
【早期購入特典あり】俺でいいのかい ~港カヲル、歌いすぎる~(初回生産限定盤)(DVD付)(港カヲル特製メモ帳付き) - 港 カヲル (グループ魂)
1.俺でいいのかい
2.ひとり(カバー/ゴスペラーズ・2001)
3.女子力発電おじさん〜私立恵比寿中学に迷いこんだ港カヲル〜 ☆
4.ランニング・ショット(カバー/柴田恭兵・1986)
5.Be my ライバル〜カヲルが破壊に噛み付いた〜
6.HOWEVER(カバー/GLAY・1997)
7.ふたりのSecond party〜港カヲルが神田沙也加に出会った〜 ☆
8.君は1000%(カバー/1986 OMEGA TRIBE・1986)
9.東京午前3時
10.壊れかけのRadio(カバー/徳永英明・1990)
11.カヲルの子守歌 ☆
12.南部ダイバー(カバー/愛唱歌)
グループ魂のMC担当・港カヲルが本当に46歳を迎えることを記念して作られた初のソロアルバム。当然のように、とんでもなく濃ゆいアルバムになっています。オリジナル曲とカバーを交互に12曲という編成。
冒頭「俺でいいのかい」の時点で下ネタ全開。一応フランス的かつムーディーな雰囲気の演奏ですが、港さんのネチっこい歌声で台無しになってます。それが最大限に発揮されているゴスペラーズの「ひとり」カバー。一応グループ魂のメンバー協力のもとアカペラで仕上がってますが、もう何と言えばいいのでしょうか。電車の中でウォークマンやiPodで聴くのは絶対オススメできません。サビで声色を変えたり、高いところを1オクターブ下で歌ったり。Amazonにある”5次会あたりで入ったカラオケで延々港カヲルの歌声を聴くことになったような”というレビューがまさにしっくりきます。ちなみに東京国際フォーラムのライブでは本家ゴスペラーズをバックにこの曲を歌ったとか。
「女子力発電おじさん〜私立恵比寿中学に迷いこんだ港カヲル〜」はヒャダイン作曲、クドカン作詞でエビ中をゲストボーカルに迎えた作品。一言で言うと、頭おかしい曲です。常人には出てこない発想の歌詞、ドサクサ紛れに鉄腕アトムのメロディーを拝借する中盤、そもそもこんなヘンテコな歌詞をノリノリで歌うエビ中の面々。確かにエビ中は過去に訳の分からないおかしな曲を複数歌っていますが、その中でもトップクラスなのではないでしょうか。ただ今となっては”生きろ!生きろ!”というフレーズ、色々と考えさせられる部分が多くて、大変複雑な気持ちにもなってしまいます。
原曲のカッコ良さが一切ない「ランニング・ショット」を経て、「Be my ライバル〜カヲルが破壊に噛み付いた〜」はMステでもパフォーマンスしたリードナンバー。破壊(阿部サダヲ)とバトルしている設定の楽曲。当然ながら下ネタも混じりますが、意外と本音でぶつかっている熱さが聴く方にも伝わる名曲に仕上がっているように感じますね。
「HOWEVER」のカバーは当然原曲よりもかなりキーを下げてます。もう完全にカラオケボックスで歌ってるような状態ですね。で、神田沙也加とのデュエット「ふたりのSecond party〜港カヲルが神田沙也加に出会った〜」ですが、これまた秀逸。下心丸出しの男と、なぜかひたすら焼きそば食べたいと押しまくる女のシチュエーション。以前にも増してクドカンワールドが冴え渡ってます。港さんが歌おうとする声を被せて歌う沙也加さんのパートは特に最高です。
「君は1000%」「壊れかけのRadio」、生真面目な音楽ファンが聴くとおそらく”酷い”という感想しか出ないと思います。前者はひたすらオリジナルの声色をマネしていて(途中変に歌詞を変える場面も)、後者は途中からほぼ壊れかけの状況を通り越してしまいます。ただ歌が上手い以外特に工夫の感じられないカバーと、港さんのひたすら個性的なカバーどちらが好きで優れているかと言われると、間違いなく後者ではないかと思います。カバーソングで大事なのは”原曲へのリスペクト”と”歌い手のオリジナル性”。上手いかヘタかは別として、少なくともこのアルバムのカバーについては2つの要件、特に後者はかなり備わっていて、良い内容だと思っていますが、どうでしょうか。
オリジナルの2曲、「東京午前3時」は松尾スズキ作詞、伊藤ヨタロウ作曲。酒場での語りとちょっと歌うサビで構成されるジャジーなナンバー、酔いが回ったと思われる後半スパークする構成がなかなか。そして「カヲルの子守歌」。坂本慎太郎作曲のメロディーは大変雰囲気良いのですが、”風俗嬢にほめられたんだ”と歌う1番の時点でアウトです。子どもにはとてもじゃないですが聴かせられません。しまいには"Shall we sex?"とか歌っちゃってますし…。
ラストはお待ちかね「南部ダイバー」。『あまちゃん』ファンなら3年半待ち焦がれていたであろうフルコーラスですが、初っ端のセリフから”よーし!裸になろう!”。確かに潜水土木科は基本的に男ばかりですが…。”よーし、誰が一番大きい声を出せるか競争だ!”はいいとして、その後は”誰が一番○○○○がデカイか”…。とてもじゃないですが、アキちゃんに見せられる光景ではありません。
というわけで、おそらく2017年トップクラスの迷盤になるものと思われます。個人的には大好きなアルバムですが、年末ランキングに入れるとしたら間違いなく悩む作品になりそうです…。