I - JUJU
I(初回生産限定盤)(DVD付) - JUJU
1.Love Is Like ☆
2.いいわけ(2017.10.11 Sg.)
3.かわいそうだよね(with HITSUJI) ☆
4.東京(2018.1.24 Sg.)
5.あの夜のふたり(2017.3.22 Sg. c/w)
6.RISKY(2017.10.11 Sg. c/w)
7.Let It Flow
8.Because of You(2017.3.22 Sg.)
9.Roll the Dice
10.ウラハラ(2018.1.24 Sg. c/w)
11.believe believe(2016.11.30 Sg.) ☆
12.あなたがくれたもの
13.I
今年でメジャーデビュー15年目を迎える女性J-POPシンガー、JUJUの7thオリジナルアルバム。
「やさしさで溢れるように」「明日がくるなら」で一気に知名度を上げたのが2009年。当時はどちらかと言うと女性をターゲットにした恋愛ソングを多く歌っていた印象でした。正直申し上げるとそんなに長く人気は続かないと思っていましたが、さにあらず。歌声もそうですがそれ以上に優れた表現力・ジャンルに全く囚われないカバーも含めた持ち歌の数々。J-POPは様々なジャンルを内包した音楽ですが、それを一番体現している歌手は彼女なのかもしれません。今回のアルバムも、大変優れた内容に仕上がっています。
1曲目の「Love Is Like」から思いっきり名曲です。"アイ"という言葉の意味を徹底的に追求するような歌詞も良いですが、歌い出しからの声が最高に良いです。厚味のある歌声はまさしくこの曲における最適解と言わんばかりで、最初から今作の聴きどころとして強くお薦めしたい内容になっています。シングル曲「いいわけ」も素晴らしい楽曲。20代では出せない、経験豊かな大人の色気(それでいて決して完熟していないのもポイント)をこれでもかというくらいに表現しています。
平井堅が提供した「かわいそうだよね(with HITSUJI)」は個人的にJUJU史上最高傑作のバラード。文字だけ見ても泣きそうになる歌詞を、JUJUと吉田羊が一番説得力のある形で表現しています。間違いなく2018年を代表するバラードで、おそらく年間でもかなりの上位にランクインする形になるのではないかと思われます。
シングル曲「東京」はまさしくJUJUらしい映画主題歌バラード。毎年こういったオファーを受けては引き受けている印象もありますが、おそらく依頼殺到の中でも可能な限り引き受けているのではないかという印象もあります。シングルのカップリング、「あの夜のふたり」はじっくり聴かせるバラードで「RISKY」は打ち込みサウンドがクールな楽曲。「Let It Flow」は思いっきり洋楽寄りのR&Bサウンド、バラードから少しずつ盛り上がっていく雰囲気。
シングル曲「Because of You」は映画『パッセンジャー』日本語吹替版テーマソング、ということでバラードに戻ります。ただここはあくまで小休止ということで、続く「Roll the Dice」も流行りの海外の音楽を日本語でアレンジという趣。安室奈美恵が引退すると、日本におけるこの路線はJUJUが引き継ぐ形になるのでしょうかとも思えるくらいの。「ウラハラ」も曲調は違いますが、やっぱり雰囲気としては海外のポップス。もっとも以前から洋楽カバーどころかジャズも数多く歌っているので、違和感は何ひとつありません。
JUJUのシングル曲はバラードが相場ですが、最近は「believe believe」のようなアップテンポの楽曲も増えてきました。良い傾向です。「あなたがくれたもの」は小田和正提供&プロデュース。コーラスもしっかり入っている、非常に分かりやすい形のバラード。ラストの「I」は今作を総括するかのような、あるいは1曲目の「Love Is Like」に繋がっているかのような。各楽器特にピアノの音が大変綺麗に仕上がっている、アリーナ会場によく映えるバラードとなっています。
歌手・JUJUの魅力がギッシリ詰まっているアルバム、皆さんにもあらためてお薦めしたい名盤です。