GIRLS POWER(初回限定盤)(DVD付) - SILENT SIREN
GIRLS POWER(通常盤) - SILENT SIREN
1.フジヤマディスコ(2017.3.1 Sg.) ☆
2.merry-go-round
3.KNiFE
4.Love Balloon(2017.3.1 Sg.c/w)
5.パパヤパヤパ
6.ジャストミート(2017.10.11 Sg.) ☆
7.AKANE(2017.5.24 Sg.)
8.フユメグ(2017.10.11 Sg.c/w)
9.さくら咲く青い春
10.Kaleidoscope(2017.5.24 Sg.c/w)
11.ODOREmotion
12.さよなら日比谷 ☆
2018年アルバムレビュー、今年の一作目はEMI Records移籍後、および大文字表記になってから初となるSILENT SIRENの5thアルバムを選んでみました。
先に発表されたシングル曲で既に感じられたことですが、これまでの楽曲と比べて音・演奏が思いっきり進化しています。それにつられるような形でアルバム全体の構成も良くなりました。非常に高く評価されるべき名盤に仕上がっています。
冒頭の「フジヤマディスコ」がまず良いです。イントロのベースが象徴的ですが、キーボード・ギター・ドラム・ボーカルいずれのパートもほどほどに主張して非常にバランス良く、無駄がありません。「”かわいい”というイメージが大変強いSilent Sirenが、”カッコ良さ”を装備したSILENT SIRENに進化した」。そんなキャッチコピーを思わずつけたくなるような内容ですね。言うことなしの名曲と言って良いのではないでしょうか。
「merry-go-round」はサイサイらしい可愛い曲ですが、「フジヤマディスコ」の後に聴く速いリズムは心地良さをより増幅させます。続く「KNiFE」はPVが作られています。少しシリアスさを感じさせる楽曲はこれまでの彼女たちとは違う味、今後の活動を占う上でも非常に重要なナンバーですね。サウンドの巧さが光ってます。
「Love Balloon」「パパヤパヤパ」「ジャストミート」、この3曲はいずれもライブを意識しているような印象でしょうか。ミディアムテンポに乗せられる「Love Balloon」はメロディーの良さも目立っていて、非常に親しみやすい楽曲に仕上がっています。アリーナ以上の広い会場だとタイトル通りの大きな風船を演出に取り入れたくなりますね。「パパヤパヤパ」はズバリ言うとひと昔の前の大塚愛が歌いそうなナンバー。サイサイは声質も非常に大きな武器ですが、それが最大限に活かされています。編曲にブブゼラを取り入れているのも面白いですね。シングル曲「ジャストミート」も名曲、野球と恋愛をかけた歌詞も面白いですが演奏の魅せ方もそれに勝るとも劣らない位にずば抜けています。
アップテンポの楽曲が小気味良く続いた前半、バラードの「AKANE」でグッと雰囲気が変わります。バラードのシングル曲は過去にもありますが、一つ一つの音がこれだけクッキリと出ているアレンジはあまりなかったような気がします。ウィンターラブバラードの「フユメグ」からメロディアスなアップテンポの「さくら咲く青い春」に経る展開は季節の移り変わり。ちなみにサイサイの楽曲はこれまで同様今作もほとんどがクボナオキ作曲ですが、「さくら咲く青い春」はベースのあいにゃんが作曲担当。
ラスト近辺、「Kaleidoscope」はマイナー調のメロディーが特徴的。「ODOREmotion」もそうですが、同じアップテンポでもメロディー・コードがかなりの対照をなしている感じですね。「ODOREmotion」はタイトルだけ見ると盛り上げ曲ですが、内容は思いっきり演奏で魅せる楽曲という印象です。キーボードやベースの演奏はライブでも大きな見所になりそうです。そしてラストは「さよなら日比谷」。すぅの実体験を言葉にした歌詞に説得力があるのもそうですが、それを最も活かした形のメロディーと淡い演奏も素晴らしいです。この曲もまた、今回のアルバムにおける進化を象徴している楽曲と言えそうです。
総じて、SILENT SIRENの進化を感じさせる素晴らしい作品でした。彼女たちのステージはフェスで何度か見に行っていますが、今年は初めてワンマンライブにも行く予定にしています。すぅちゃんの声質の良さは以前から感じていましたが、演奏の巧みさを感じたのは今作が初めてかもしれません。ライブもどこまで進化しているか、楽しみにしたいです。