普段彼らの音楽を積極的に聴かない層にまで知名度が広がる可能性も高いとともに、是非そうなって欲しいと心から願うところであります。