2017年03月31日

PASSPO☆『Cinema Trip』(2017.2.15)

Cinema Trip 【Type-A】 - PASSPO☆
Cinema Trip 【Type-A】 - PASSPO☆

1.Popcorn bought?
2.Music Navigation ☆
3.7's Up(Cinema Trip Ver.)(2016.7.27 Sg.)
4.PlayGround 
5.Mr.Wednesday(2016.2.24 Sg.)
6.ラブリフレイン(2016.11.23 Sg.)
7.NASA! 〜なんであいつ好きなんだ、嗚呼〜
8.不屈のレジスタンス
9.WEEKDAY QUEENS
10.マイノリティー・ヒーロー
11.ギミギミaction(2016.11.23 Sg.)
12.フィルム ☆
13.バチェロレッテは終わらない(2016.7.27 Sg.) ☆


 メジャー5th、CROWN GOLDにレーベル移籍後および7人編成になってから初めてとなるPASSPO☆のフルアルバム。

 今回は”映画”というかなり明確なコンセプトを持ったアルバムに仕上がっています。これまでのPASSPO☆のアルバムも全くハズレのない素晴らしい内容でしたが、やはりここ数年ステージを見たり環境が色々変わったりするのを見ていると感じるものです。これまで以上にメンバーやチームの気持ちが直に伝わる最高の作品に仕上がっていました。おそらく一年通して考えても、2017年女性アイドルで5本の指に入るアルバムになるかと思われます。

 「Popcorn bought?」における搭乗アナウンスでコンセプトも紹介。そこから始まる「Music Navigation」からもう早々に熱いナンバーに仕上がっています。バンド演奏もさることながら歌詞とそこに乗せられるクルーの歌声。そこにはPASSPO☆の生きがいがそのまま凝縮されているかのよう。グループのコンセプトから1ミリもずれていない内容に”継続こそが最短のルール”というフレーズ。胸が熱くなります。

 「7's Up」はメンバーの他己紹介ソング。このキャリアで今こういった曲を入れることもさることながら、サウンド的に奇を衒うことなくPASSPO☆らしいロックな雰囲気で貫かれているのも非常に重要なポイント。「PlayGround」はゾンビをテーマにしたナンバーで、PVも作られています。ホラーは日本と海外で雰囲気がかなり違いますが、この曲は映像でも分かる通り海外の成分の方がかなり高め。サウンドでもそれがよく表れています。

 レーベル移籍1作目のシングル曲となったポップなアメリカンポップス「Mr.Wednesday」を経て、「ラブリフレイン」は同事務所のSilent Sirenチームの提供(すぅが作詞、作曲はクボナオキ)。女の子ならではの歌詞と、くっきりとしたメロディーが耳に残ります。PVはバンド編成、ライブでこの形で披露される機会もあるでしょうか。

 「NASA!〜なんであいつ好きなんだ、嗚呼〜」は読んで字のごとくのコンセプト、編曲もシンセサイザーの音が強いです。歌詞は全く別として、サウンドはキュウソネコカミのそれに近い部分もあるでしょうか。「不屈のレジスタンス」はスパイ映画がテーマ、サウンドも戦闘的。やはりボーカルとしては森詩織の真骨頂という状況になっています。死ぬほどカッコ良いです。「WEEKDAY QUEENS」は女性主役の世界観、これもまたアメリカの映画を見ているかのよう。

 「マイノリティー・ヒーロー」の歌詞も泣かせます。PASSPO☆が歌うから余計に感じ入るものが多くなる部分もありますね。舞台はSF映画ですが、日常にも当てはまる点は非常に多いです。サウンドも含めて恐ろしくカッコ良いとともに、7人の存在感が非常に大きく見えますね。王道パーティーポップスに仕上がっている「ギミギミaction」が直後に入る曲順もギャップがあってまた効果的。

 結成9年目だからこそ説得力を持つ「フィルム」。このキャリアだからこそ歌えるとともに、現時点での集大成とも言える楽曲ではないかとも感じます。パンクロックにも近い全力のサウンドがものすごく熱いです。これを聴いた後に友情をテーマにした「バチェロレッテは終わらない」で締めるのが感動的。単体で聴いても良いのですが、このアルバムの流れで聴くとここまで感じ入るナンバーになるものかという印象ですね。

 女性アイドルウォッチャーでもPASSPO☆が語られる機会は3年前より減っていて、事実TOKYO IDOL FESTIVALのステージの動員数やオリコンランキングのCD売上でも後進のアイドルに抜かれている印象もありました。ですがこのアルバムを聴いてその認識は完全に間違っていると確信。サウンドやパフォーマンスは以前から素晴らしいものがありましたが、ここ数年の紆余曲折もあったせいかチームワークとグループに対する想いがものすごく今回の作品から伝わってきました。初めてTIFでステージを見た時の衝撃は凄まじいものがありましたが、このアルバムではそれを思い出させてくれたとともに、また応援したいという気持ちも湧いてくる内容でした。J-ROCKファンにもオススメしたいとはアルバムレビューのたびに毎回書いていますが、今回はまず最近PASSPO☆を聴いていない人に強くオススメしないといけない作品だと思っています。はっきりいってものすごくパワーアップしています。実のところ世間的にはまだPASSPO☆の素晴らしさは伝わってないとともに日本武道館単独も未だだったりするので、今作からまたあらためて彼女たちはすごいグループであることを広く伝えていきたい、そんな気持ちですね。



posted by Kersee at 08:32| Comment(0) | アルバムレビュー(アイドル) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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