
THE GUERRiLLA BiSH(AL) - BiSH

THE GUERRiLLA BiSH(AL+DVD) - BiSH

THE GUERRiLLA BiSH(AL+Blu-ray Disc)(初回生産限定盤) - BiSH
1.My landscape ☆
2.SHARR
3.GiANT KiLLERS(2017.6.28 Al.『GiANT KiLLERS』) ☆
4.SMACK baby SMACK
5.spare of despair
6.プロミスザスター(2017.3.22 Sg.) ☆
7.JAM
8.Here's looking at you, kid.
9.ろっくんろおるのかみさま
10.BODiES
11.ALLS
12.パール
13.FOR HiM
楽器を持たないパンクバンド・6人組アイドルBiSHのメジャー2ndフルアルバム。
昨年のアルバム『KiLLER BiSH』は期間限定でiTunes300円先行配信が話題になりました。作品そのものも「オーケストラ」を中心に高く評価されています。更に言うと、これが功を奏したのか分からないですがこの1年間でライブ動員数が爆発的に伸びています。今年は幕張イベントホールを完売させて、来年5月にはついに横浜アリーナでのワンマンが決定しました。今作も11月4日にタワレコ限定発売でその翌日にiTunes先行配信、これまた破格の安価で提供しています。それにも関わらずオリコンCDランキングでは5位。4846系ハロプロスタダ以外では、最も広く支持されている女性アイドルグループになりつつあります。
楽曲は、まず「My landscape」がいきなりの超名曲。圧倒的なスケールをもって構成される楽曲と歌声からは、日本だけでなく世界を見据えているかのような。オーラを感じさせるトラック・PVになっています。リードトラックとして、百点満点の出来と言い切って良いのではないでしょうか。
「SHARR」は本来の路線であるハードロック。ヘドバン上等デスボイス連発。6月のミニアルバム収録曲「GiANT KiLLERS」も同様の激しいナンバー。勢いも凄いですが、トラックとしての出来も抜群。バンドサウンドもそうですが、オーケストラ系の弦楽器の使い方が特に面白いです。
「SMACK baby SMACK」もPVが作られています。前2曲と比べると幾分ポップですがダークな色合いは変わらず。9mmっぽいロック歌謡「spare of despair」を経て、「プロミスザスター」は前半の締めっぽい役割でしょうか。それにしても、この曲のアイナ・ジ・エンドの絶唱は何度聴いても感動モノ。2017年を代表する名曲、そういえばアイドル楽曲大賞でもこの曲に票を入れている人が多かったですね…。
ガラリと変わって、「JAM」は聴かせるバラード。アルバムの中では大変良いアクセントになっています。で、続く「Here's looking at you, kid.」は再びアップテンポ。ロックナンバーと言いつつもこちらは”疾走感”という言葉がしっくりくる内容。ちょっと2000年代前半のパンクがヒットシーンに躍り出た時期を思い出させる部分もあるような。「ろっくんろおるのかみさま」のタイトルが示す通りのロックチューンですが、前半の曲と比べると若干の明るさを感じます。「BODiES」もこの路線。ただ続く「ALLS」では一気にデスボイス連発でパンキッシュに。「パール」までいくと気がつけば終盤。THE YELLOW MONKEYのカバーではないのですが、歌詞の一部を拝借したりリズムの使い方がそれっぽかったりするなど影響はかなりありそうです。ラストは「FOR HiM」、王道ポップ。あえてスケール大きい編曲ではなく、バンド演奏メインを選ぶ辺りが締めではなくBiSHの物語が続くことを示唆しているようで、素晴らしいです。
これもまた今年の女性アイドル界でトップクラスの名盤。ただ前半はほぼ完璧な出来だったのに対して、後半はまだ少し伸びの余地を残しているという印象もありました。既に売上・ライブ規模的にはBiS超えを果たした状況だと思いますが、日本中全てに知られる存在になるまではあともう少し。来年以降の活動にも、おおいに期待したいです。