2018年02月09日

DAOKO『THANK YOU BLUE』(2017.12.20)

THANK YOU BLUE (初回限定盤)(CD+DVD) - DAOKO
THANK YOU BLUE (初回限定盤)(CD+DVD) - DAOKO

THANK YOU BLUE (通常盤) - DAOKO
THANK YOU BLUE (通常盤) - DAOKO


1.打上花火(2017.8.16 Sg.)
2.ステップアップLOVE(2017.10.18 Sg.) ☆
3.Juicy
4.さみしいかみさま(2015.10.21 Sg.)
5.ShibuyaK(2015.10.21 Sg.)
6.BANG!(2016.9.14 Sg.)
7.ダイスキ with TeddyLoid(2016.9.14 Sg.)
8.拝啓グッバイさようなら(2017.4.15 配信Sg.)
9.同じ夜 ☆
10.GRY
11.もしも僕らがGAMEの主役で(2016.9.14 Sg.) ☆
12.ゆめみてたのあたし(2015.10.21 Sg. c/w)
13.Cinderella step(2017.8.16 Sg. c/w)
14.ワンルーム・シーサイド・ステップ


 米津玄師や岡村靖幸とのコラボで2017年一気に注目度を上げた、DAOKOのメジャー2ndアルバム。



 多くの人がDAOKOを知るキッカケになったその2曲を冒頭に持ってくる構成。楽曲については当ブログの年間ランキングでも相当上位に入れたので今更語るまでもありませんが、2曲続けて聴くと全く違う楽曲のタイプであることがよく分かると思います。言うまでもなくこのアルバムで言うと最初の山であり、また序章・プロローグにあたる部分でもあります。



 今回のアルバムで最も知られている楽曲は冒頭の2つですがそれ以外もかなりの楽曲が既発シングル収録曲で占められています。その中で3曲目の「Juicy」は数少ない新曲。「ステップアップLOVE」の流れを少し受け継ぐようなアップテンポは少し前のテクノポップ風。Perfumeというよりは、MEG辺りの方がしっくりくる感じですね。あるいはAira MitsukiとかSweet Vacationとか、ちょっと懐かしい名前を思い出したくなるようなナンバーです。「さみしいかみさま」「ShibuyaK」は両方とも2015年発売のメジャー1stシングル。ブレイク前と言いつつもオリコンでは最高23位なので、決して低くはありません。この3曲を聴く限り、基本線はラップも時折入るテクノポップでしょうか。ちなみに彼女のダンスの振付を担当しているのは、Perfumeでもお馴染みのMIKIKO先生なのだそう。




 既発曲が続きます。「BANG!」は渋谷系にR&B、さらにズキュンという効果音でアイドルらしさも混ぜたような楽曲。総合的に言うと”ガールズポップ”らしい一曲と言えるでしょうか。同じシングルCDに収録されている「ダイスキ with TeddyLoid」は鋭利な打ち込み音とヘビーな歌詞が強い個性を放つ一曲。配信シングルとして発売された「拝啓グッバイさようなら」も重めの内容。そういえば同時期に大森靖子のアルバム『kitixxxgaia』にゲスト参加していますが、このブロックで挙げた後者2曲は少なからず彼女と共通性を感じる部分もありますね。


 今回のアルバム新曲で、「同じ夜」はPVが作られています。注目の若手バンドD.A.N.とのコラボ作品になったこの曲は5分40秒の長尺。浮遊感と言いますか、意識して作られた不気味さと言いますか。少なくとも、冒頭2曲と同じCDに入っていることが若干信じられなくなる感覚に陥ります。「GRY」もゆったりとしたリズムに重低音が響く重めの楽曲。聴く方にも緊張感が伝わる内容になっています。


 「もしも僕らがGAMEの主役で」はそんな重めの流れを変えるような明るい打ち込みポップ。中田ヤスタカ楽曲提供と言われても違和感全くありません(実際は小島英也(ORESAMA)、DAOKO作曲です)。したがってメロディーラインが抜群に良いです。Cメロのラップパートも大変小気味良く、自分としてはちゃんとリリース当時に聴いておきたかった楽曲ですね。「ゆめみてたのあたし」は大変音数少なく作られた、囁くように歌われるバラード。ラストは「Cinderella step」「ワンルーム・シーサイド・ステップ」とステップ2連発。と言ってもアップテンポで盛り上がる曲ではなく、あくまで聴かせるテイスト。後者はPerfume「マカロニ」のイメージにかなり近いものを感じましたが(特にサビ)、どうでしょうか。


 一枚のアルバムを通して様々なイメージが作られるアルバムだと思います。「打上花火」「ステップアップLOVE」もしくはそれ以外どの曲から入っても、えっと思わせる楽曲が必ず入っている一枚ではないでしょうか。軸は打ち込みのテクノポップ・ラップミュージック・渋谷系辺りだと思いますが必ずしも一様ではありません。ですが、どの曲調どの編曲どのコラボに関わらず”これがDAOKOだ!”と感じさせる魅力が詰まっているように思います。興味を持つキッカケとして手に取るべき一枚であるのは当然ですが、おそらくこれを聴いたかなりの人がDAOKOの魅力にドップリ嵌まるのではないでしょうか。文句無しの出世作、当ブログで年間ランキングに入れるのは2018年になりますが、上位に食い込む可能性は高くなりそうです。



posted by Kersee at 00:42| Comment(0) | アルバムレビュー(女性J-POP) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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