2018年05月22日

BAND-MAID『WORLD DOMINATION』(2018.2.14)

WORLD DOMINATION(初回生産限定盤A) - BAND-MAID
WORLD DOMINATION(初回生産限定盤A) - BAND-MAID

WORLD DOMINATION(初回生産限定盤B) - BAND-MAID
WORLD DOMINATION(初回生産限定盤B) - BAND-MAID

1.I can't live without you.
2.Play
3.One and only
4.DOMINATION
5.FATE
6.Spirit!!
7.Rock in me
8.CLANG
9.Turn me on
10.Carry on living
11.Daydreaming(2017.7.19 Sg.) ☆
12.anemone ☆
13.Alive-or-Dead ☆
14.DICE
15.ハニー


 PASSPO☆やSILENT SIRENを擁するプラチナムから放たれた新たな刺客・BAND-MAIDのメジャー3rdアルバム。

 彼女たちもまた昨今勢力を伸ばしつつあるガールズバンドですが、かなり個性的なライブをする方々のようです。モチーフはバンドの名前が示す通りのメイド。衣装はメイド服、ライブをお給仕、ファンをご主人様・お嬢様と呼んでいるのだそうです。さぞかしスイーツで萌え萌えな音楽なのだろうと想像したくなりますが、実際はこれからレビューで書く通り全くの真逆。そのギャップに堪らなく萌える存在、のようです。


 というわけで、音楽的には思いっきりバリバリのガールズロックです。SHOW-YAとか浜田麻里とか小比類巻かほるとかが売れていた1989年くらいのイメージでしょうか。したがってボーカルは非常に芯のある力強い歌声で、バンドの演奏も一つ一つの音が強く響き渡ってます。ギターに関しては完全にハードロック/メタル系。特に今作の前半はそれが顕著で、「I can't live without you.」からの4曲は完全に路線徹底しています。4曲目の「DOMINATION」はPVが作られていますが、映像を通して見ると幾分ポップにも見えるでしょうか。それにしてもYoutubeのコメントは英語が多いですね。やはり日本人よりも海外の人の方がこういう音楽を好きになりやすいのでしょうか。


 こういう路線の曲はどの曲も聴き応えある反面、特に普段聴き込んでいない人ほど楽曲の区別がつきにくいのが難点。歌詞や多少のリズムの違いはあれど、最初の4曲だけでなく10曲までほぼこういった系統の楽曲が続きます。ただ個人的にこれは間違いなくこのバンド及びアルバムの長所で、特にまだBAND-MAIDの音楽を知らない人にとってはバンドの自己紹介としてはまさに打ってつけ。逆に言うと、ここで自分の好みと合わないと感じた場合は他のアーティストをお薦めするという形になるでしょうか。”一貫性”と”似通った”は表裏一体の言葉ですが、ここでは一貫性という向きで捉えたいです。そんなことも感じながら聴いていると、11曲目シングル曲「Daydreaming」はバラード。特にメロディーはシングル向けに作られることがよく分かる内容ですが、サビ入りの声の出し方や重音を奏でる音楽には強い芯を感じさせます。ハードロックの激しい楽曲も良いですが、むしろそれ以上に熱さを感じるナンバーだと個人的には思いました。


 「anemone」もバラードですが、ハードロックの中にあるからこそより光る楽曲なのは「Daydreaming」と同様。再びハード調に戻った「Alive-or-Dead」は、前半10曲と比べるとかなりキャッチーな印象があります。ラスト、PVも作られた「DICE」もまた小細工全く無しの正真正銘ハードロック。言うことなしの締めです。なおCD通常盤とSpotify他配信でも入手できる「ハニー」はムックのカバー。疾走感ある演奏に打ち込みを混ぜるのもまた、BAND-MAIDの新たな味と言えるのかもしれません。


 とにかく歌が上手くて激しいガールズ・ハードロックを聴きたい人に強くお薦めする作品。ただメイド色全開のライブは実際のところどんな感じなのでしょうか。そういう意味では、実際のステージを見ないと本当の魅力は半分も伝わらないバンドと言えるのかもしれません。各ロックフェスに呼ばれると、それだけで話題が倍の倍の倍になりそうな雰囲気もありますが、HPのスケジュールを見ると海外でもかなりの公演数をこなしている模様。果たして有名になるのは日本が先なのかそれとも海外なのか。海外で評価されて日本で全然話題にならない展開になるとしたら、国として果たしてどうかとも感じる部分もあったり。いずれにしても今後彼女たちの名前を目にする機会は更に多くなるはずです。大きな飛躍を期待したいです。


posted by Kersee at 22:58| Comment(0) | アルバムレビュー(J-ROCK) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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