2017年03月01日

Suchmos『THE KIDS』(2017.1.25)

THE KIDS(通常盤) - Suchmos
THE KIDS(通常盤) - Suchmos

THE KIDS(DVD付) - Suchmos
THE KIDS(DVD付) - Suchmos

1.A.G.I.T.(2017.1.11 先行配信Sg.) ☆
2.STAY TUNE(2016.1.27 EP『LOVE&VICE』)
3.PINKVIBES
4.TOBACCO
5.SNOOZE
6.DUMBO(2016.7.6 EP『MINT CONDITION』) ☆
7.INTERLUDE S.G.S.4 ☆
8.MINT(2016.6.24 先行配信Sg.)
9.SEAWEED
10.ARE WE ALONE
11.BODY(2016.1.27 EP『LOVE&VICE』)


 「STAY TUNE」が2016年を通してロングセラーになったSuchmosが、満を持してリスナーに贈る2ndアルバム。

 とにかくこのアルバムは聴いていて気持ちが落ち着きます。ボーカル・YONCEの声も含めて、全体的に上質な音がふんだんに入れられています。ギター・ベース・ピアノ・DJその他もろもろ、どの音もくっきり聴こえるとともにいずれも主張しすぎていないバランスの良さ。センスが良い、と記すことが既にナンセンスと感じるくらいで、この現象に新しい言葉を作りたくなるほどです。大ヒット中のアルバムになっていますが、おそらくほとんどの人がその内容にも満足しているのではないでしょうか。名実ともに、2017年を代表するアルバムであることは間違いありません。おそらく年末にも振り返られる機会がかなり多くなると思われます。

 冒頭「A.G.I.T.」のギターソロが、Suchmosの世界の入り口として最高の効果を示しています。そこから始まるYONCEの歌い出し、開始20秒で名盤確定と言いたくなる勢いです。次の「STAY TUNE」でほとんどの人が完全に虜になるといった状況でしょう。かくいう私もその一人です。

 「PINKVIBES」「TOBACCO」「SNOOZE」、上質なサウンドが続きます。どの音も良いですが個人的に特に素晴らしいと思ったのはベースですね。J-POPでベースラインがここまで気持ち良いと感じさせるサウンドは滅多にありません。その中で「DUMBO」は歌詞が印象的なカッコ良い作品。”アマチュアもプロも変わんないね”のフレーズが耳に残ります。

 Suchmosのサウンドを堪能するならやはり「INTERLUDE S.G.S.4」。インストでここまで耳を傾けたくなる作品もないと言いますか、普通にジャズ・フュージョンとして成立しているように感じます。後半4曲も彼らならではのサウンドワーク満載で、まさしく音のシャワーを浴びている気分になること請け合い。ただ「STAY TUNE」「MINT」など一部の曲を除くと、聴き慣れるまで一曲一曲の区別がややつきにくい印象もあります。楽曲のバリエーションという点は、もしかすると今後の課題なのかもしれないと個人的に感じたところ。

 ですので2017年を代表する名盤であることは間違いないですが、作品としてこれがピークにはならないと思います。いや正確にはなって欲しくないというのが正直なところでしょうか。ジャズやブラックミュージックなどのオシャレな部分を切り取った彼らのサウンドは、間違いなくこれまでのJ-POPでは聴けなかった音です。J-POPもここまで進化したか、と感じさせるにはまさに打ってつけのバンドとも言えます。一時代を築く存在として、2010年代後半を牽引する存在として。彼らの活動には今後おおいに期待したいです。
 


posted by Kersee at 23:52| Comment(0) | アルバムレビュー(J-ROCK) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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